トレースマップはカシミール3Dで作成
*この地図の作成に当たっては、国土地理院長の承認を得て、同院発行の数値地図25000(地図画像)及び数値地図50mメッシュ(標高)を使用しています。(承認番号 平25情使、第146号) 

飯降山 (884m 福井県) 2022.5.3 晴れ 2人

飯降公民館(9:06)→登山口(9:08)→白山大権現(9:16)→戌山分岐点(9:35)→4合目(9:57)→6合目(10:27)→アンテナ・小屋(10:43)→ブナ林(10:54)→展望地(10:59)→御嶽神社(11:07)→三角点(11:14)→展望地(11:16-12:42)→御嶽神社(12:51)→展望地(12:59)→アンテナ・小屋(13:08)→5合目(13:31)→戌山分岐点(13:52)→三角点(14:00)→大野城展望台(14:10-14:15)→戌山城址主郭部(14:24-14:36)→大野城展望台(14:44)→登山口(14:57)→飯降公民館(15:16)

★5月3日に福井県の飯降山に登ってきました。
★ザックに鯉のぼりを付けて飯降集落の登山口をスタート。
★白山神社に参拝してチゴユリの花を見ながら登って戌山からの登山道と合流。
★イカリソウの咲く緩やかな尾根道を歩き、人工林を抜けて4合目を通過。
★新緑の中、満開の美しいヤマルリソウやナガハシスミレに感動しながら急になった登山道を登りました。
★7合目を通過してアンテナ跡へ、8合目を通過して美しいブナ林へ。
★ブナ林を抜けて大野市を一望できる展望地から真っ白な白山を眺めました。
★神社に参拝してササに囲まれた三角点のある山頂へ。
★その先の展望地で荒島岳などを眺望しながら昼食を楽しみました。
★帰路は登ってきた道を引き返し戌山の城跡を散策してきました。
★登山者も少なく、登山道に絶えることなく咲く様々な花を楽しみながら、素晴らしい春山を楽しんできました。


 飯降山(いふりやま)は、福井県福井市と大野市との境にある山で、標高884m。福井市の山の中では最高峰であり、大野市からは三角錐の美しい山容が見られる。まんが日本昔ばなしで放送された『飯降山』は怖い話としてベスト5に入ると言われている。

 昔、飯降山で三人の尼が修行をしていると、毎日おにぎりが3個降ってくるようになった。一人の尼がこのおにぎりを一人で食べようと考え、次々と他の二人の尼を深い谷に突き落としたらおにぎりが降らなくなってしまったという昔話。

 東海北陸自動車道を白鳥ICで下り、中部縦貫自動車道を経由して大野市に向かう。随所で中部縦貫自動車道の工事が行われている。国道158号線で大野市に入り、市街地南部を西進。正面には飯降山が美しい三角形を見せる。

 奥越ふれあい公園のトイレに寄って、シバザクラが満開の田園を抜け飯降公民館に駐車。鯉のぼりをザックに付けてスタート。登山口は公民館のすぐ北側の尾根の先端にある。「飯降山登山入口。の石柱があり、電気柵を開けて登山道に入る。

 飯降白山大権現の大きな石碑があり、よく踏まれた溝状の参道が直進している。ストックを忘れたので枯れ木を拾ってストックにした。ツクバネウツギやチゴユリの花を見ながら登ると10分弱で白山大権現に着く。今日の安全祈願をして林道から山道に入る。

 1合目の杭を通過し天然林の道を登ると稜線に出る。2合目の杭と立派な道しるべがあり、飯降山は左、右は戌山に至る。戌山は帰路に寄ることにして左折。気持ちのいいなだらかな天然林を歩くとチゴユリに加えてイカリソウの花が見られるようになった。

 人工林を抜けて再び天然林へ。白花のイカリソウやナガハシスミレ、カンアオイ、カタクリの葉が見られる。4合目を通過。次第に傾斜が増し、美しい新緑のトンネルを登る。ヤマルリソウがたくさん咲いており、またユキザサも見られ、花が途切れることがない。

 大野市街が見下ろせる展望のいいところを通過し、5合目へ。様々な春の花を見ながら7合目を通過。溝状の道の急斜面が続く。明るい場所に出ると小屋やアンテナなど人工物がある。この上で8合目を通過し、美しいブナ林に入る。

 新緑が輝く道をジグザグと登る。ナガハシスミレやミツバツチグリ、ヤマルリソウに癒されながら展望地に到着。真っ先に真っ白な白山が目に飛び込んできた。また、大野市街が一望できる。かなり登ってきた。

 ロープのある急斜面を登ったところで足元に白い小さな花を見つけた。ハコベの仲間に似ているがロゼット状に広がった葉や花の構造がハコベとは違う。下山後に調べてみるとセンボンヤリというキク科の植物だった。

 再び小さな建物が現れた。トイレのように見えるが御嶽神社であり、扉は閉まっている。周囲には石仏が見られた。ここも展望地になっており、白山が望める。なだらかな明るいササの道を歩くと石仏があり、タムシバの花が咲いている。

 何匹も飛び回っている蝶はギフチョウ。食草のカンアオイが多い山であり、ギフチョウが多い。ササの道を行くと三角点があり山頂到着。三角点の上にはおにぎり型の石が乗っているのが面白い。通過点のようなところであり、「飯降山 あっち →」の標示がある。

 水平な道を2分ほど歩くと広場に出た。広場の中央には石仏と杉の木がある。東側が切り開かれており、荒島岳や大野市の田園地帯が望めた。 男女2名が昼食中。聞けば福井市の方で最近山登りを始めたそうだ。

 我々も杉の木の下にシートを敷いて、ナポリタンスパゲティを作った。我々が昼食中に2人が下山し、それ以降、登ってくる人はいなかった。シジュウカラがさえずる中で、いつものようにコーヒーで閉めて昼食を終えた。

 帰路は登ってきた道を引き返して戌山に向かう。展望地を後に三角点のある山頂まで戻って写真を撮った。ザックにマダニがついているのを発見。周囲のササの上にザックを置いたときに付いたようだ。

 登ってきた道を一気に下った。途中、登ってくる単独男性に出会った。2合目の白山神社への分岐点まで戻って、ここから戌山城址に向かって直進する。

 灌木のなだらかな尾根を歩く。ここから足元の花が全く見られなくなった。灌木の尾根であり、乾燥していることが影響しているのだろうか。

 新緑の中を歩いていくと標高329mの三角点を通過。ぐんぐん下っていくと戌山城址の標示があり、その先でロープのある丸木階段を登ってピークを越えるとベンチのある展望地に出た。ここが大野城の撮影スポットであり、ここから雲海に浮かぶ城が望めるようだ。「天空の城 越前大野城」の写真看板があり、11月頃に雲海が最も発生しやすいと書いてある。

 ベンチからは市街地の緑の小さな山にある大野城が望める。その奥には白山の頭や経ヶ岳、法恩寺山などの山容が美しい。

 展望地から下って急斜面の階段を登ると平らな広場に出る。ここが戌山城址主郭部で案内板やベンチがある。蕾を付け始めたナルコユリを見ながら夏みかんを食べて小休止。

 戌山城址を後に、引き返して大野城展望地まで戻り、東へ下る。ロープが設置された道を下って荒島岳が見える場所を通過。砂山への分岐点を通過して登山口に戻った。写真を撮りに訪れる人が多く、登山口にはたくさんの杖が置いてある。

 国道から農道に入り、シバザクラの美しい田園を南下。登ってきた飯降山の美しい姿を見ながらショッピングタウンの裏を歩き、公民館に戻った。公民館周辺はシバザクラ見学の大勢の人で賑わっていた。

 飯降山はこの時期、花の山となる。登山口から山頂まで足元を花が飾り、美しいブナ林やギフチョウの乱舞も見られる。また、展望地もあり、花や眺望が急登の疲れを癒してくれる。登山口までのアプローチもよく、道はしっかりしており、合目の標示もあることから、迷うようなことはない。 ほとんどが天然林であり、紅葉の時期にも登ってみたい山である

★飯降山からの展望


★飯降山の花・蝶

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