北山
北山 (908m 山県市)2003.4.27 晴れ 8人

西洞集落跡(9:02)→78番鉄塔(10:05-10:16)→79番鉄塔(10:30)→北山山頂・三角点(10:38-13:03)【最高点まで数分】→西洞集落跡(14:20)

参加者(いかわさん、Mさん、sizukaさん、ブルさん、ayameさんご夫妻、RAKU2人)

 3月の上高地の反省会と称して、参加者8人で北山に登ることになった。春の花を楽しむ山旅でもある。上高地のあの感動を共有した仲間達が、岐阜市北部に集合。2台の車に乗り合わせ、旧美山町を目指す。

 道は相戸岳へのルートと同じである。今回も、ふれあいバザールにトイレ休憩に立ち寄った。山菜の時期であり、店頭にはたくさんのタケノコやワラビ、ウドなどが並んでいる。帰りの時刻にはほとんどが売り切れてしまうことから、今買っておいたほうがいいと、店の方からのアドバイス。帰りまで預かっていただけるのがうれしい。

 ショッピングの後、出戸の交差点を直進し、すぐに右折し相戸岳を東から回り込む。正式なルートは柿野洞の集落の柿野小学校を過ぎた直後の川の合流地点にかかる橋を左折し、西洞の谷に入るのだが、ここを見落とし、東洞の谷に入ってしまった。細い道は沢状態になり、ついに行き止まり。ここでやっと道が間違っていたことに気がつく。(ナビゲーターのミスですみませんでした)

 何とかカーブでターンして柿野洞の集落まで戻り、西洞に入る。コンクリート舗装の道を谷川沿いに進む。山菜採りや釣り人の対向車が2台あり、待避所までバックしてすれ違った。カーブでは要注意の道である。

 路肩に石仏など見ながらかなり進んだ所に建物が現れ、何台かの車が止まっている。ここが西洞集落跡地の登山口である。石碑があり、昔の集落の地図が描かれていた。最後の花びらをつけた山桜が美しい。苔むした石垣とユキノシタが、かつて人が住んでいたことを示している。駐車地点で先着のMさんと合流。

 靴を履き替えて、石碑右の登山口から歩き始める。右に谷の流れを見下ろしながら、ヤマブキの咲き乱れるゆるやかな道を歩く。スギの人工林の中、谷川を何度か渡り返した。最近の雨でかなり増水しており、渡れそうな場所を探しながら滑らないように渡る。時折現れるマムシグサ、ヤマルリソウ、ネコノメソウ、ニリンソウが目を引く。ニリンソウは咲き始めたところで、多くが1輪で、2つ目はつぼみ状態。1つ目が早く咲くとsizukaさん。確かに、そのとおりである。また、花びらも6枚、7枚、8枚といろいろあることが話題になった。

 やがて、谷の水が突然消える。この山は舟伏山と同じように石灰岩質であり、伏流水になっているようだ。分岐点があり、矢印のある山頂への表示板が現れるが、プレートが固定されておらず方向が定まらない。谷を渡るのが正しいルート。注意ポイントである。

 ここからスギ林の斜面をジグザグに歩く。この辺りの人工林は、全く手入れされておらず、ひどい荒れ方である。雪で倒木した木が多く、枝打ちの無い林の道には湾曲した枝が散乱し、踏みつけて跳ね上がる枝もある。かなりの急斜面につけられたつづら折りを我慢の登りである。

 やがて、上の方に広葉樹林が現れ、スギ林との境目を歩く。分岐点でご夫婦の登山者が休息中。直進方向には朽ちた木が横たえてあり、直進ではないことを示している。ルートは右。倒木をくぐる。倒木には赤いテープが巻かれている。

 ここからは、気持ちのいい天然林。カタクリの葉がたくさん見られるが、すでに花の終わったものがほとんど。ミスミソウに似た葉も見られた。新芽を吹いたばかりの黄緑色のトンネルを歩くのは実に気持ちがいい。西の山もよく見える。分岐点に出て、左に歩けばすぐに78番鉄塔に着く。この手前でたくさんのフデリンドウを発見。ブルーの美しい可憐な花は地面に散りばめられた大自然の宝石のようである。みんなで、代わる代わる撮影。

 そして、鉄塔下へ。西から北へ大展望地である。舟を斜め前から見たイメージの舟伏山、その向こうには花房山か? 一息ついて、分岐点まで戻り、やや下りながら西へ向かって歩く。この辺りのカタクリは花びらを反り返して、美しい花を咲かせている。

 大きな切り開きにに出て、79番鉄塔。ここからは北に日永岳が見える。稜線に出れば、真南に相戸岳が美しい三角形を作っている。その向こうには東へ汾陽寺山、権現山、かろうじて天王山が望める。相戸岳のさらに南には百々ヶ峰や金華山、西へ釜ヶ谷山や伊吹山など相戸岳山頂の展望から一歩北に下がっての大展望である。

 この切り開きで、いかわさんがヒトリシズカを発見。伐採された木々の間にいくつか見られた。鉄塔からは明るい天然林の岩のある稜線を快適に歩く。ニリンソウや飯盛山で見たナツズイセンらしき群落が見られた。コクサギがたくさんあり、このハーブ風のにおいを嗅ぎながら10分足らずで大きな反射板に突き当たる。

 山頂はその隣にある。山頂は狭く、中央には三角点。北山と赤い色で書かれた看板が灌木に掛けられていた。芽を吹いたばかりのサンショウの木がある。ここから最高点までは、藪っぽい石灰岩地帯を数分歩けば到達できる。立派な石灰岩が庭石のように配置されている所もある。どこが最高点か分かりにくいが、下り始める直前の左手の岩が最高点である。消えかかった白いプレートが掛けてある。ここで記念撮影。薄い踏み跡のため道を間違えながら、山頂まで戻った。

 誰もいない山頂で、円陣を組んで宴会の開始。いかわさんの最高においしい冷ヤッコを肴にビールで乾杯。しゃぶしゃぶ、焼き鳥、焼き魚、寿司、ゴボウ巻き、フキ、ワンタン、雑炊などみんなで持ち寄った豪華メニューでの大宴会は2時間続いた。

 皆さんの上高地の写真やMさんの花の写真を見せていただき、山頂での反省会は大盛り上がり。途中で、登って見えた団体さんには山頂をふさいでしまってご迷惑をおかけしました。宴会の後、山頂で記念写真を撮った。登ってきた数人のパーティーと山頂を入れ替わった。帰り際に、先輩ご夫婦にばったり。山頂での偶然はまた今回も。知り合いに山登りの好きな人が多いことを実感。

 往路を下った。79番鉄塔からは、霞がかかり金華山などは見えなくなっていた。休むこともなく一気に下った。登山口近くの谷沿いでイカリソウを発見。淡い黄色の不思議な形のこの花はまさに大自然の芸術作品。1時間ちょっとで下山した。

 温泉に寄ろうという話しがまとまり、すこし足を伸ばして、板取川温泉まで車を走らせた。熱い露天風呂に浸かり、風呂上がりに次に出かける山の話題などで盛り上がった。

 北山は、半分が人工林であり花の数は多くはないがいくつかの春の花が楽しめた。また、マイナーな山ではあるが多くの登山者が訪れることに驚いた。相戸岳の兄貴のような山、そんな印象のすばらしい1山である。 
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