トレースマップはカシミール3Dで作成
*この地図の作成に当たっては、国土地理院長の承認を得て、同院発行の数値地図25000(地図画像)及び数値地図50mメッシュ(標高)を使用しています。(承認番号 平25情使、第146号) 

見行山 (905m 八百津町) 2016.8.11 2人 晴れ

新道登山口{福地いろどりむら}(10:08)→県道横断(10:19)→展望地(10:36)→林道横断(10:50)→見行山山頂(10:53-12:14)→お社(12:19)→丈右衛門新道分岐(12:37)→旧道登山口・林道広場(12:51)→県道合流(13:16)→新道登山口{福地いろどりむら}(13:36) 

★山の日の8月11日に、八百津町の見行山に登ってきました。
★今年春に整備された新道の登山口となる福地いろどりむらをスタート。
★人工林の中、整備されたばかりの遊歩道を歩いて県道を横断。
★展望のいい伐採地を通過し、整備中の林道を横断して見行山山頂に到着しました。
★山頂南側は大きく間伐され、西〜南の展望が素晴らしく、また北の切り開きからは噴煙を上げる御嶽山が大きく見えました。
★涼しい風が吹く中、山頂のベンチで昼食を楽しんだら、下山は北西の旧道を下りました。
★急斜面を下り、丈右衛門新道を歩いて、福地峠付近に出ました。
★車道を歩いて、駐車地点へ。
★1時間以内で登れる低山ですが、猛暑の時期の登山には最適の山でした。


 今年、新たに制定された祝日「山の日」に、山に登らないわけにはいかない。今年3月に湯之洞山で出会ったヒバリさんから、八百津町の見行山の新しい登山道の整備が間もなく完了するとの情報を得た。見行山なら1時間ほどで登れることから、猛暑のこの時期でもOK。

 見行山のネット情報は福地峠から登る旧道のレポートばかり。できたばかりの新道の情報は、唯一、「やおツーリスト」のブログにあった。ブログによると「このほど、福地いろどりむら(八百津町福地蔵橋)を出発点とした登山道が整備されました。登り口は、県道402号線沿いにあります。」との記述。

 登りに新道を使い、下山は旧道を下る。車道は自転車を利用することとし、折り畳み自転車を車に積み込んだ。ネット情報を頼りに八百津町中心街から県道83号線で久多見に向かい、久多見から県道402号線を東進し、福地を通過。

 いろどりむらは県道がヘアピンカーブするところにあるが、いろどりむらが何であるかよくわからない。当然、見行山のある北側にある建物にちがいないと思い込んで車をゆっくり走らせたがそれらしいものはない。カーブを通過したので、Uターンして北に分岐する脇道に入るが、建物は空き家の民家。

 再度、Uターンして県道に戻ると、登山口の標示を南側に発見。まさか山と反対側にあるとは思わなかった。いろどりむらは登山口の北側の高台にある小さな民家のような建物で、そば打ちなど体験ができる施設のようだ。

 下山は旧道を利用することとし、折り畳み自転車をデポするため、旧道の登山口がある福地峠に向かう。県道を北に戻り「←白川町赤河」の標示を左折して舗装道路を上がる。数軒の民家を見て左に空き地が現れ、大きくカーブするところが福地峠。

 近年、峠道が改良されたようで、峠の東側は法面になっており、尾根に上がる登山道は見当たらなかった。強引に法面を登って尾根に出るとかすかな踏み跡らしきものがあったが、灌木で覆われているところもあり、ここに下山できるかどうかは怪しい。自転車をデポするのを止めて新道の登山口まで引き返した。

 新道登山口の北側の路肩スペースに車を停め登山開始。新しい登山口の標識を後に、丸木階段を人工林に向かって下る。間伐された林の中を、いくつかの丸木橋で川を渡っていくと正面にガードレールが見えた。ここで県道に出る。左に登山口の標識が見えたので、県道を下った。先ほど、Uターンしないでここまで車で来れば山側にある登山口を発見できたのだが・・・。

 ガードレールに数本の杖が立てかけられており、登山口には手すりが設けられている。再び人工林の中へ。木漏れ日の道を歩くとすぐに石碑のような石積みを通過。尾根道を登り、アカマツの多い林を右にトラバースして、再び丸木階段の直線コースを登る。周囲の広葉樹は適度に間伐されており、遊歩道といった感じで気持ちがいい。しかし、真夏の低山は暑い。汗を拭きながら登っていくと、伐採地に出た。

 展望地であり、ベンチが整備されている。振り向くと八百津の山々が望めた。炎天下で熱いので木陰で水分補給して、山頂を目指す。天然林の尾根を数分登ると、再び伐採された場所に出る。未舗装の林道を横断して、新しい道を左山でトラバースし、左に向きを変えて間伐された道を登り詰めると見行山山頂に到着。

 山頂からは登ってきた方向である西から南が切り開かれて素晴らしい展望台。山々が重なり合っているが、山の名前が分からない。反対側も一部の樹木が伐採されており、ちょうど御嶽山を見ることができる。立ち上る噴煙が確認できた。また、山頂の片隅でママコナの花がひっそりと咲いていた。

 山頂にはいくつかのベンチと真新しい山名標示板があった。木陰のベンチで昼食にする。山々を眺めながら地獄うどんを作った。1時間半ほど山頂でゆっくりして、下山ルートを検討。山頂から北西に下っている道は旧道であり、踏み跡はしっかりしている。旧道の登山口は不明瞭であったが、旧道を下ってみることにした。

 緩やかに5分ほど下ると人工林の中にお社が現れた。お社の前にはシキミと青菜、そしてイワシの干物が備えてある。イワシの干物が置いてあるのには驚いた。まだ置かれて間もないと思われた。いずれは動物に食べられるに違いない。この辺りにはふ入りのスミレやキッコウハグマなどが見られた。

 お社に手を合わせて、人工林の中を下る。一直線の急斜面となり、左は天然林、右は人工林でその境に道がある。大岩を通過してさらに下ると、人工林のなだらかな尾根道となり、左側に丈右衛門新道の新しい標示板が現れた。尾根を直進しかけて、ネット情報を思い出した。「旧道は尾根に出るところが5差路になっており、登りの場合は一番左の道に進む。」 確かに、よく見てみると5差路になっている。と、いうことは、ここは標示のある道に進むのが正解。

 丈右衛門新道は明治6年に起工し、明治10年に完成したとの記述があり、中津川市のウェブサイトによると、付知から名古屋方面に向けての便利な近道を、付知村の大地主牧野丈右衛門が造ったそうだ。付知の黒川谷付近から稲荷平、福岡の新田、蛭川、中野方を経て八百津に至る40km近い道で、中央線が開通するまでは地域の発展に大きく貢献したとのこと。個人的に造った道として、各地に遺跡があるようだ。

 踏み込んでみると、等高線に沿った水平の道で歩きやすい。一部、倒木や灌木のうるさいところがあるが、問題なく歩ける。丈右衛門新道に入って10分ほど歩くと、左から尾根が下りてきて尾根上の道となるが、すぐに左へ下る道が分岐している。GPSで確認すると、直進は福地峠への道である。左のほうが踏み跡がしっかりしているので、左に下りる。

 下に林道が見え、急な斜面を滑るように下って林道に立った。車の回転場のような広い場所で、不法投棄禁止の黄色い立札があった。ここに車を停めれば、旧道を登ることが可能。林道を、ギボウシやウツボグサの花を見ながら5分ほど歩くと、福地峠への道に合流。民家が2軒あるところから東に派生している舗装道路で、この入り口の木の陰に丈右衛門新道の標示板が立っていた。峠への道を車で走っていても見えない位置にある。ここに自転車を置いておけばよかった。

 今日の朝、車で走った道を歩く。ボタンヅルやフジウツギなどの花を見たり、水路の小魚を眺めたりしながら車道を25分ほど歩いて県道402号線に合流。ここから駐車地点までは上り坂となる。左折して県道を歩き、途中から山沿いにショートカットの道を歩いて駐車地点まで戻った。車道歩きで45分かかった。

 新道はできたばかりで粗削りの部分もあるが、よく整備されており、45分ほどで山頂に至る。ハイキング程度のコースである。山頂にはベンチが整備され、展望もいい。旧道は急斜面のところもあるが踏み跡はしっかりしている。四季を通して歩ける手ごろな山である。

 帰路、人道の丘公園・杉原千畝記念館に寄った。第二次大戦中、多くのユダヤ人を迫害から救った八百津町出身の外交官・杉原千畝の偉業を讃える記念館で、千畝に関する資料や再現された執務室が展示されている。改めて、千畝の真の姿に触れることができた。2017年の世界記憶遺産への登録を期待したい。
★見行山からの展望


★見行山の花

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