トレースマップはカシミール3Dで作成
*この地図の作成に当たっては、国土地理院長の承認を得て、同院発行の数値地図25000(地図画像)及び数値地図50mメッシュ(標高)を使用しています。(承認番号 平25情使、第146号) 

猪臥山 (1519m 飛騨市) 2021.5.3 晴れ・曇り一時雨 2人

駐車場(8:14)→山頂まで4km地点(8:35)→3km地点(9:05)→2.5km地点(9:22)→2km地点(9:34)→1.5km地点(9:49-9:57)→展望地(10:16)→500m地点(10:30)→猪臥山山頂・山の神(10:44-12:12)→林道接点(12:32)→展望台(12:47)→電波塔(13:15)→林道離脱(13:30)→車道(14:30)→駐車場(14:41)

★5月3日に飛騨市の猪臥山に登ってきました。
★猪臥山トンネル南の登山口駐車場を、鯉のぼりをザックに付けてスタート。
★伐採地を通過し、山頂まで4km地点を通過。
★美しい天然林の中、アップダウンを繰り返しながら尾根を歩きました。
★昨日降った雪が所々に残る道を東に向きを変えて歩き、ササの茂る平坦地を横断。
★山頂まで1500m地点で小休止して、その先の展望地で真っ白な白山を眺望。
★前方に猪臥山を見ながらササの道を登り切って大展望の山頂に着きました。
★360度の大展望を楽しんだら山の神まで下って昼食。
★帰路は東に大きく下って林道を見ながら登り返して電波塔に向かいました。
★電波塔手前で道を尋ねられた夫妻と一緒に下りました。
★林道を経由して急緩繰り返しながら尾根を歩き「源流の森」を経て駐車場に戻りました。
★美しい天然林と大展望の素晴らしい鯉のぼり登山を楽しんできました。

 猪臥山は16年前の4月に畦畑集落から雪の車道を歩いて小鳥峠経由で山頂に立った思い出の山である。南側からの登山道が整備されていることは知っていたが、なかなか登る機会がなかった。この連休はコロナで他県へ行くことができないことから、まだ歩いていない南側のコースで猪臥山に登ることにした。

 東海北陸自動車道を清見ICで下りて中部縦貫自動車道に入らず国道に出て少し走ったところから左折して大規模林道(卯の花街道)を上る。猪臥山トンネルに入る少し手前(トンネル直前の広場ではない)の左側に広い駐車場がありその南端に登山口がある。駐車場に接した山肌は皆伐されて立ち木はほとんどない。
 
 登山者の車があり、身支度をしている子供連れのパーティが見られた。鯉のぼりをザックに付けてスタート。大きな看板やマップが設置された登山口から山道に入るとすぐに皆伐のために作られた作業道に出た。
 
 作業道を横断して伐採地を青空に向かって登る。尾根に上がって向きを右に変え気持ちのいい天然林を歩く。ムシカリの花が咲き始めたところで、樹木の芽吹きはこれから。主尾根に合流してアップダウンをしながら北に向かう。
 
 アルプスの夏山の香りが漂う森林は気持ちがよく、「高山に来た」という感覚を全身で感じる。久しぶりに味わう感覚を楽しみながら歩く。登山口から15分ほど歩いたところで「山頂まで4km」の標識を通過。カラマツ林を下ったところに再び「山頂まで4000m」の標示があり、こちらが新しい標識のようだ。
 
 アップダウンしながら気持ちのいい尾根を歩き標高を上げていくと、昨日降った雪が見られるようになった。ササが目立つようになり山頂まで3000m地点を通過。ここから15分くらい歩いたところで2500mの標示があり、ここで向きを右に変えて下りとなる。
 
 ササの丈が人の背丈よりも高いカラマツ林を水平に歩き、茎を伸ばし始めたユキザサを足元に見ながら2000m地点を通過。ササの道が続き、再び下って登り返したところで大きな切り株がある1500m地点に到着。
 
 1時間半ほど歩いたのでここで小休止して、手作りのアンパンを食べる。足元にイワナシの花が咲いていた。休息していると単独男性が登ってみえたので挨拶。10分ほど休憩して男性の後を追う。
 
 ササの斜面を登っていくと次第に樹木が少なくなり展望地に飛び出した。西側が開け、真っ白な白山が青空の下に輝いている。この光景に疲れも吹っ飛び、しばらく展望を楽しんだ。
 
 ここから東に向きを変えてなだらかなササの明るい道を歩く。芽吹き前の樹木の向こうに猪臥山山頂が見え始めた。500m地点を通過したその先で猪臥山の全貌が見渡せる。ササに覆われた猪の背中が美しい。久しぶりに高い山に登ったという気持ちになった。
 
 気持ちのいい登山道を、鯉のぼりを風になびかせながら登っていくと山頂の木柱が見え始めた。山頂到着。360度の大展望に息をのむ。16年ぶりの山頂から見る光景は今も変わらない。
 
 方位版を見ながら山を同定していく。西には真っ白な白山、その北に大笠山、三ヶ辻山、金剛堂山などが白く輝く。穂高や乗鞍、御嶽は残念ながら雲に隠れていたが、南には川上岳が美しいシルエットを作っている。東海北陸自動車道も見下ろせる。南東にはこれから向かう稜線とピークの上に立つ巨大な電波塔が望めた。
 
 展望を楽しんだら東にある山の神の社に向かい参拝。小鳥峠を経て車で山頂直下の駐車場まで来ることができるので、登山者ではない人の姿も見られる。お社近くの風が当たらないところで昼食にする。卵雑炊と缶詰のメニュー。
 
 昼食中に登ってみえた3人の女性パーティに挨拶。トンネル手前から夏道を登ってきたと言われた。トンネル手前から積雪期の冬道があることは知っていたが夏道は我々が登ったコースでは・・・? 後にコースを調べてみると冬道と思っていたコースは積雪期以外も通行できる山頂までの最短コースであることが分かった。
 
 下山は電波塔経由のルートを下ることにした。「NTT鉄塔経由彦谷へ」の標示に従って東に向かう。かなり遠くに見える電波塔までは大きな2つのピークを経由して行く。まずは最初のピークに向かって標高差50mほどを下りわずかに登り返す。
 
 ササに囲まれた尾根道で踏み跡はしっかりしている。ピークに立つと次のピークとその向こうのピークに電波塔が見える。ここから背丈以上のササの中の道を大きく下る。登山道に倒れこんだササがうるさいが、ヤブをこぐほどではない。
 
 鞍部まで下ると左に林道があり登山道と接している、林道にはまだ残雪が残っており、1台のバイクが見えた。ここから登りにかかる。ちょうどこの真下を猪臥山トンネルが通っている。ササがうるさい道を登っていくと鞍部から15分ほどでピークに出た。平成18年に設置された「猪臥山登山道・展望台」の標示があるが展望はない。
 
 ここから右に直角に向きを変え、南に向かってカラマツ林を下る。相変わらずササの道である。前方に見える電波塔がかなり近づいてきた。
 
 前方から男女2名の登山者が登ってみえた。聞けば、電波塔でバイクの人に道を尋ねたら林道の先は道の駅方面であると聞き山頂へ引き返すところだとのこと。電波塔から先は林道を歩いて、その途中から山道に入ることをバイクの人は知らなかったようだ。
 
 我々の下山コースと同じなので一緒に下ることに。ご夫妻は登山が趣味で、100名山はあと少しで達成できるそうだ。そんな話しをしながら電波塔に向かって急緩を繰り返しながらササの道を登って電波塔の立つピークに到着。
 
 ここから電波塔のために整備された林道を歩く。カラマツ林の中、日陰に残雪の残る林道を15分ほど歩いたところで5段に積み上げられたガードレールの隙間から山道に入る。隙間には山頂まで3000m、登山口までは2kmの標示がある。
 
 登山道はブナ林やカラマツ林のササの道で、最初は比較的なだらかな道を歩く。わずかな登りもあり、また倒木も見られる。3500m地点、4000m地点を通過。ブナなどの大木が見られる。左側が人工林でタムシバの花が登山道の脇を飾り美しい。登山道は次第に急傾斜になってきた。
 
 天気予報に反して小雨が降り始めたがすぐに止んだ。入り口まで500mの標示を通過し、落ち葉の積もった急斜面を下り明るい尾根を歩くと、下に林道のような広い道が見えた。
 
 道の左には細い谷川が流れ、天然林は間伐が行き届き、よく整備された気持ちのいい散策道となっている。樹木の名前の書かれたプレートを見ながら下って林道と合流。ここに案内板が設置してあり、「彦谷の里 源流の森」と書いてある。この谷川は神通川の源流であることがわかった。
 
 舗装道路に合流しゲートを抜け卯の花街道に出た。車道を10分ほど歩いて駐車場に到着。車は少なくなっており、最短距離で下る登山者が多いようだ。一緒に下ってきたご夫妻と別れて、帰路、小鳥峠の湿原に立ち寄った。雨が本格的に降り始めた中、傘をさしてミズバショウやリュウキンカの花を見ながら木道歩きを楽しんだ。
 
 久しぶりに遠出し標高の高い山歩きができ、充実した山旅となった。今回歩いたコースは猪臥山のコースの中で最も長いコースでアップダウンも多いが、トンネル手前からの最短コースを歩けば短時間で山頂に到着できそうだ。次回は、最短距離で歩いてみたい。また、積雪期にも挑戦してみたい山である。
★猪臥山からの展望

 山のリストへ