トレースマップはカシミール3Dで作成
*この地図の作成に当たっては、国土地理院長の承認を得て、同院発行の数値地図25000(地図画像)及び数値地図50mメッシュ(標高)を使用しています。(承認番号 平25情使、第146号) 

池山 (1774m 長野県) 2015.8.14 曇り 2人

駒ヶ根高原スキー場駐車場(7:56)→車道横断@(8:31)→車道横断A(8:38)→三本木地蔵(8:49)→駐車場・トイレ(9:05)→鷹打場(9:32)→水場(10:20)→新池山避難小屋(10:27)→池山山頂(10:46-11:54)→鷹打場・野生動物観察棟(12:18-12:24)→駐車場・トイレ(12:42)→駒ヶ根高原スキー場駐車場(13:29)

★8月14日に長野県の池山に登ってきました。
★池山は空木岳へのルートの途中にある山です。
★スキー場にある空木岳登山口駐車場をスタート。
★雨上がりの蒸し暑い樹林帯を汗だくで登り、車道を横断。
★最上部の駐車場からさらに遊歩道を歩き、時折ショートカット道を経由。
★濃いガスの中、足元にホトトギスやセンジュガンピを見ながら2時間半ほど歩いて、避難小屋を通過。
★尾根を歩いて池山山頂を踏みました。
★雲が湧き上がり、山頂からの展望はほとんどありませんでしたが、誰も登ってこない涼しい山頂で昼食を楽しみました。
★空木岳登山の下見も兼ねた、中央アルプスプチ登山を楽しんできました。

 今年の盆休みは1泊2日の3000mクラスの山歩きを計画したが、天候がよくない予報。14日は曇りで何とか雨は降りそうにないことから、急遽、日帰りで出かけることにした。当初は北陸の山を予定したが、北ほど天気が悪いので、長野県方面で登っていない山を探し、伊那市の権現山を選んだ。

 権現山の登山口は伊那スキーリゾートにあり、早朝、スキー場への道を上っていくと、駐車場にはテントが張られ、大勢の人で賑わっていた。駐車場整理員に話を聞くと、団体がスキー場を貸し切ってキャンプをしているとのことで、登山者の駐車場はかなり下のスタッフの駐車場に停めるようにとの指示。戻ってみたが、よく分からないし、この混雑では・・・思い切って山をチェンジすることにして、スペアーとして用意した池山に変更。池山は駒ヶ根高原スキー場から空木岳に登るコースの途中にある。

 三州街道を戻り、駒ヶ根ICの横を通って、駒ヶ岳へのバス発着場に向かう。駒ヶ池から駒ヶ根高原スキー場方面に左折して山道に入るとすぐに空木岳登山口駐車場の案内がある。ゲレンデの下にある未舗装の広い駐車場には数台の車が停まっていた。空木岳の最上部の駐車場は、さらに林道を上がったところにあり、徒歩では一時間以上の差があることが、後に分かる。

 ゲレンデ上部には宝剣岳方向が見えるのだが、雲が下りて真っ白。展望は期待できそうにない。駐車場から山側に向かう舗装道路のゲート脇から歩き始める。すぐに地道となり、池山・空木岳登山道の標示が現れる。手の込んだ池山散策マップを見て、登山道に入る。空木岳への登山道であり、道はよく踏まれている。

 人工林の中、交差する遊歩道を横切って、案内に従って山道を歩く。足下には、昨夜の雨で濡れたヤマジノホトトギスが立体的な花をつけている。丸木階段を上り、トラバース道を20分ほど歩いたところで、天然林となる。オクモミジハグマの可憐な花を見ながら、ガスの天然林を登山口から30分ほど歩いたところで未舗装の車道を横断。すぐに再び車道を横断。タクシー乗り場の標示があり、駒ヶ岳から空木岳への縦走時にタクシーを利用する場合の乗り場のようだ。
 
 ここから10分ほど歩いたところで右側に、青いよどかけをした小さなお地蔵様があった。三本木地蔵であり、その近くには遭難碑もあったので、手を合わせた。ガスが濃くなったり薄くなったりするササの道を登る。風がなく湿度も高いので、汗がしたたり落ち、眼鏡も曇る。我慢の登りが続く。

 三本木地蔵から15分くらい歩いたところで三度目の車道合流。表示に従って、ガードレールのある車道を左回りに歩くと、たくさんの車が停まっている駐車場に着いた。入り口にはトイレもある。ここが空木岳登山者用の一番上にある駐車場。ここまで1時間10分かかったので、空木岳登山の場合はここに車を停めたい。
 
 ガスが流れる駐車場を横切って登山口へ。登山口には「標高1365m 鷹打場まで40分」の標示がある。登山口から直進して、右山で歩き折り返す。なだらかな道である。ガスがかなり濃くなり、ソフトフィルターをかけたような幻想的な世界が続く。道のササは刈り取られ、シロハツやクサハツなどのキノコ類や、ソバナ、ヤマジノホトトギス、ギンリョウソウなどが見られた。

 ササの中にショートカットと思われる細い道があったので、濡れる覚悟で細道に入った。ザワザワとササを掻き分けて登っていくと遊歩道に合流。直進すれば、池山山頂1.2km、左は遊歩道経由で空木岳、右は野生動物観察棟の標示。池山山頂へは直進するが、まだ9時半であり天気もよくないので、避難小屋を経由して池山山頂に向かうことにした。
 
 空木岳方向に向かう。広い遊歩道を右山で歩く。次第にガスが消えてきた。センジュガンピやタマガワホトトギスが現れ、イケマの花も見られる。左に細い道が分岐しており、「旧池山小屋(水場)100m」の標示を通過。カラマツに垂れ下がるサルオガセを見ながら右に向きを変えて、やや開けた草の道を登る。この辺りにもセンジュガンピの白い花がたくさん咲いている。蒸し暑さもかなり和らいできた。
 
 鷹打場から45分ほど歩いて、分岐に出た。木をくり抜いた水槽に水が引かれており、冷たい水が音を立てて注がれている。竹のコップが置いてあり、冷たい水でのどを潤す。うまい水であり、ペットボトルに詰めた。池山山頂は右へ行くが、空木岳方向を見ると、100mほど先に標識が見えたのでそこまで行ってみる。四差路になっており、右は池山小屋と書いてある。ここから右に向きを変え、避難小屋経由で池山山頂に向かうことにした。

 ササの、道を水平に歩いて行くと、左側に立派な小屋が現れた。小屋の中から話声が聞こえ、空木岳の登山者が休息中のようだ。小屋の前を通過して、よく刈り取られたササの道を真っ直ぐに歩く。多少のアップダウンがある尾根道にはホツツジの白い花が咲いている。時折、尾根をガスが越えていく。樹林帯では全く風がなかったが、この尾根道は冷風が流れ、気持ちがいい。

 20分ほど歩いて、緩やかに登っていくと小広場に出た。池山山頂であり、三角点や周囲の山々の名前が書かれた表示板があった。残念ながら、ガスの中で南北の切り開きはホワイトアウト。オヤマリンドウがひっそりと咲いている。
 
 晴れるのを期待して、丸木に座って昼食にする。コッヘル2つでラーメンを作った。コーヒーを飲んでいるとき、ズボンに1匹のマダニを発見。最近、マダニに出会う頻度が増えてきた。誰も登ってこない山頂で、ゆっくりと昼食を楽しむ。昼食を終える頃、青空が見え始めた。北側のガスがとれて、雲間から駒ヶ岳方面の山肌が見え隠れしたが、全貌を現すことはなかった。
 
 帰路は、鷹打場に向かうコースを下山。山頂から、登ってきた道の反対側に下る。鷹打場までは1.2km。この道もササがよく刈り取られており、ジグザグと下る。急なところもあるが、よく整備されていて問題は無い。山頂から25分ほど下ると鷹打場に出て、往路と合流。ここから左に歩いて野生動物観察棟に寄った。ログハウス風のアルミサッシのガラス戸がはまった小屋はすばらしく、内部もきれいに清掃されている。小屋の裏側に回ると、下界の田園風景が望めた。ネジバナの花を見ながら建物を後に、鷹打場まで戻り、登ってきた道をショートカットしながら下った。
 
 空木岳から下ってきた登山者と挨拶しながらショートカット道を下ったが、どうも様子が変だ。登った記憶が無いショートカット道に入り込んだ。どこかで遊歩道に合流するだろうと考え、ぐんぐん下っていくと、驚いたことに、樹間から眼下に自動車の屋根が見えた。駐車場の上を歩いている。そして、道は急斜面となり、朽ちかけたロープが設置してあるところを、ササや灌木に捕まりながら滑らないように慎重に下った。ヤブをこぐように、下り切るとトイレの裏に飛び出した。こんなところに、ショートカットできる道があることにびっくり。駐車場からは、上ってきた道を歩いて、ゲレンデ下の駐車場まで戻った。ゲレンデから見上げると、雲間に宝剣の尖ったピークが望めた。
 
 想定外の池山登山となったが、中央アルプスの静かなプチ登山を楽しむことができた。また、空木岳の登山口の下見もできた。次回は、空木岳を目指したい。
 
 駒ヶ根から中央自動車道に沿って下道を走り、飯島町で道の駅「花の里いいじま」の隣にある信州里の菓工房に寄った。大勢のスィーツファンで賑わっているカフェで美味しい抹茶氷を食べた。道の駅からは北に美しい入道雲を従えた烏帽子岳が美しい裾野を広げている。この山も登りたい山の候補に入れておこう。
 
 さらに南下して松川町では果物街道でフルーツショッピング。モモやナシ、リンゴの大産地で、直売所では高品質の果物が安価に購入できる。お土産を一杯買い込んで、さらに南下し、高森町で「高森温泉 湯ヶ洞」で汗を流した。
 
 飯田ICに向かい、IC近くのカレーチェーン店でご当地カレーのソースかつ丼カレーとホルモンキムチカレーの夕食。観光+山歩きで今年の盆休み登山を終えた。
★池山の植物

 山のリストへ