トレースマップはカシミール3Dで作成
*この地図の作成に当たっては、国土地理院長の承認を得て、同院発行の数値地図50000(地図画像)及び数値地図50mメッシュ(標高)を使用しています。(承認番号 平23情使、第517号) 

阿寺渓谷 (長野県) 2012.9.2 晴れ・曇り・一時雨 2人

阿寺渓谷入口駐車場(9:43)→千畳岩(10:03)→狸ヶ淵(10:29)→犬帰りの淵(10:39)→中間地点駐車場(10:48)→遊歩道入口(10:51)→遊歩道出口(11:26)→熊ヶ淵(11:33)→牛ヶ淵(11:44)→阿寺渓谷キャンプ場(12:03-12:09)→7km地点(12:24-12:41)→阿寺渓谷キャンプ場(12:52-13:20)→中間地点駐車場(14:00)→阿寺渓谷入口駐車場(14:47)

★9月2日に長野県の阿寺渓谷を歩いてきました。
★阿寺渓谷入り口の駐車場をスタート。
★清流で泳ぐ家族づれを後に、渓谷に沿って車道を歩きました。
★森林鉄道跡や雨現の滝、亀石などを見ながら中間地点の駐車場へ。
★ここから車道を離れて遊歩道に入り、六段の滝やウナリ島に寄って、再び車道へ。
★熊ヶ淵や牛ヶ淵など美しい淵で泳ぐ若者を見ながら、美顔水のある阿寺渓谷キャンプ場に到着。
★さらにその先のハナノキを目指しましたが途中で雨となり、スタートから7km地点で引き返しました。
★登山ではなく往復14kmのウオーキングでしたが、車道脇に自生しているいろいろな花を楽しんできました。アケボノソウの花を見て、秋になったことを実感。

 9月に入っても暑い日が続いていることから、涼しい場所を歩くこととし、長野県の阿寺渓谷を選んだ。山ではなく、谷沿いの車道を歩くコースであるが、阿寺渓谷入口から阿寺渓谷キャンプ場までは6km、標高差は250m以上ある。たまにはこういう山歩きもいい。

 中津川ICで中央道を下りて、国道19号線で長野県に入る。大桑村に入ってすぐに阿寺渓谷入口の信号を折り返すように左折してJRを渡り、再び折り返して木曽川に向かって下りていくと、黒いアーチ状の阿寺橋を渡る。渡りきったところに駐車場があり、ここが阿寺渓谷入口となる。駐車場は10台ほどのスペースがあるが、川遊びをする若者や家族連れの車でほぼ満車。簡易トイレの脇にも駐車できるスペースがあり、ここに車を停めた。

 靴を履き替えて出発。ガードレールに阿寺渓谷ガイドマップの大きな看板が掲げてあるが、大桑村観光協会のサイトで入手したマップを持参してきたので、これを見ながら歩くことにした。車道を歩いていくと、すぐに大きなゲートがあり、「ようこそ阿寺渓谷へ」と書いてある。左に美しい渓谷を見ながら、歩道の無い車道を歩く。炎天下の車道歩きは暑いが、渓谷の瀬音が暑さを和らいでくれる。
 
 瀬音に車の音が掻き消され、後方から近づいてくる車に気づかずドキッとすることもしばしば。後方に注意しながらできる限りガードレールに沿って歩く。路肩にはヤマホトトギスやセンニンソウなどの花が見られ、また等間隔で分数のプレートが設置してあり、「○/30」と書いてある。入口からキャンプ場までの6kmを30等分した数字で、200m間隔にプレートが設置してあることになる。このプレートは目安になっていいと思ったが、結構プレッシャーにもなった。

 1km地点を通過したところで、右手に屏風のような大岩が現れた。千畳岩であり、この岩の下に立って耳を澄ますと谷川の瀬音が反響してあたかも頭上から聞こえるような錯覚に陥ると書かれた標示板があった。確かに瀬音が反響しているのが分かる。千畳岩を過ぎるとすぐに錆びた鉄橋が左の谷に架かっている。森林鉄道跡である。かつて木材を運んだ鉄道で、1968年に廃止された。鉄道跡は進入禁止となっているが、鉄橋は歩いて渡れるようになっていたので、渡ってみた。60年以上にわたって活躍した鉄道の歴史が感じられる。この辺りの河床の岩には長年にわたって石と水の流れで作られた甌穴と呼ばれる穴がいくつか見られた。

 かつての森林鉄道のレールを利用したと思われるガードレールを見ながら歩くと、「雨現の滝」の標示が現れた。どこに滝があるのだろうと谷を見るが滝がない。見上げると、かなり遠い山腹に白い一筋の滝が見えた。落差の大きい滝のようだ。雨の後に見られる「雨現の滝」である。滝から数分歩くと、右側に「ヒノキ美林」が現れる。下草のある見事なヒノキの林で、案内板によると明治27年に植えられた木のようだ。

 前方から来た軽ワゴンが我々の前で停車し、乗っていた男性からカラーのガイドマップをいただいた。中部森林管理局の方で、キャンプ場からハナノキまでの行き方などを教えてもらった。この渓谷をパトロールしているようで、この先、何度かこの車に出会った。

 フシグロセンノウや白花のツリフネソウなど次々と現れる花が単調な車道歩きを楽しいものにしてくれる。しかし、何といっても渓谷の美しさはすばらしい。阿寺渓谷の淵はその透明度から他ではなかなか見られない色をしている。色を言葉で表現するのは難しいが、サイダーの色が最も近い。最初の淵である「狸ヶ淵」を見下ろす。淵へ下りる踏み跡を辿って谷に下り、美しい流れをしばし見つめた。若者が川原でバーベキューをしおり、賑やかな声が聞こえる。

 次に現れたのが、亀の頭と甲羅そっくりの「亀石」。その次が「犬帰りの淵」。この淵は犬も帰ってしまうほど切り立った崖に囲まれている。水の色が美しい。ミニリンゴのようなオオウラジロノキの実が色づき始めていた。左に分岐する樽ヶ沢林道を見てすぐに橋を渡る。橋の右側から見下ろすと螺旋に岩肌を流れ落ちる滝が見られた。水量が多く勢いのある滝だ。橋の左側にはオシダが大きな葉を広げている。橋を渡ると広い駐車場があり、ここがキャンプ場までの中間点となる。駐車場の脇に立つ島木赤彦歌碑を見て、ここから車道を離れて遊歩道への赤彦吊橋を渡る。

 丸木階段のササの道を登る。ようやく山歩きらしくなった。坂を登りきると、鉄の階段が谷に向かって掛けられており、4人の若い女性が階段を登ってくるところだった。「早いですね。」と声をかけられた。車で来た彼女たちは歩いている我々を追い抜いたとのこと。この階段は「六段の滝」へ下るルートで急な斜面に設置されている。

 階段を下って細い木の橋を渡ると滝があった。大きな滝ではないが、勢いよく水が流れ落ちている。写真を撮って引き返し、さらに遊歩道を進んで谷を渡る。そして人工林を下る。ハイヒールで登ってくるカップルとすれ違った。遊歩道とはいえ、ハイヒールで歩く道ではない。
 
 下りきって、分岐から右に折れてウナリ島に向かう。オウレンの群落を横切って川原に出た。エメラルドグリーンの淵にある小山がウナリ島のようだ。写真を撮って引き返す。この付近にはコウヤマキが多く、その林を抜ける。分岐点まで戻って右折し、すぐに中八丁吊橋を渡る。

 再び車道歩きが始まる。水遊びするクマをよく見かけることから名付けられた「熊ヶ淵」を右に見て、24/30番を通過。キャンプ場まで残り1.2km。牛の姿に似ている「牛ヶ淵」では、数人の男女が岩の上から飛び込みをしていた。この淵はこの渓谷で最も深い淵である。野尻向林道への橋の上から牛ヶ淵を眺めて、さらに車道を歩く。遊歩道で出会った4人組の女性の車に再び出会った。キャンプ場から引き返してきたようだ。

 アケボノソウを発見。ちょうど花が咲き始めたところであり、秋になったことを実感。「吉報の滝」を見て、5分ほど歩くとようやくキャンプ場に到着。大勢のキャンパーでにぎわうキャンプ場には、「美顔水」と呼ばれる水場がある。この湧き水を利用すると、見違えるほどの色白美人になるという由来から名付けられたようで、信州の名水に選ばれている。この冷たい水をペットボトルに詰めてさらにキャンプ場の奥に進むとゲートがあり、この先へ車は入れない。ガイドマップを見るとこの先にハナノキがあるので、そこまで歩いてみることにした。
 
 ゲートを抜けて未舗装となった林道を歩く。すでに正午を過ぎているので昼食のできる場所を探しながら歩く。いつの間にか空は黒い雲に覆われ、雨が降りそうな気配。薄紫色のクサボタンの花を見ながら歩くと右に北沢林道への分岐点があった。さらに進むとちょうど7km地点の標識のところから川原に出る道があったのでこれを下って昼食にすることにした。岩の上でザックを下ろして食事をしようとしたところでぽつぽつと雨が落ちてきた。北の空には黒い雲が近づいている。ここでの昼食をあきらめ、キャンプ場まで戻ることにした。
 
 ハナノキへ行くのは中止。本格的に雨が降り始めたので、傘をさして来た道を引き返す。雷になるのではと心配したが、ゲートに戻るころには雨が止んだ。ゲートの脇から川原に下りて昼食を再開。メニューは冷やしソバ。いつもとは違う小型のザックにしたことから、箸を忘れたので、小枝をナイフで削って箸を作った。いつ雨が降り出すか分からないような空模様なので、コーヒーはパス。いつもより早めに昼食を済ませて、歩いてきた道を戻った。
 
 南に行くにしたがって空の雲が消え、日が照り始めた。傘を日傘にして車道を歩く。駐車場が近づくにつれて、足が痛くなってきた。平坦な道であるが、歩いた距離は久しぶりのロングコース。汗をかきながら駐車場に戻った。

 今回は、山登りではなく車道のウオーキングとなった。それでも美しい渓谷や夏から秋に咲く草花を楽しむことができた。帰路、すぐ近くにあるフォレスパ木曽の日帰り温泉に寄って疲れを癒した。夏には水着を持参すれば温泉に行く必要はない。
★阿寺渓谷の名所


★阿寺渓谷の植物

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