毘沙門岳
毘沙門岳  (1386m 白鳥町) 2003.5.25 9名 曇り

白鳥高原スキー場・ゴルフ場駐車場手前林道入り口(8:35)→尾根・山頂まで80分標識(9:06)→下谷作業道分岐・山頂まで30分標識(9:40)→毘沙門岳山頂(10:01-12:15)→下谷作業道分岐・山頂まで30分標識(12:30)→林道(13:15)→駐車地点(13:29)

参加メンバー:いかわさん、葵のMさん、SWさん、Nさん、ayameさんご夫妻、Sさん、RAKU2人

 北山、大白木山と、このところ、オフ登山に参加するケースが続いている。今回も、いかわさんグループが毘沙門岳に登るという情報を入手。登りたいと思っていた山でもあり、日程も合ったことから便乗。Sさん、ayameさんご夫妻の参加も得て、にぎやかな山歩きとなりました。

 Sさんと待ち合わせて、3人で白鳥町を目指す。低気圧が近づいており曇り空ではあるものの、雨の心配はないとの予報。白鳥ICを下りて石徹白を目指す。毘沙門岳方面の山の上部が雲に包まれているのがちょっと残念。国道156号線から石徹白への道に入る。阿弥陀ヶ滝近くの売店のトイレに寄り、桧峠から左折して白鳥高原スキー場・ゴルフ場に向かう。

 ゴルフ場の駐車場手前の広い路肩で身支度をするいかわさんグループを発見。1週間ぶりの対面。今回は大白木山のメンバーにNさんを加えて4人。路肩にはすでに3台ほどの先着車。我々もここに車を止めて靴を履き替えた。ゴルフ場は濃い霧につつまれ全く展望がない。本来なら北に大きな大日ヶ岳が望めるはずなのだが・・・。

 駐車地点すぐ南から左に林道が延びており、登山口へはこの林道を緩やかに下って行く。登山口まで700mの表示。登山口は林道右手にあり、山頂まで120分の表示がある。入り口に1台の車が止まっていた。ここから杉林の山道に入る。ハシリドコロの群落を見ながら一部急坂はあるものの、比較的なだらかな道を南に歩く。霧で前方は真っ白。幻想的でたまには霧の中を歩くのもいい。カラマツも多く、地面は細かい松葉で敷き詰められている。かなり人が入っていると思われ、道は遊歩道のように広い。

 30分ほどで明るい尾根に出た。霧で展望はない。帰路、霧が晴れて分かったが、この地点で初めて毘沙門岳の山頂が望める。道は西に方向を変えスキー場上部の天然林の尾根を歩く。ユキザサが可憐な花を咲かせている。しばらくして右手にリフトの建物が現れる。この辺りからも毘沙門岳がきれいに見えるのだが、霧が濃く展望は皆無。

 1201mピーク地点近くで小休止。この辺りもユキザサが見られた。野鳥のさえづりが聞こえる。野鳥に詳しいSさんから鳴いている鳥の名前を教えていただいた。シジュウカラ、ヤマガラ、カケス、ウグイス、ヒガラ、オオルリ、ツツドリ、カッコー、コマドリ・・・ 私が分かるのはウグイスとカッコーくらい。金華山周辺の観察とカセットテープによる勉強が必要のようだ。

 1201mピークからは南への下りとなる。鞍部まで急坂を一気に下る。満開の赤紫のツツジが美しい。(後にムラサキヤシオと分かる) また、ムシカリの白い花もきれいだ。道は再び西に向かい、ササの緩やかな登りとなる。次第に霧が晴れてきた。道は南に向きをを変え、右手が大きく切り開かれた伐採地に出る。ここは福井県と岐阜県の県境。正面にはこれから登る毘沙門岳が大きい。北斜面の伐採地にはまだ雪が残っている。タムシバの白い花も目に付く。

 ササの尾根を一旦鞍部まで下る。鞍部には山頂まで30分の標識。福井県側へ道があり、下谷作業道と書かれていた。鞍部で3人のパーティーが休息中。ここから、山頂への最後の登りが待ち受けている。今までの尾根歩きとは異なり、山頂めざして真っ直ぐに急斜面を登る。階段のようになった踏み跡を一歩一歩登っていく。所々にブナの木が並木のように並んでいる。枯れているものもある。足下にはテンナンショウの仲間が花を咲かせている。振り向けば歩いてきた尾根やスキーリフトの建物が見える。福井県側には林道がかなり上まで上がってきている。晴れていれば大日ヶ岳や白山が望めるのだが・・・。

 息を切らして尾根らしきところに取り付くが、先はまだある。クランクして再び登りが続く。傾斜は幾分緩やかになったが、ピッチは上がらない。遠くからカッコーが、近くではウグイスが声援をおくってくれた。食べ頃のササのタケノコが登山道脇にたくさん出ている。前方に背の高い木が見えはじめ、緩やかな登りになると山頂。

 コースタイムを30分以上縮めて山頂到着。30分程まえに到着していたayameさんご夫妻と久しぶりに再会。山頂はササが刈り払われており、ヤブっぽい所もあるが、かなり広い。二等三角点と山名の書かれた柱が立っており、柱の上に記帳ノートの箱が設置されている。3組ほどのパーティーでにぎわっており、その後、途中で追い抜いた団体さんも到着して一層にぎやかになった。2,3本のタムシバが花盛り。曇りで展望がないのが残念。

 早速、宴会の準備。まずは、いつものようにいかわさん持参の豆腐一丁を9人で分けてビールで乾杯。その後、焼き物、煮物、サラダ、雑炊、カレーうどん・・・ Sさんのおにぎりも雑炊になってしまうといういつもの宴会。昼間からお酒が飲めるのも山の楽しみ。いろいろな話題で大いに盛り上がった。

 昼食後、いつものように記念写真を撮って、下山の準備。周囲のササ藪には食べ頃のたくさんのタケノコだ出ており、多く登山者がタケノコ採りに忙しそう。霧も晴れ、北には大日ヶ岳が薄っらと見え始めた。

 帰路は同じ道を下った。霧が晴れ、周囲の山々も見え始めたが、白山などは確認できなかった。スキーリフトの建つ尾根を下に見ながら急坂を下った。鞍部から1201mピークへ。振り返れば行きには見えなかった毘沙門だけが大きく見える。山頂の切り開きや伐採地の急な登りがよく分かる。往路と同じ地点で休息し、山頂から1時間で林道に出た。林道の山側にはたくさんの小さなフキがあり、摘みながら駐車場まで歩いた。

 帰路、桧峠途中にある阿弥陀ヶ滝に寄った。岐阜県の3大瀑布の1つで、滝の横の崖の下まで入れる。多くの人がポリタンクを持って水を汲みに来ていた。散策路の途中にコケイランを発見。また、ラショウモンカズラやコンロンソウ、クルマバソウなど毘沙門岳よりもたくさんの花が見られ、満足な締めくくりとなった。

 毘沙門岳は、かつて雪のある時期でないと登れない山であったそうだが、今ではササが刈られ道は広く明瞭で、標識も整備されており、初心者でも2時間で山頂に立てる。晴れていれば、奥美濃の山が大展望。次回は、雪のある時期に登ってみたい1山である。
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