トレースマップはカシミール3Dで作成
*この地図の作成に当たっては、国土地理院長の承認を得て、同院発行の数値地図50000(地図画像)及び数値地図50mメッシュ(標高)を使用しています。(承認番号 平22業使、第490号) 

石津御岳 (629m 海津市) 2011.3.19 晴れ 2人

駐車場(9:20)→御岳神社鳥居(9:24)→里宮神社・登山口(9:26)→一合目(9:29)→二合目(9:36)→三合目(9:45)→海導霊碑(9:49)→展望台・四合目(9:50-9:57)→五合目(10:05)→六合目(10:12)→七合目(10:22)→八合目(10:28)→八海山社(10:33)→石仏・九合目(10:35)→三角点・山頂周辺(10:42-12:10)→駐車場(13:00)

 石津御岳は養老山から多度山に続く稜線にある。山歩きを始めた11年前に登っており、コース途中の採石場上部からのすばらしい展望と山頂に神社があることを記憶している。山頂にある神社で東北関東大震災の復興を祈願するため石津御岳に登ることにした。

 登山口は近鉄養老線の石津駅の西側の山裾にある。揖斐川に架かる海津橋を渡って国道を左折しナビに従ってすぐに右折して狭い集落道に入る。石津御岳の案内も見られた。前方右に大きな砕石場を見ながら集落の中の坂道を登っていくと、10台ほど駐車できる未舗装の駐車場があり、ここに車を止めた。数台の車が止まっており、出発する登山者も見られ、登る人は多いようだ。山頂に雪があるかもしれないので軽アイゼンを持ってスタート。

 駐車場から山に向かう車道を歩く。「石津御岳まで約2000m徒歩50分」の標示があるが、この50分は我々のピッチでは難しいことが後にわかる。ミカン畑の中を登る。ミカン畑には獣害防止のネットが張ってあるところもあるが、ミカンの木の下部の葉はシカに食べられているものが多い。
 
 下山してきた男性に挨拶をして、御岳神社の鳥居を潜り、ブロックの階段を登っていく。登りきって木製の鳥居を潜ると林道終に出た。「いしづ里山公園案内図」を見て、里宮神社の小さなお社に参拝。ここが石津御岳の登山口であり、案内板に従って遊歩道に入る。遊歩道は木の階段と立派な丸木の柵が整備されており、人工林の中を登ると、すぐに一合目を通過。折り返して歩くと、樹木の切れ間から東側に揖斐川が見える。

 海抜200mの標示を通過。早春の柔らかな日差しの中、ウラジロやコシダを見ながら二合目、三合目と折り返しながら登っていく。三合目を過ぎた辺りで人工林から天然林に入る。赤いツバキが美しい。墓石が並ぶ海導霊神に手を合わせ、明るい道を歩くと、前方に木製のデッキが見えた。展望台である。

 展望台は大きな階段になっており、上部まで登り切ってデッキに立った。木々が邪魔して思ったより眺望はないが、木曽三川や碁盤の目の田園が望めた。暑いのでシャツを脱いで長袖Tシャツ一枚になる。この展望台の北側にも遊歩道があり、すぐ下で合流する「つつじの小径」がある。展望台は四合目であり、小休止のあと、遊歩道に戻る。

 五合目まで240mの標示を通過すると、樹木が消え展望のいい道となる。右に鉄パイプの柵があり、この柵の向こう側が採石場になっている。ここにも木の階段が整備されており、広い道をジグザグと登っていく。以前、階段は整備されていなかったが、展望がいいのは昔と同じ。振り向けば、濃尾平野の景色がすばらしい。

 テーブルがあり、その上には五合目の表示がある。前方に見える山が石津御岳のようだ。展望地を10分ほど登って最上部で道は左右に分岐している。林道のような道を右へ下ると採石場に下りてしまう。ここから左の山道に入る。すぐに六合目の石柱を右に見て人工林に入る。
 
 人工林の中、ジグザグと登って鉄柵に突き当たり、柵に沿って左へ歩く。下ってくる単独男性と挨拶を交わし、単独女性を追い抜く。「多度まで行くのですか?」と聞かれた。石津御岳山頂から稜線を南に歩くと多度山まで行くことができる。帰路は電車を利用して周回が可能である。尾根に出たところで石板の並ぶ七合目。ここからなだらかな尾根を歩き、天然林の堀割れの道となる。八合目を通過する辺りで雪が現れた。昨日降った雪である。

 右に急な石の階段があり、ここを登ってみると八海山社と書かれた小さなお社があった。その脇を通って遊歩道に戻り、再び人工林の中を歩くと石仏のある九合目。海抜600mを通過し、5分ほど歩くと三角点のある石津御岳山頂に到着。人工林の山頂であり、展望はない。どうみても最高点ではなく、山頂らしくない。

 西へ歩くと大きな建物があり海抜640mの標示。南へも道があり、ここを行くと多度山に至る。建物の裏にはトイレがあり、また周囲は竹薮である。さらに西へ歩き木製の鳥居を潜って神社に到着。閉まっている扉の前で、震災の一日も早い復興を祈願。「がんばれ、日本!」と拍手を打った。
 
 神社の裏に展望地があったことを覚えていたので、裏側に回ってみるとヒノキの幼木とススキの生える場所から北西の展望が得られた。手前の山に遮られてはいるが、伊吹山や霊仙山、藤原岳などの白い山頂を見ることができた。ここは日当たりがよく暖かいので、ここで昼食にする。
 
 メニューはおでんとラーメンとカレーうどん。ここまでは誰もやって来ない。陽だまりでゆっくりと昼食を楽しむ。日陰には雪が残っているが、ここは春。季節の移り変りを肌で感じながら熱いコーヒ−を沸かした。コーヒーの友のお菓子を忘れたので、非常食のチョコレートでコーヒーを飲んだ。

 昼食の後、この辺りを散策してみる。建物まで戻って、多度山方向に歩いてみる。ピークの東側を巻くと下りとなり、下に林道が見えた。引き返して、巻いてきたピークに向かう。一登りして枯れススキの頂に立った。残念ながら展望は無い。ここが最高点のようだ。

 そのまま北に下っていくと建物の裏のトイレの横に出た。三角点で写真を撮って、登ってきた道を下った。帰路、シキミの花やコウヤボウキの綿毛の写真を撮って、一気に駐車場まで戻った。下から駐車場へ戻ってきた登山者に出会った。聞けば、我々と同じようにここから石津御岳に登り、帰路は八合目の分岐から南のコースを下り周回してきたとのこと。この他、いろいろなコースがあると言われた。道が分かりにくいところもあるらしい。次回は周回を試してみたい。
 
 石津御岳は展望台までは遊歩道がしっかりしており、また採石場上部から山頂までの道もよく踏まれているので、迷うようなところはなく、また危険な場所も少ない。初級向きの山であり、採石場付近からの展望はすばらしい。多度山まで歩いてみたいと思った。
★石津御岳からの展望

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