トレースマップはカシミール3Dで作成
*この地図の作成に当たっては、国土地理院長の承認を得て、同院発行の数値地図25000(地図画像)及び数値地図50mメッシュ(標高)を使用しています。(承認番号 平25情使、第146号) 

笠松山 (1271m 長野県) 2018.8.15 曇り・雨 2人

梅ヶ久保神社駐車場(9:16)→佐倉神社分岐点(9:35)→梅ヶ久保公園コース登山口(9:36)→大原コース分岐点・25番観音(10:27)→笠松峠・展望台(10:50-10:53)→笠松山山頂(10:57-11:04)→笠松峠・休息所(11:09-12:27)→大原コース分岐点(12:44)→大原コース登山口・1番観音(13:34)→佐倉公園・トイレ(13:50-14:02)→梅ヶ久保神社駐車場(14:15)

★8月15日に長野県の笠松山に登ってきました。
★笠松山は飯田市の風越山南側に聳える標高1271mの山です。
★雨が止むのを待って、梅ヶ久保神社をスタート。
★林道を歩いて登山口から比較的なだらかな傾斜の山道を登りました。
★歩き始めて30分ほどで雨が降り出し、傘の出番。
★小雨の中、カワラナデシコやママコナの花を見ながら歩いて、日本トレッキングからのコースに合流。
★石仏を数えながらガスの道を歩いて笠松峠へ。
★南アルプス展望地の峠はガスの中で展望はゼロ。
★合流した林道を少し歩いて人工林の中の笠松山山頂を踏みました。
★峠に戻って休憩小屋の軒下で昼食。
★帰路は、石仏の並ぶ日本トレッキングコースを下って、ルートファインディングしながら梅ヶ久保神社の駐車場に戻りました。
★雨とガスの中で展望はありませんでしたが、濡れた美しい緑の中を歩くことができた思い出に残る登山となりました。


 町内の盆踊り大会が終わり山に行ける余裕が出てきた。盆休みに1山登ることとし、長野県飯田の笠松山を選んだ。毎年、恒例のフルーツ買い物ツアーを兼ねて山を選択。笠松山は飯田市街の西に位置しており、風越山の南にある。遊歩道がしっかり整備されており、山頂近くの笠松峠は南アルプスの展望台となっている。

 早朝に自宅を出発して、飯田ICで下りて国道153号線を左折し、西に向かう。国道256号線を横断して山に向かって1kmほど走り、左折して山沿いの道を南下。1kmほど走って、右に西部山麓配水池のタンクを通過したところで右折し果樹園の狭い舗装道路に入る。サルの群れが果樹園からリンゴをくわえて出てくるところに遭遇。柵で囲ってあってもサルの侵入を防ぐのは難しい。
 
 果樹園の中を300mほど走った交差点を右折。この交差点には「伊賀良マレットゴルフ場0.2km→」の小さな標示がある。道なりに走ると梅ヶ久保神社の参道入り口を通過して露地の駐車場に着いた。駐車してある車は無い。
 
 駐車場には西部山麓周辺の案内図があり、この辺り一体にたくさんの遊歩道が設けられ、森林散策ができるようになっている。靴を履き替えようとしたところ、小雨が振りだした。天気予報ではところにより雨で不安定な予報。空の様子を見ると南の空が明るく、すぐに止みそうだったので車の中で待機。
 
 予想通り、20分ほどで雨が止んだので身支度をしてスタート。笠松山へのルートは梅ヶ久保神社からの梅ヶ久保公園コースと乗馬場「日本トレッキング」からの大原コースがあり、両コースは途中で合流する。今回は、往路を梅ヶ久保公園コースを歩くことにして、梅ヶ久保神社に向かう。
 
 ママコナやキキョウの花を見ながら鳥居を潜って神社に寄り、神社の裏に建つ立派なトイレへ。ここから人工林の中、未舗装の林道を歩く。途中、左へ分岐した道があるがここは右へ。すぐに右から上がってくる佐倉公園への山道を見て、その先で笠松山の登山口に到着。ここから山道となる。
 
 天然林の中、よく踏まれた道を緩やかに登って行く。雨で草木が濡れていて生き生きした緑が美しい。やがて人工林の暗いジグザグの道になる。小雨が降り始めたのでザックカバーをかけて傘をさす。
 
 アカマツの多い天然林となり、多少周囲の枝がうるさいところもあるが、傘をさしていても問題なく歩ける。登山道に沿って電柱があり、電線が引かれているが、どこへ引かれているのかは分からない。
 
 カワラナデシコやコバノイチヤクソウ、ホタルブクロなどが見られるようになり、ヒノキの幼木の中を行くと、右からの山道に合流した。ここが大原コースの合流点であり、帰路はこの道を下ることにする。
 
 合流点には25番観音の石仏があった。大原コースには33体の石仏があり、ここから山頂に向かって石仏を見ながら歩くことになる。標高が上がるにつれてガスが濃くなり、幻想的な景色が広がる。

 明るいササの尾根を歩く。天気がよければ西側の展望が得られるにちがいない。30番観音を見て明るい道を進むと、前方が開け、芝生広場のようなところに出た。ここが笠松峠であり、展望台でもある。まずは33番目の石仏とその横に並ぶ石碑に手を合わせた。
 
 「南アルプスの眺め」と書かれた山の写真と山名が入った看板があったが、ガスで100m先も見えない。南アルプスの大パノラマを想像しながら真っ白な景色を眺めた。マツムシソウが2輪、雨に濡れてひっそりと咲いている。
 
 展望台からさらに先にある草付きの広場を突っ切ると林道が現れた。林道を3分ほど歩くと、右のササの中に踏み跡があり、踏み込んでみると、三角点とピンクのテープが付いたポールがあった。笠松山山頂であり、山名が書かれたプレートもある。植林の中にぽっかりと空いた空間で、展望はない。
 
 小雨の中、セルフタイマーでシャッターを切った。小雨は降り続き、この状況で昼食をとるのは難しい。ネット情報では、展望台付近にプレハブの避難小屋があるはずであるが、見当たらなかったので昼食は下山してからにしようと言いながら展望台に戻ると、広場へ上がる手前から左に林道が分岐しており、行ってみると小さな白いプレハブの建物があった。
 
 壁に休憩小屋使用案内が貼ってあり、誰でも自由に使用できる。入り口には「笠松峠小屋」と書かれた看板がかけてあり、ドアを開けてみると、絨毯の床にテーブルが1つ置いてあるきれいな避難小屋だ。今までにこんなにきれいな小屋は見たことが無い。壁には石仏や植物の写真が飾ってある。
 
 玄関のひさしが大きく、中に入らなくても雨をしのげることから、軒下で昼食にする。 メニューは冷奴とスパゲティ。ガスが漂う中、1時間以上ゆっくりと食事をとった。たまには、こんな雨の中でのランチもいい。小屋の中には記帳ノートがあり、そのなかにヤマビルに遭遇したという記述があった。登りでは見かけなかったが、下山時には注意することに。
 
 パッキングをして、小屋を後に、広場まで戻って、もう一度帰路の安全を石仏に祈願して、登って来た道を下る。25番観音まで下って、ここから1番観音の標示に従って左の道に入る。

 石仏を見ながら左山で下って行くと、シャクジョウソウの群落があった。ちょうど頭を持ち上げたところで、20個ほどの花が見られた。これほど大きな群落に出会ったのは初めて。
 
 ガスの中をジグザグと下ると、21番観音のところに分岐があり、分岐している道には通行止めの標示。以前は、分岐の道に石仏が設置されていたが、道が崩壊して4体が新道に移されたようだ。
 
 尾根道や窪んだ道などをジグザグしながら下り、観音様をカウントダウン。落石で迂回路が造られたところがあり、また倒れた石仏も見られた。雨が止んでガスが消えたアカマツ林を抜けて舗装道路に出る。
 
 日本トレッキングの馬場や遊具があり、1番観音に手を合わせた。ヤマビルチェックをするとズボンの裾に2匹発見。靴の中には入っておらず、血を吸われることはなかったが、この辺りの山にもヤマビルがいることに驚いた。
 
 ここからは車道を歩いて簡単に駐車地点まで戻れるはずだったが・・・。

 日本トレッキングの駐車場の下には観光農園があり、そこに簡易な案内地図があった。梅ヶ久保神社の駐車場に向かうためには蛇行しながら南下していくことになる。地図に従って現在地点から観光農園駐車場への道を行くと、橋を渡って山の中の舗装された車道を歩くようになる。
 
 道脇にはオオバギボウシの紫色の花が雨に濡れて美しい。その先で「佐倉公園第2駐車場」の標示があり、砂利道に入ると大木のある広場に出た。ここが第2駐車場のようだ。駐車場の右に「梅ヶ久保経由笠松山」の標示があり、後にこの道を行けば駐車場につながっていることが分かったが、ここは直進した。
 
 立派なトイレがあり、佐倉公園のようだ。トイレに寄って、さらに車道を進めばいいと考えて坂を下った。ここにも案内地図があったがよく見ないで車道を下って行くとどうも方向が違う。
 
 GPSを見て全く違う方向に向かっていることが分かり、公園まで引き返して地図を再度チェック。梅ヶ久保神社に向かう道はトイレよりも山側にあることが分かったので、芝生の階段を登って公園を横断するように佐倉神社に向かう。神社に参拝してその横で未舗装の車道に出て、道なりに歩いて駐車場へ。GPSがなかったら下山後に道に迷うところだった。
 
 雨で展望は無かったが、たまには雨の中を歩くのもいい。濡れた草木の緑やガスに埋もれる森林は美しい。意外にたくさんの花にも出会うことができた。また、なだらかな道が続くことから、登っていて全く疲れを感じない山でもある。峠に避難小屋があるのもうれしい。

 下山後、松川まで足を伸ばして、直売場で出始めたリンゴやナシをたくさん購入し、清流苑の温泉で汗を流して帰途に着いた。

★笠松山の生き物

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