金草岳2
金草山 (1227m 藤橋村) 2004.7.11 曇り 17名

冠峠(9:10)→布滝頭(9:24)→ソバク又林道分岐点(10:02)→桧尾峠(10:10-10:20)→白倉岳(11:03)→金草岳山頂(11:20-13:10)→白倉岳(13:25)→桧尾峠(14:05-14:15)→冠峠(15:22)

参加者:カッペさん、葵のMさん、Nさん、makotoさん、スミレさん、sizukaさん、katakuriさん、ジオンさん、Sさんご夫妻+娘さん、kayoさん、りんどうさん夫妻、れぶんさん、RAKU、らくえぬ

 この日曜日は掲示板情報によると、金草岳、三ノ沢岳、御嶽山などのオフ会が企画されていた。西台山・タンポ以来、オフ会に参加していないので、今回はオフ会に参加することとし、いろいろと迷った結果、近場の金草岳に決め、前日の夜に掲示板に参加表明。土壇場で参加することを「ドタサン」と言うそうだ。我々を含めてドタサンのメンバーが増え、なんと17名の大パーティーとなった。

 天気は午前中雨が残るものの、次第に回復する予報。家を出てすぐに土砂降りとなったが、雨はすぐに止んだ。集合場所の久瀬村に向かって、国道21号線から揖斐川右岸堤防を北上する。JR東海道線の鉄橋下手前カーブで猛スピードで前方から走ってくるセダンが濡れた路面でスリップし、横滑りで対向車線に飛び込んできた。間一髪、セダンは我々の車のすぐ後ろで対向車線を横切り、路肩の広場に滑り込んだ。1秒遅ければ、確実に衝突していた。今日は車には要注意日。車のトラブルがなければいいのだが・・・いやな予感が・・・。

 待ち合わせ場所に着くと、すぐにいつものメンバーが集まってきた。皆さん、お久しぶり。今回、初めてお会いするのはkayoさんの4人グループ。近所同士で、月に1度くらい一緒に山歩きをしている気の合ったメンバーだそうだ。また、Sさんご夫妻は大学生の娘さんを連れての参加。

 集合後、藤橋城でトイレ休憩をして、冠峠を目指す。最近の大雨で道が荒れているのではないかと思ったが、一部小さな落石があった程度で、順調に峠へ。峠手前からはガスで冠山は見えない。回復するという天気予報が当たるといいのだが・・・。峠には2台の車があるだけ。以前、紅葉の時期には駐車しきれないほどの車で埋まっていたのだが。

 峠を越えて福井県側の駐車場に停める。makotoさん、スミレさんはすでに到着してみえ、ご挨拶。手力火祭以来。福井県側から登ってみえたそうだ。山歩きをご一緒させていただくのは今回が初めて。朝方まで雨が降っていたこともあり、スパッツを付ける。峠にはトイレがある。

 ガスの中、リーダーのカッペさんを先頭に出発。今回は人数が多いことから、タンポでの教訓を活かして、先頭と後尾が常時トランシーバーで交信できる体制をとった。金草山は大人気の冠山とは反対の位置にある。峠の西側にある小さな社の横が登山口となる。

 最初は樹林帯の中を左山で、斜面に付けられた足場の悪い道を歩く。先月の大日ヶ岳に続き、今回も美しい霧の森を歩く。濡れたコアジサイやガクアジサイが美しい。サンカヨウは紺色の実を付けている。1箇所、急斜面の岩場を横切るところがあるが、ロープが設置されており慎重に渡れば問題はない。濡れた木の根で谷川に滑らないように注意。

 やがて、明るい道に出る。急坂を下って登り返すと布滝頭と呼ばれる展望の良いピークに出る。晴れていれば北には白山・別山・荒島岳が望めるのだが・・・。ここから、道はソバク又林道への分岐の最低鞍部まで急緩繰り返しながら一気に下っていく。このコースはいつもの山歩きとは異なり、「U」の字のように下って登り返すというコース。このため往路・帰路の時間差も少なく、また、帰りにこの急坂を登るのかと思うとゾーとする。そんなことを思いながら背丈もあるササの中に付けられた滑りやすい道を下っていく。アカモノの真っ赤な実が美しい。岐阜県側には杉が植林され、まだ幼木。登山道にはみ出した枝が切られており、尖った切り跡に要注意。帰路、この枝でNさんが負傷。

 岐阜と福井の県境に道が付けられており、所々に県境を示すブロック柱がある。これにもつまづかないように注意。makotoさん得意のダジャレが出るが、すぐに反応できなくてすみませんでした。^^; ササの道をぐんぐん下り、浅い谷を横切る。ここが最低鞍部かと思ったが、もう少し下ると、岐阜県側に登山道が分岐した地点がある。この分岐にはソバク又林道の消えかかった表示がある。冠峠に車で上ってくる途中に、ソバク又林道が分岐しており、そこに繋がる道のようだ。かなり藪っぽい。ここが最低鞍部。

 かなりガスが消え、前方には桧尾峠のピークが望める。分岐からすぐに水場の表示がある場所を通過。右手から沢の音が聞こえ、細い道が続いていた。ロープのある急な道を登り、10分弱で桧尾峠に着く。峠手前にオトギリソウが黄色い花を咲かせていた。桧尾峠は、先ほどのソバク又林道から福井県側に抜ける峠となる。このピークには小さな社があり、社の後ろに福井県への道が下りていた。

 金草岳へは左側の道を下る。一旦下って登り返し幼木の杉の植林地を抜け、背丈以上もあるササの中を歩く。タケノコの時期にはたくさん収穫できそうだ。なだらかな道が続き、樹林の下を潜るところやササが低くなった展望地もあるが、今日はガスで展望がきかない。足下にはイワカガミやオウレンの葉が見られた。突然の悲鳴。マムシに遭遇。この大パーティーにマムシも一目散。

 ガスの切れ間から前方に巨大な山が立ちはだかる。まだ、これを登らなければならない。山に近づくにつれて、前方の巨大なササ山の全貌が見えてきた。イブキトラノオが咲く鞍部からいよいよこのササの斜面を登る。かなりの急登だ。ササの草丈は低いが、道が隠され、足下がよく見えない。湿った黒土はよく滑る。滑らないように両脇のササを両手で掴んで登る。途中の裸地にはオオバギボウシやオトギリソウが、ササの斜面にはすでに花を終えたニッコウキスゲの大きな実が見られた。

 一歩一歩、息を切らして急斜面を登り切るとなだらかなササ原。気持ちのいいこの場所が白倉岳らしい。前方に三角形のピークが望めた。どうやら、このピークが金草岳のようだ。南側は急斜面。ササが足下を覆っており、景色に見とれていると、左足を踏み外して転びそうになることもしばしば。

 最後の斜面を登りきると山頂。ササに囲まれた山頂は360度の展望地であるが、あいにく今日はガスで全く展望はない。南北に細長く地面が露出しており、狭い山頂である。この狭い山頂を2/3ほど占領して宴会態勢に入る。急遽17人となったため、いつもなら持ち寄った料理が全員に渡るが、今回は全員に行き渡らないのでは・・・しかし、次々にコッヘルなどに盛られたいろいろな食材が回ってきた。

 カッペさんの定番の焼き肉に始まり、手作りコロッケ、五目いなり、鯖寿司、冷やっこ、じゃがバター、新潟土産のエイヒレとタラ、ウインナー、焼きピーマン、ピーマン炒め、サラダ、漬け物、ワサビ、ダチョウのドテ、各種燻製、・・・katakuriさんの冷やし蕎麦にはびっくり。デザートの果物や和菓子、手作りクッキー・・・一体、何種類をいただいたのであろうか。少量多品目。まさに試食会。しっかり食べて、ウチのメインディシュを作らなかった。ラストはコーヒー。5人用のパーコレーターを3回転。お酒組から「まだコーヒーは早いよ」との声。久しぶりに参加したオフ会はいつもどおり「山頂宴会クラブ」。17人ということもあり、大いに盛り上がった。

 今回、初対面のkayoさんグループと話しをしているうちに、昨年北穂でご一緒したウチの近所の方を良く知っていることが分かるなど、意外な発見も。世の中、どこかで繋がっているようだ。山頂はガスが流れ小雨が降りかけたりもしたが、日が差し始め次第に天候は回復に向かっているようだ。約2時間の宴会の後、全員で記念写真。みんな、最高の笑顔でデジタルカメラに収まった。今日、金草岳に登ったパーティーは我々17人のみ。この時期、登山者は少ないようだが、春や秋には大勢の登山者が訪れるに違いない。

 帰路は同じ道を下った。白倉岳からの急坂は滑りやすい。聞くところによると、滑って転んだ人は結構いたようだ。アサギマダラが風に乗ってササ原の上をひらひら舞う姿が美しい。桧尾峠が近くなった頃、かなりガスが消え、正面に冠山が姿を現した。今日は冠山が見られないと思っていただけに、感動。振り向けば、白倉岳も見える。金草岳は白倉岳に隠れて見えない。

 桧尾峠で小休止。この峠から、これから登らなければならない階段状の稜線がよく見える。冠山が手前の山のくぼみから頭だけを出しているのがおもしろい。ここで珍しく携帯電話のアンテナが立っていたので、三ノ沢岳に行っているkuさんに電話をしてみた。電波状態が悪く、すぐに切れてしまったが、この時、kuさんは宝剣岳を下っていたと後に聞いた。

 布滝頭までの登りは最後のガンバリどころ。全員、順調に登り切った。ガスは晴れ、かなり展望がよくなっていたが、遠くの山までは確認できなかった。前方に冠山を見ながら下り、樹林帯を抜けて冠峠に出た。

 大勢のメンバーで楽しいいい山歩きだった。と、車に戻ると、なんと左前輪がパンク。やはり今日はいやな予感が的中。タイヤ交換に皆さんお待たせしてすみませんでした。峠で北へ下りるmakotoさん、スミレさんと別れ、緊急補助タイヤで冠山をゆっくり下った。パンクでより一層思い出に残る山歩きとなった。

 金草山はササの尾根歩きが多く、稜線からは大展望。なかなかの名山である。踏み跡もしっかりしており、時間も2時間ちょっとで登れる。大人気の冠山の隣に、冠山に負けない山がある。次回は、天気の良い日にもう一度登りたいと思った。
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