汾陽寺山 (519m 武芸川町) 2001.9.16 晴れ 2名

汾陽寺駐車場(9:55)→水壺弘法(10:26)→道に迷い戻る→水壺弘法(11:17)→主尾根直下で昼食(12:10-13:00)→汾陽寺山山頂(13:18)→鉄塔165(13:30-13:45)→駐車場(14:58)

 近場で取り残しておいた山の1つがこの汾陽寺山である。天気も良くなり、近場の山である汾陽寺山に登ることにする。今日の天気予報では岐阜が最高気温31度になるという。まだ夏である。1時間ちょっとで登れる山であることから、10時に登山口発を目指す。しかし、この後とんでもない山行になるとは・・・

 汾陽寺山の登山口は、汾陽寺からと寺尾千本桜の公園から登れるが、今回は汾陽寺から登ることにする。武儀川を渡る時に、前方に見える台形の形をした山である。登山口の汾陽寺は武儀川町にあり春日局が参拝に訪れたという寺。参道は杉の巨木で昼間も薄暗い。

 参道途中の駐車場に車を止めて、登山口を目指す。登山口は本堂の手前にある。標識はない。登山口とおぼしき所に足を踏み入れると、踏み後は薄く、かろうじて道がある程度。その上、ジョロウグモのおびただしいクモの巣で、思わず引き返す。しかし、周りを探しても登山口はこれしかない。思い切って、進む。谷川や草で道が消えているが、古い布テープを探しながら進めば、何とか道をたどれる。冷たい谷川の水を汲んで、うっそうとした巨大な杉の林を進む。最後に人が通ったのはいつであろうか。イノシシがミミズを掘った跡がたくさんある。大きな倒木が行く手ををふさぐ。立ち止まるとヤブカの攻撃を受ける。とにかく尾根を目指す。

 道は急坂になり、30分ほどで尾根に出ると、武儀川とふもとの集落が望める。右に進み、すぐに水壺弘法に着く。荒れた地蔵と屋根がつぶれた小屋がある。地蔵さんだけでもきれいに手入れをしてあげたいものだ。古いガイドブックによると小屋の裏に道があるらしいが、見つけられない。

 西側にある椿の木をくぐり、道を発見。すぐに尾根に出る。尾根の西側は、植林直後であり、見晴らしがいい。植林で切り開かれた境を登る。ササクサが種をつけており、これがズボンや靴の紐に付く。おまけに刺のあるキイチゴの仲間と思われる潅木が道を覆い、痛いのなんの。さらに、直射日光の暑さが辛い。道は、次第に植林の中に入り、尾根からはずれ、次の尾根に回りこんでいる。若い植林地だけあって展望はいい。池田山から養老山、百々ヶ峰、そして金華山も頭を出している。先へ進むが、背丈を超えるキイチゴがいく手をさえぎる。この刺と悪戦苦闘して、次の尾根まで来て、道が間違っていると確信。地図を広げて、水壺弘法まで戻ることにする。

 もう一度、小屋の回りを注意深く見回す。裏に道らしきものはあるが、谷へ下りている。ガイドブックには小屋の裏の崖を登るとある。ササクサをかき分け、全身、トビツカまるけで登る。しかし、行く手は倒木で遮られている。地蔵の裏から道なき道を登る。倒木の上に回り込み、古い道を登るが、途中で道が消え、やぶこぎをして今下りて来た道に合流する。ここで断念か・・。もう一度、よく地図を見る。コースは尾根を一直線に主尾根まで繋がっている。下りた道を注意深く尾根に続く道を探しながら登る。よく見れば、草に隠れた道らしき跡を発見。これだと確信して、草を掻き分け進むと、道は樹林帯に入り、尾根の上に続いている。これで間違いないと思ったのもつかの間。再び、道は植林地帯に出て、たどるのが難しくなる。ふもとの集落の正午を告げる放送が聞こえる。再び断念か・・。やむを得ないと、急斜面で昼食にする。

 食事で元気が出て、草を掻き分けもう少し上まで行くことにする。すぐに、主尾根に出る。やった! あきらめなくよかった。山頂へ続く尾根はほとんど起伏がなく、暗い樹林帯が続く。15分程度でいきなり山頂へ。起伏がないため、まったく山頂らしくない。以前には、反射板があったらしく、ちょっとした広場はススキに覆われている。

 道はさらに北に続き、急坂を一気に下ると、赤土の上にそびえる鉄塔に着く。ここからの展望のよいこと。東の大きな権現山から天王山、北には矢坪ヶ岳・高賀三山、遠くに蕪山、西には相戸岳や舟伏山・・・。苦労してここまで来てよかった。帰途は、同じ道を間違えないように戻った。

 今から思えば、従来の登山道が植林によって切り開かれ、植林したところの道が草で分からなくなっているようだ。西の尾根に出てからは、とにかく尾根をはずさないように、植林と樹林帯の境を上り詰めれば主尾根に着く。帰りに、潅木地帯の分かりにくい所にマイカー線を結んでおきました。冬に登ればこんなに苦労はしない山です。
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