トレースマップはカシミール3Dで作成
*この地図の作成に当たっては、国土地理院長の承認を得て、同院発行の数値地図50000(地図画像)及び数値地図50mメッシュ(標高)を使用しています。(承認番号 平21業使、第478号) ※一部誤動作あり 点線は推定トレース

権現山 (525m 関市) 2010.6.6 晴れ 2人

林道終点(8:02)→展望地(8:20)→井戸(8:35)→稜線・ベンチ(8:37)→権現山山頂(8:58-9:35)→近道分岐点(9:41)→赤くずれ(10:05)→山荘(10:11)→権現滝・乙女滝(10:19-10:27)→山荘(10:32)→林道分岐点(10:40)→林道終点・駐車地点(10:44)

 先週、御殿山と平木山を歩いたときに、すぐ西にある権現山が一瞬ではあるが望むことができた。権現山山頂付近に白い物が見え、建物のように思えた。ネットで調べてみるといくつかのレポートがあり、近年、山頂付近の伐採が進んで展望もあるとのこと。コースタイムも半日あれば登れる低山。この日曜日も先週同様、午前中しか空き時間がないことから、この権現山を登ることにする。権現山という名前の山は県内にいくつもあり、そのほとんどが山頂に神社がある。この権現山も地域の人々の生活と密接な関わりがある山に違いない。

 7時前に自宅を出て、御殿山と同じルートで車を走らせる。富加町役場の駐車場にある公衆トイレ(トイレは2箇所あり中央のトイレは閉鎖されているため、駐車場南西隅のトイレを利用)に寄って、役場の北側の信号交差点から県道97号線を東進。東海環状自動車道の高架を潜って800mほど走ったところの「関也」交差点を左折。1kmちょっと走ると、右手に御殿山キャンプ場の案内があり、ここを右折。小さな峠を越えて三和町廿屋に入り、県道80号線との交差点を左折。ここを直進すれば御殿山の登山口に至る。

 県道を北上すると、山道となり舗装されているが狭い。対向車に注意しながら峠を越え、さらに狭くなった道を下ると左手に「乳岩神社」が現れた。路肩のふくらみに車を止めて、神社に寄ってみる。神社は道路わきの巨大な岸壁の中腹に空けられた穴の中にあった。この神社までの階段は垂直に近い傾斜で、手すりがあっても恐ろしい。乳岩神社の案内標示があり、名前のとおり母親の乳がよく出るようになるというご利益があるようだ。最近では乳がん封じの神社として参拝されている。今日の登山の安全を祈願。
 
 山道を下ると、いきなり広い道路に出た。この道路は関金山線から登山口のある轡野集落に向かう道路で、関金山線を利用すれば県道80号線の狭い山道を通らなくてもいい。右折するとすぐに轡野集落に入った。集落道を登っていくと白山神社を左に見て山の中に入っていく。しばらくして右手にある資材倉庫のような建物を通過すると二手に道が分岐している。権現山は周回できるようにコースが整備されており、この二手に分かれた林道それぞれの終点に登山口がある。今回は、時計回りに歩くこととし、左の道に入る。左に炭焼き小屋を見てすぐに林道終点。小さなスペースで車の向きを変え、Uターンの邪魔にならないように車を停めた。Uターンを考慮すると2・3台の駐車が限度。なお、ここまでは舗装道路で普通車でも問題なくアプローチできる。
 
 花の終わったマムシグサを見ながら靴を履き替える。周囲は人工林でGPSが電波の補足に手間取っている。未舗装となった林道を歩くとすぐに右手に権現山の標示があり、丸木4本の橋を渡って人工林の登りとなる。ジグザグと5分ほど登ってなだらかな尾根に出る。ウグイスの鳴き声が心地よい木漏れ日の尾根を歩く。左は人工林。「←権現山あと1.18k」の標示を通過して、天然林のなだらかな尾根。1.06kmの標示を通過。分厚い板に文字が彫られた立派な標示に感心しながら左山で歩くと目の前が開けて展望地に出た。前方には岩壁のあるピークが望める。最も遠くに見えるピークの稜線をこの後歩くことになる。展望地の岩にはヒトツバがたくさん生えていた。

 少し下って、枯れ木が散乱した涸れ谷を横切る。0.9km標示を見て岩のある道を登って聞くと人工林に入る。ヒノキ林は最近間伐が行なわれたようで、倒された木々が短く切って放置されている。700m標示を通過。大岩から左方向に向きを変えると急登となる。咲き始めたコアジサイの空色の花がきれいだ。白い小石が散乱するザレた道を登る。見上げれば人工林のスリットの上に青空が見える。

 ジグザグと登って0.58kmの標示を通過。端数の標示が面白い。ここには「←帰り道」の標示もある。逆コースのときにわき道に入り込まないための標示のようだ。この標示で直角に折れ曲がるように向きを変えると、傾斜は緩やかとなる。すぐに左に小さな水溜りがあり「ここは井戸(雨乞池)」と書いてある。ここからすぐに稜線に到着。間伐材で作られたベンチがあり、山頂まで0.5kmの標示。水を飲んで一息ついで、すぐに歩き始める。
 
 ここから稜線を右に歩く。登ってきた人工林が右下にある。左は切れ落ちた深い谷。切れ落ちた崖は登山道まで迫っているところがあり、手前に「危ない」の赤い表示が付けられている。侵食が進めば登山道は崖に飲み込まれてしまうだろう。慎重に通過。イワカガミの群落を見ながらクランクして小枝のうるさいところを抜ける。国土調査のテープがあり、左側の崖はまだ続いている。登り始めの展望地で見えた岩山の稜線がこの辺りと思われた。

 少し下るところもあるが稜線はなだらか。アカマツが多く、地面は松葉の落葉でフカフカしている。平木山と同様にこの山もヒカゲツツジやモチツツジが見られた。頂上まで150mの標示を通過すると、急降下となる。この急斜面も松葉が地面を覆っており、滑りやすいので周囲の木につかまってゆっくりと下る。鞍部まで下ると右側は常緑広葉樹の林となっており暗い。ここから急斜面を一直線に登る。「急な登坂」と書かれた板が木に括り付けてある。下草のない斜面を5分ほど登るとなだらかになり、「ここは社跡地」の標示を過ぎると権現山山頂に到着。かつては神社があったようだ。

 東西に長い山頂には間伐材でベンチとテーブルが作られ、北側には「権現山山頂」と書かれた立派な標示板と二等三角点。方位盤や記帳ノートもある。山頂はヒノキの人工林の中で、かつては展望がなかったようだが、今では南側がかなり間引きされてスリット状態。立ち位置を変えれば、木に邪魔されることなく東から西まで180度の展望が得られた。
 
 まず目に入ったのが先週登った御殿山から平木山への山並み。御殿山はすぐ西の554mピークのピラミッドに隠されているが、平木山は美しい三角形を見せてくれた。その左には納古山が存在感ある山容を見せる。その他の山々の名前は分からないが、単眼鏡で山並みを追うと、高木山山頂の塔が見えた。遠くに頭を出しているのは山之上富士のようだ。北側も最近切り開かれたようで、幾重にも重なる山並みが望めた。

 予想以上に気持のいい山頂のテーブルでコーヒータイム。さわやかな風にパーコレーターからこぼれる湯気がなびく。静かな山頂を二人占めして、モーニングコーヒーと菓子パンをいただく。目の前に広がる緑の山並みが眩しい。

 30分ほど山頂に滞在し、帰路は「下山コース」の標示に従って東に向う。尾根を下ると人工林に入る。ヒノキの林床を埋めるシロモジの緑が美しい。標示に従って尾根から人工林の斜面を下る。赤テープを追っていくと右へ道が分岐し、直進は「沢への近道」と書いてある。近道の踏み跡のほうがしっかりしていたので、ここは直進する。右手のヒノキ林の中にある大岩を見ながらどんどん下る。「帰り道」の標示があるので、このコースでよさそうだ。

 人工林を抜けるとゼンマイの葉に覆われた小さな谷に丸木2本橋があった。苔むした丸木で、滑りそうなので谷を飛び越えた。階段状の石を踏んでジグザグ道を下る。草付の急斜面もある。今度は4本丸木橋。この橋には滑り止めに金網がかぶせてあり問題なく渡る。

 ここから谷歩きが始まる。丸木橋を渡ったり谷を飛び越えたりして、谷川の左右を歩く。たくさんの蛾が舞い上がる。シャクガのようだ。主に人工林の中の谷であるが、目まぐるしく変わる景色に退屈しない下りである。何度か谷を渡ると、右手に巨大な岩の壁が現れた。地際には大きくえぐられた空間があり、岩壁を見上げるとシダや蔓が垂れ下がっている。この先で谷を渡ると今度は左側に岩壁が現れた。「赤くずれ」と呼ばれる場所で、崩壊しそうな岩が頭上を覆う。長い歳月をかけて谷が造り上げた岩壁である。
 
 左山で下ると、いつしか谷を高巻きする天然林の道となり、谷を見下ろすと岩の隙間を流れる渓流となっている。ヒトツバの道には落ち葉が積もり、急斜面の細道もあり、慎重に下る。人工林に入ると前方に建物の屋根が見えた。山荘のトタン屋根で、その横に下り立った。ベランダの前を歩いていくと乙女滝入口の標示が右にあったので行ってみることに。
 
 草付の道を歩くとすぐに渓谷に入る。谷のよどみにいるイモリが我々に驚いて深く潜っていく。大岩に突き当たって右の谷に入ると小さな滝があった。これが乙女滝と思ったが、さらに道が続いている。落ち葉の積もった急斜面を登って小さな流れを渡ると右に乙女滝、左に権現滝の標示があった。まず、権現滝を見に行く。岩の上を流れ落ちる二段の滝があった。さらに登ってみると一段目と二段目の間に立つことができる。二段目の滝つぼが見下ろせた。次に乙女滝へ。もう一つの谷に一筋の美しい滝があった。この滝も道は怪しいがすぐ近くまで寄り付くことができた。

 滝を観賞後、山荘まで戻って、山荘のゲートの脇を抜けて舗装された林道へ。しいたけの原木が並んだ林道を歩く。菌が打ち込まれたサクラの原木がある。サクラの木でもしいたけが出るのだろうか。コアジサイの花を見ながら、右の山を回り込むと前方に岩壁のある山が見えた。この辺りは岩山が多い。山荘から7分程度歩くと車で上ってきた林道の分岐点に出た。この分岐点には「権現山→」の標示と登山道の略図が描いてある。今回はこの地図の赤い登山道を歩いたが、黄色い管理道もあるようだ。車まで戻って3時間弱の山歩きを終えた。
 
 この権現山は比較的マイナーな山ではあるが、道は整備されており、案内板も多く、また山頂からの展望もいい。周回ができ、尾根歩きや谷歩きなどコースは変化に富んでいる。関金山線から入れば登山口までのアプローチも悪くはない。ただし細道のトラバースや崖縁の道、滑りやすい谷歩きがあり慎重な行動が必要。

 なお、平木山に登ったときに権現山山頂付近に見えた白いものは、山頂の切り開きによってできた空間だったようだ。
★権現山からの展望
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