トレースマップはカシミール3Dで作成
*この地図の作成に当たっては、国土地理院長の承認を得て、同院発行の数値地図25000(地図画像)及び数値地図50mメッシュ(標高)を使用しています。(承認番号 平25情使、第146号) 

浄法寺山・南丈競山 (1053m・1045m 福井県) 2018.5.5 2人 晴れ

浄法寺山青少年旅行村(8:17)→冠岳(9:12-9:16)→見晴らし岩(9:30)→浄法寺山(10:26-10:34)→南丈競山(11:02-12:17)→浄法寺山(12:46)→冠岳(13:45)→びんつけ地蔵(14:03)→ツツジが原(14:09)→獅子岩(14:29)→浄法寺山青少年旅行村(14:51)

★鯉のぼり登山第三弾も福井県の山。5月5日に浄法寺山・南丈競山に登ってきました。
★浄法寺山青少年旅行村をスタートし、冠岳コースへ。
★ロープ付きの急斜面を様々な花を見ながら登って冠岳山頂に到着。
★タムシバの咲く明るい稜線を歩いて見晴らし岩を通過。
★溝道を通過し、雪解け直後に咲くイワウチワの花を見ながら残雪の上を歩きました。
★雪で倒れた木々を避けながら浄法寺山山頂に到着。
★展望台から白山や荒島岳など大パノラマを楽しんで、北にある南丈競山に向かいました。
★残雪の尾根を下って、カタクリの花を見ながら登り返して山小屋のある南丈競山山頂に到着。
★登山者で賑わう山頂で昼食。
★帰路は登ってきた道を引き返し、冠岳からツツジが原に向かい、岩のロープ場を下って旅行村へ。
★新緑の中、たくさんの花と素晴らしい展望に大感動の山歩きとなりました。

 鯉のぼり登山第三弾は福井県の浄法寺山と南丈競山を選んだ。登山口は永平寺町の浄法寺山青少年旅行村にある。中部縦貫自動車道の上志比ICを下りて越前野中駅の北辺りで九頭竜川を北に渡り西進。

 九頭竜川を離れて北に向かい、浄法寺山青少年旅行村を目指して山道を登る。ジグザグと登って旅行村の駐車場に車を停めた。既に数台の車が停まっており、身支度する登山者も見られる。さすが、人気の山。駐車場で身支度をしている男性と山談義。福井県のお勧めの山などを教えていただいた。
 
 今日も鯉のぼりをザックにつけてスタート。まずは管理事務所に寄って登山者名簿に記入。旅行村には登山口が2つあり、登りは急登コースを選んだ。事務所から東に向かい、案内に従って山道に入る。
 
 キケマンやヤマブキの花を見ながら小さな橋を渡って登りにかかる。丸木階段に取り付き、イカリソウやスミレサイシンの花の写真を撮りながら急傾斜を登る。一気に標高を稼ぎ、後方には永平寺町の田園が見える。

 岩の多い急な道となりロープが設置してある。潅木のトンネルを、ロープや周囲の木の枝をつかんで、ほぼ一直線にぐいぐいと登って行く。急登コースと言うだけあってかなりの斜度。岩登りのようなところもあり、登りがいがある。
 
 歩き始めて1時間弱でようやく稜線に出た。少し進んだところに冠岳があり、山頂は潅木に囲まれているものの、周囲の山々が望め、これから向かう浄法寺山や避難小屋のある南丈競山が望めた。
 
 一息つく程度休んで、先に向かう。浄法寺山まで2.1kmの標示に従って東に向かう。タムシバの咲くササの道を歩き、ロープ場を下ってなだらかな新緑の尾根を歩き、花の終わったイワウチワの群落を見ながら登り返すと、「見晴らし岩」の標示が現れた。
 
 右にササを分けると大岩があり、これから向かう緑の稜線が目の前に広がっている。同じような高さの山が連なっており、どれが浄法寺山であるかよく分からなかった。
 
 見晴らし岩を後に、周囲がササで展望のいい稜線を歩いていくと、正面に次のピークが近づいてきた。ピークの左側には南丈競山が望める。ピークへの登りは溝状で、ところどころに残雪が残っている。スミレサイシンやショウジョウバカマの咲く溝状の道が続く。イワウチワの花も見られるようになった。
 
 やがて傾斜は緩やかとなり残雪の上を歩くようになる。雪で潅木が押し倒されて歩きにくく、歩きやすいところを選びながら進む。雪の下にあった木々が雪解けで跳ね上がり、今が早春。マンサクの花が咲いていたのには驚いた。
 
 残雪が消えているところでは、雪解け水が道を流れて川状態。水に浸からないように歩いて行くと。「ガンバレ! あと10分」の表示。木道を通過し、さらに残雪を越え、急斜面のプラスチック階段を登る。
 
 プラスチック階段には白字で番号が付けられており、山頂までのカウントダウンが始まる。この階段が結構きつい。倒木を潜り、階段の数字を読みながら、息を切らして浄法寺山山頂到着。
 
 先着の数人の登山者に挨拶して、木製の展望台に上がって360度の大パノラマを楽しむ。東へ続く稜線の先には、白い白山。時計回りに、別山、経ヶ岳、荒島岳、南には銀杏嶺や部子山、北にはこれから目指す南丈競山、その奥には富士写ヶ岳が望めた。
 
 10分ほど展望を楽しんだら北に見える南丈競山に向かう。まだ芽吹いていない潅木の尾根を下って行くと右の谷から次第に残雪が尾根に近づき、すぐに雪の尾根を下る。北斜面であり、雪解けが遅く、かなり先まで残雪が続いている。
 
 雪はかなり緩んでおり、ツボ足でも滑り落ちるようなことはない。雪の上を歩けると思っていなかっただけに、うれしい気持ちで軽快に下って行く。雪の白色と新緑と青空のカラーバランスが美しい。
 
 残雪を下り切るとぬかるんだなだらかなササと潅木の道となり、カタクリやイワウチワ、オウレン、イワナシなど雪解け直後に咲いた花がたくさん見られた。小さなピークを越えると正面に三角形の南丈競山が美しい。実に気持ちのいい道だ。
 
 満開のタムシバの花を見ながら、ササのヤブを抜け、前方の登山者を追ってひと登りで、避難小屋の立つ南丈競山山頂に到着。10人ほどの登山者で賑わう山頂には方位版が設置してあり、周囲の山の同定ができる。ここからも白山が美しい。
 
 トイレ付き避難小屋はきれいに整備されており、室内で昼食をとっている登山者も見られた。入り口のドアにはかんぬき状の金具が設置されているが、この金具が固くて外しにくかった。
 
 山頂の一角で昼食にする。メニューはおでんとカレーライス。1時間以上かけてゆっくりと昼食を楽しんだ。
 
 下山は冠岳まで同じ道を戻り、ツツジが原・黒岩コースを下ることにする。南丈競山を後に下りにかかると、駐車場で出会った男性が登山道の草を刈ってみえた。この山を管理している方であり、感謝。

 残雪を登り返して再び浄法寺山山頂へ。往路と同じ道を下る。残雪がかなり溶けて歩きにくく、また溝状の道は雪解け水で川となり、靴は泥水だらけ。登ってくる多くの登山者に出会ったが、我々と同じように誰もが靴やズボンは泥だらけ。フクジュソウの時期の藤原岳を思い出す。
 
 順調に下って冠岳に到着。ここから尾根を北西に向かう。新緑の明るい稜線をほぼ水平に歩く。やがて溝状の道となり下って行くとびんつけ地蔵がある。山の斜面の小さな石室に小さな石仏が佇んでいる。竜にまつわる悲しい言い伝えに基づいて祭られた地蔵のようだ。
 
 地蔵から5分ほど歩くと展望のいい場所に出た。ここが「ツツジが原」であろうか。ここから道は直角に南に折れて稜線から下りにかかる。いきなりロープ場。さらにロープが続く。
 
 ストックを手首に通してロープにつかまり、急斜面を下る。平坦な道もあるが、すぐに岩のロープ場。岩の間を通過するようなところもある。大きな石が重なり、また岩に赤ペンキの矢印もあり、アルプスの雰囲気が味わえる。
 
 明るい岩場を、展望を楽しみながら三点支持で下って行く。眼下には下る登山者が見える。急斜面を下り終えると大きな獅子岩を通過。この辺りからの眺望も素晴らしい。
 
 岩のロープ場はなくなったが、まだまだ続く急斜面を下る。ロッククライミングの黒岩への分岐を通過し、桜並木の遊歩道に出て、浄法寺山青少年旅行村に到着。管理事務所で下山を報告して駐車場に戻った。
 
 浄法寺山・南丈競山縦走は変化に富んだなかなか面白いコースが整備されている。花が多く展望も素晴らしい。急斜面のロープ場・岩場・残雪がある場所では慎重な行動が必要となるが、難しい場所は少ない。人気の山で、登山者は多く、道はよく整備されている。反対側から南丈競山経由で浄法寺山を目指すのも面白そうだ。

 今年の鯉のぼり登山は福井の3山を歩くことができた。来年の山はどこにしようか。少し気が早いが、そんなことを考えながら岐阜に向かった。
★浄法寺山からの展望

★浄法寺山の花

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