トレースマップはカシミール3Dで作成
*この地図の作成に当たっては、国土地理院長の承認を得て、同院発行の数値地図25000(地図画像)及び数値地図50mメッシュ(標高)を使用しています。(承認番号 平25情使、第146号) 

清滝山 (439m 滋賀県) 2015.1.4 くもり 2人

徳源院駐車場(9:24)→清滝神社(9:40)→稜線合流(10:38)→清滝山山頂(11:03-12:38)→稜線離脱(12:50)→清滝神社(13:17)→徳源院駐車場(13:26)

★1月4日に滋賀県の清滝山に登って来ました。
★深い雪に覆われた徳源院をスタート。
★トレースのない深い雪の林道を、ワカンを付けて登りました。
★次第に傾斜が増し、雪も深くなり、ワカンでも膝辺りまで沈み込むほど。
★ルートファインディングしながら二人で交代しながらラッセルし、スローペースで大汗かいて稜線に出ました。
★稜線の深い雪を踏みながら、広い清滝山山頂の雪原へ。
★垂れこめた雲で、伊吹山や霊仙山は見えませんでしたが、眼下にはモノクロの柏原の町を見下ろすことができました。
★山頂の雪の中で温かい昼食をとり、登ってきた道を下りました。
★低山でしたが、久しぶりに深い雪のラッセルを楽しんできました。

 年末から正月にかけて、あわただしい日が続いた。4日にようやく余裕がでてきたことから、山行を計画。軽く雪山を歩きたいと思い、年末から大雪になっている滋賀県方面の山で、超低山の清滝山を選んだ。清滝山は2008年の4月に登っている。標高439mの超低山であるが、山頂からの展望は素晴らしく、周回もできる。まさにハイキングに最適な山。この低山を今回は雪の時期に登る。

 滋賀県に入り、柏原の駅を目指して国道を右折し中仙道に入った。柏原駅の東を北に進んだことから道を誤ってうろうろしたが、柏原駅の西から北へ向きを変えて清滝集落の徳源寺に到着。参道を少し上がったところの駐車場は一部しか除雪されておらず、そこに車を停めた。予想以上に雪が多いのに驚いた。靴を履き替え、ワカンをザックに縛り付けてスタート。

 一直線の参道を歩いて左折し、まずは徳源院に今日の安全を願って参拝した。トイレに寄って引き返し、清滝神社方向に進み林道に入る。獣の侵入を防ぐ柵の扉を開けて、林道に入る。林道は雪に覆われており、ワカンを付けた。

 人工林の中、緩やかな傾斜の林道を歩く。木から落ちてきた雪で、路面の雪はよく締まっている。林道は広く、また電柱が続いているので雪があっても道を誤ることはない。しだいに傾斜が増し、頭上の木が無くなって雪が深くなった。小さな橋を渡って谷の左へ。道の中央はふかふかの雪でワカンを履いていても膝近くまで沈み込む。急斜面でこれだけ沈み込むとさすがにきつい。左の人工林の境は、木から落ちた雪で沈み込みが少ないので、なるべく左によって登る。

 先頭を交代しながら、歩きやすいところを選んでいく。人工林は天然林となり、雪が積もってアーチ状になった木の下を潜り、潅木を避けながら登る。後方には柏原の真っ白な田園や野瀬山が見え始めた。
 
 稜線間近になるとさらに傾斜が増し、前方には木や雪の積もったササなどが立ちはだかり、進む方向が分からなくなった。ササの間を抜けようとしたが、ササでできた空間が雪の下にあることから、腰まで雪に埋もれる。ここを登るのはあきらめて、少し戻って一直線に急斜面を登る。膝よりも深い雪の中を、膝で雪を押さえつけながらぐいぐい登って稜線直下のトラバース道に出た。

 雪で倒れ込んだ木々を避けながら、美しい雪景色の中を左に進み。折り返すようにして稜線に出た。木々にはしっかりと雪が積もっており、気温が低いことが分かる。風が強くなった。ここから電線に沿って北に向かう。すぐに左右が切り開かれて展望地になっているところを通過。右手には柏原の町並みが見下ろせた。

 稜線の傾斜は次第に増し、シカの足跡を追って深い雪をラッセルしていく。空は灰色の雲に覆われ、モノクロの世界が美しい。汗をかきながら交代してのラッセルが続く。右手前方にアンテナが見えはじめた。時折吹く強い風が体温を奪う。緩やかになると、正面にアンテナ群が、そしてNHKの白い建物が現れた。広い清滝山山頂に到着。

 雪原を横切って、スギの木の下にある石仏に手を合わせた。石仏に全く雪が積もっていないのが不思議である。南から北への展望が広がる。柏原の町並みや清滝の集落が地上絵のように雪の中に幾何学模様を作っている。野瀬山など低山は見えるが、霊仙山などは裾野が見える程度で、ほとんどが雲に隠されている。
 
 山頂の反対側に行って見ると西側が開けているが、北にある伊吹山も全く見えない。足跡の無い雪原をあちこち歩き回っていると、突然、二人とも落とし穴に落ちたように腰まで雪にはまり込んだ。狼煙跡の大きな穴があったのは分かっていたが、その穴の周辺に雪が積もっていて穴の境目が分からなかった。これには大笑い。
 
 記念写真を撮って、風の無いNHKの建物の横で昼食にする。雪をスコップで掘り起こしてガソリンストーブが置ける場所を作った。メニューはおでんと餅入り卵雑炊。山頂は北からの冷たい風が吹いているが、建物の陰は風が無く雪も浅い。パーコレーターから高く湯気が立ち上る。それほど寒くない雪の中で、1時間ほどかけてゆっくりと昼食を楽しんだ。

 周回コースで下山できるが、この雪の深さでは周回は無理だと判断して、帰路は登ってきた道を下った。下りは、深い雪でもワカンのかがとから踏み込めば軽快に歩ける。稜線を下り、谷に向かって稜線を離れる。登りはなるべく沈まない樹林帯の境や潅木帯を登ってきたが、下りは正規の道を歩く。登りで道を見失ったところは、ササが雪で倒れ込んで道が隠れていたことが分かった。

 登りのトレースを無視して、好きなように新雪の斜面を面白いように下る。登ってきたときとは大違い。一気に下って人工林の中へ。そしてなだらかになって林道入口に着いた。今日の無事を感謝して、林道入り口にある清滝神社に参拝。そして参道を歩いて駐車場まで戻った。
 
 雪がなければ簡単に登れる清滝山であるが、深い新雪の清滝山は簡単に登れる山ではないことを実感。雪歩きを楽しむにはこの程度の低山で十分である。新雪の時期、滑落の心配はないが、稜線手前の急傾斜は注意が必要。電柱に沿って歩けば山頂に至ることから道を誤るようなことは無いが、一度、雪の無い時期に登って、山の状況を把握しておくといい。
★清滝山からの展望

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