トレースマップはカシミール3Dで作成
*この地図の作成に当たっては、国土地理院長の承認を得て、同院発行の数値地図25000(地図画像)及び数値地図50mメッシュ(標高)を使用しています。(承認番号 平25情使、第146号) 

稲田山・向山 (224m・303m 各務原市) 2020.5.24 曇り・晴れ 2人

天狗谷遺跡(9:17)→稲田山登山口(9:28)→12番鉄塔(9:48)→稲田山山頂(10:05-10:12)→鉄塔(10:26)→三ツ池(11:21)→桐谷坂・向山登山口(11:51)→向山山頂(12:21-13:27)→見晴台(13:39)→須衛・三角点(13:48)→10番鉄塔(14:25-14:37)→岩坂トンネル上部四ツ辻(14:43)→車道(14:56)→天狗谷遺跡(15:07)

★5月24日に各務原市の稲田山・向山を周回してきました。
★天狗谷遺跡をスタートし、稲田山の北側の遊歩道を歩き、鉄塔巡視路から稲田山に入山。
★ウラジロの群落を抜けて鉄塔の立つ稜線に出ました。
★鉄塔から踏み跡の薄い稜線を歩いて展望のない稲田山山頂へ。
★稲田山山頂から引き返して、鉄塔から西へヤブを避けながらルートファインディングして三ツ池に下山。
★桐谷坂まで車道を歩き、峠から各務原アルプスに入り、向山山頂で昼食。
★向山から須衛の三角点を通過し、いくつものピークを越えて岩坂トンネル上部へ。
★大岩のある谷を南に下って天狗谷遺跡に戻りました。
★満開のモチツツジの花を見ながら、ヤブあり、展望地あり、谷ありと変化に富んだ山歩きを楽しんできました。


 以前から、各務原アルプスの向山の南にある稲田山に登ってみたいと思っていた。稲田山はナメクジのような東西に細長い形をしており、稜線上には1本の鉄塔が立っていることから、必ず巡視路がある。ネットには稲田山の山行記録がいくつか掲載されており、稜線上を歩けることが分かった。

 今回は、この稲田山とその北にある向山を周回する計画を立てた。起点は稲田山の東端にある天狗谷遺跡とし、稲田山を経由して桐谷坂に下り向山を踏んで岩坂トンネル上部から天狗谷遺跡に戻る。
 
 天狗谷遺跡は各務原市須衛町にあり、古墳時代後期から鎌倉時代にかけて焼き物の生産地であったことから、その窯跡。窯跡のほかに古墳もあり、市指定史跡となっている。この駐車場に車を停めた。

 ここには各務原アルプスを訪れる多くの登山者が駐車する場所でもあり、岩坂トンネルから東に向かい金山や大岩見晴台を経由して自然遺産の森に下る周回コースを歩く登山者が多いようだ。
 
 遺跡のトイレに寄ってスタート。岩坂グリーンロードと呼ばれる車道を横断して、西側に池を見ながら歩道を北に歩いて、さわらび苑の建物の手前から池の縁を稲田山に向かって歩くと、山際につくられた遊歩道に出る。
 
 小川に沿って遊歩道を歩き、途中から橋を渡って山沿いの細い道を進んだが、再び遊歩道に合流。やがて遊歩道は池に突き当たる。ここを左折して山道に入ると鉄塔巡視路の黄色い標示がある。目指す鉄塔は12番。
 
 踏み後の薄い斜面を登っていくと5分ほどで未舗装の林道に出た。右に向かって頭上に高圧線を見ながら1分ほど歩くと山側にプラスチック階段が現れ、「稲田山」と書かれた立派な標示板が設置してある。
 
 階段をジグザグ登っていくとウラジロの群落を歩くようになる。ちょうど新葉を伸ばし始めた時期であり、新緑が美しい。ウラジロの回廊を抜け、林道から15分ほどで稜線に立つ鉄塔下に出た。
 
 鉄塔下からは南180度が切り開かれて、展望地となっている。西には2つの権現山があり、その間に百々ヶ峰、また左にはかろうじて金華山が望めた。鉄塔から南にも道があり、南側からも登ってこられるようだ。
 
 稲田山山頂は鉄塔から東に歩いたところにあり、巡視路を外れて稜線上を歩く。踏み後は極めて薄く、ほとんどないところもある。ヤブを避けながら起伏がほとんどない稜線上を蜘蛛の巣を払いながら15分ほど歩くと、ピークとはいえないようななだらかな場所に着く。
 
 GPSで地図に記された224m地点であることを確認。ここが稲田山山頂のようだ。登山口には立派な看板があったが、ここには数個の石とアルミ缶が枝に突き刺してある以外に山頂を示す標示板は見当たらない。
 
 周辺を歩き回ってみたが、この先は下りとなっており、やはりここが山頂のようだ。写真を撮って同じ道を引き返す。鉄塔まで戻って、ここから稜線上を西端まで行くことにする。
 
 鉄塔から西に少し下って起伏のほとんどない稜線を歩く。ここも踏み跡は薄く、灌木の枝が邪魔になるところもあるが、歩きやすい場所をたどれば問題はない。蜘蛛の巣が多く、枯れ枝で払いながら稜線を外さないように進む。赤いテープがあり、これも目印になる。

 単調な道が続く。モチツツジやリョウブ、ガンピなどの花が見られる程度で、展望は全くない。赤テープは稜線の右側へ下り始めたので、軌道修正して稜線上を歩く。鉄塔から30分以上歩いたところで下りとなる。道の痕跡はほとんど見られない。
 
 どんどん下っていくと再び赤テープが現れ、北方向に向きを変える。テープを追って急斜面を灌木につかまりながら下ると、右前方に池が見え始めた。大岩の脇を抜けて三ツ池の一番西側にある池の堰堤に出た。
 
 衣服に付いた葉や蜘蛛の巣を払って車道の遊歩道を歩くことにする。池から北側の山に取り付く道があれば桐谷坂の峠まで短時間で行けるが、そのような道は見当たらなかったので、南に大回りする車道を歩いて峠に向かうことにした。なお、この後、向山山頂西側の鞍部から三ツ池に下る分岐を発見したことから、これを利用すれば簡単に向山に到達できそうだ。このルートはまたの機会に歩いてみたい。
 
 福祉施設を通過して、信号機のある交差点で関江南線を渡り、芥見権現山に向かって北上し、山に突き当たったところから道なりに東に歩いて車止めのある旧道に入る。左に権現山の登山口を見ながら坂を上っていくと関江南線に峠で合流した。

 道の向こう側にお社があり、その右側が向山への登山口となる。関江南線を横断することになるが、道は峠でカーブしており猛スピードで走ってくる車の見通しがきかない。互いに離れて、北側と南側を見ながら車が途切れたところで走って道路を横断。
 
 お社の右には階段と水場があり、アルプスハイキングコースの標示がある。階段を登り樹林帯を抜けると尾根に出た。ここで左右に道があり、左に行くと関江南線に出る。向山は右。
 
 向山見晴台まで1400m・50分の標示を見ながら尾根を歩くと、単独男性とすれ違った。今日初めて出会う登山者で、各務原アルプスを縦走しているようだ。尾根は稲田山とは別世界のように明るく、モチツツジが道の両脇一面にピンク色の花を咲かせている。また、カナメモチも満開で美しい。
 
 小ピークを越えたところで右に三ツ池への分岐を見て登り返し、桐谷坂から20分程度で向山山頂に到着。昔は全く展望のない山頂であったが、現在は南側が切り開かれており、今歩いてきた稲田山の向こうに木曽川や名古屋のビル群を望むことができる。
 
 山頂には丸木のベンチがあり、木陰になっていたのでここを昼食会場にして、インスタントラーメンを作った。各務原アルプスの中でも明王山や権現山を訪れる登山者は多いが、向山は裏銀座のようなところで、この山を目的に登ってくる人は少ない。
 
 昼食をとりながら、この先のコースを確認すると、岩坂トンネルの上に立つ10番鉄塔までに大小10のピークがある。最高点は三角点のある須衛で、その先は北に回り込む尾根を歩く。
 
 ゆっくりと昼食を楽しんでスタート。モチツツジの咲く尾根を歩き2つの小ピークを越えて岩の多い道を登るとベンチのある展望地に出た。向山見晴台と呼ばれるピークで、ここから派生する南東尾根に登山道があり、これを下ると11番鉄塔を経由して福祉の里に至る。

 西側以外の展望が得られ、見晴台から東にはこれから向かう10番鉄塔や迫間山の鉄塔、明王山に立つアンテナが見える。見晴台を後に下りにかかると、正面にはこの次のピークである須衛の三角形が望める。
 
 下り切って登り返すと須衛山頂に到着。三角点があり標高は321.8m。山頂からの展望はないが、脇道を東に踏み込んだところに南側がやや開けた場所とベンチがある。ここから向きを北に変えて急斜面を一気に下る。
 
 ぐんぐん下っていくと人工林に入り鞍部から登り返して1つ、2つ、3つとピークを越えていく。時々見える10番鉄塔がしだいに近づいてくる。須衛から約35分で10番鉄塔に到着。
 
 鉄塔下は展望地となっているが、稲田山に遮られて市街地は見えない。クマバチが飛び回る鉄塔下で夏みかんを食べ、下っていくと鞍部の交差点に出た。各務原から関に抜ける昔からの峠であり、石仏が佇んでいる。
 
 直進すれば金山・迫間山に続くアルプスルートとなるが、今回はここまで。右折して下る。谷沿いの薄暗い道となり、岩場を通過して大岩の下を歩き、用水を左に見ながら車道に出た。岩坂トンネル南出口の近くで、ここから歩道を歩く。ゴルフ場入り口、信号三差路を通過し、駐車場に戻った。
 
 稲田山は初めて登ったが稜線上の踏み跡が薄く、蜘蛛の巣や灌木が邪魔することから、冬に登るのがいい。向山ルートは展望地が多く、静かな山歩きができる。次回は、福祉の里から登り三ツ池に下る周回コースを歩いてみたい。

★稲田山・向山からの展望

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