トレースマップはカシミール3Dで作成
*この地図の作成に当たっては、国土地理院長の承認を得て、同院発行の数値地図25000(地図画像)及び数値地図50mメッシュ(標高)を使用しています。(承認番号 平25情使、第146号) 

コカシ洞・ソボ洞 (739m 745m 本巣市) 2018.4.21 晴れ 2人

尾並坂峠(8:58)→33番鉄塔(9:12)→139番鉄塔(9:54-10:04)→コカシ洞山頂(10:22-10:29)→138番鉄塔(10:31)→林道合流(10:52)→林道離脱(11:09)→136番鉄塔・ソボ洞山頂(11:17-11:26)→ソボ洞北東尾根途中・昼食(11:31-12:42)→林道合流(12:47)→137番鉄塔(12:51)→138番鉄塔(13:11)→コカシ洞(13:14)→139番鉄塔(13:27)→33番鉄塔(13:59)→尾並坂峠(14:12) 

★4月21日に本巣市のコカシ洞・ソボ洞に登ってきました。
★尾並坂峠に駐車して南に続く鉄塔巡視路に取り付き、尾根に出て一直線に南へ。
★33番鉄塔を通過し人工林と天然林を繰り返しながら、急緩の尾根歩き。
★139番鉄塔は左右の展望地。北には雪の能郷白山や岩岳、大白木山など大展望に感動。
★鉄塔からさらに天然林の尾根を登り詰めてコカシ洞山頂に到着。
★山頂から西に下って138番鉄塔から再び大展望を楽しみました。
★鉄塔から落ち葉の急斜面を一直線に下って、137番鉄塔から登り返し、林道を経由して三角点のあるソボ洞山頂へ。
★ソボ洞からの北尾根途中で能郷白山を見ながらゆっくりとランチ。
★下山は登って来た道を下りました。
★誰にも出会うことなく、新緑と大展望を二人占めした山歩きに大満足。

 コカシ洞・ソボ洞は本巣市と山県市の境にある標高700mほどの山で、山行レポートがいくつかネットに掲載されており、最近のガイドブックにも載っているようだ。南側の素振谷から登るレポートが多いが、今回は北側の尾並坂峠から尾根の鉄塔巡視路を歩くルートを選んだ。この他、山県市塩後から見舞谷に入って鉄塔巡視路に取り付くルートもあるようだ。

 国道418号線で山県市美山地内を西進し、本巣市に入るところに尾並坂峠がある。峠の左側に露地の広い空き地がありここに車を停めた。靴を履き替えてスタート。登山口の標示は何も無い。

 谷に沿って右山でトラバース道が南に続いているが、ここから尾根に取り付いて南下すればいいと考えた。杉林を覗いてみるとプラスチック階段がスギの枯葉に埋もれている。鉄塔巡視路と思われたが急斜面で踏み跡もなく、登ろうと思えば尾根に上がることはできそうだが、むしろトラバース道を歩いたほうが安全で尾根に出られるかもしれない。

 踏み跡のしっかりしたトラバース道を倒木を乗り越えて歩く。崩壊しかけたところの道幅は極めて狭く谷に落ちないようにゆっくり進む。杉林に入り、緩やかに登っていくと、黄色い鉄塔標示があり、広い尾根に出た。進行方向の鉄塔は33番。

 プラスチック階段を踏んで行くと右側が天然林の尾根となり、やがて皮剥ぎ防止テープの巻かれた人工林に入る。踏み跡はしっかりしており、プラスチック階段もあることから道に迷うようなことは無い。新緑の美しい天然林を抜けて、33番鉄塔の下に出た。展望は無い。

 直進して次の鉄塔に向かう。尾根は相変わらずなだらかで、人工林と天然林を繰り返す。人工林の登りで地面に桜の花びらが落ちている。周囲を見回すが、桜の木が見つからない。よく見ると、ヒノキよりも高い位置まで枝を伸ばしたヤマザクラが花を終わろうとしている。なごり雪のように舞う花びらが過ぎ行く春を告げる。

 天然林の地面にはカタクリの葉がたくさん見られた、小さい葉が多いが、4月にはカタクリの花が見られるに違いない。

 鉄塔から15分ほど歩くと、広い尾根となり、踏み跡は右の人工林との境にあるが、気持ちのいい緑の天然林の中を登った。倒木が多く、ホオノキの巨木やシカの糞を見ながら歩くと、アカマツの多い尾根となる。小さなアップダウンもある。

 右側に切り開きがあるところからは、真っ白な能郷白山が望め、下には舗装された林道も見える。10分ほどなだらかな尾根を歩くと、左に分岐があり、140番鉄塔の標示。直進してすぐ先で139番の巨大な鉄塔の下に出た。

 鉄塔下はすばらしい展望地となっており、北には白い能郷白山や岩岳、雷倉などが青空の下に連なっている。東側も切り開かれており、今まで展望がなかっただけに感動。これから向かう南には138番鉄塔とその左のなだらかなピークのコカシ洞山頂が見える。

 山頂を目指して、ヒノキの幼木林に入る。天然林を抜け人工林の境のやせた尾根を歩いて、プラスチック階段を登って行くと広いピークに到着。コカシ洞山頂である。

 落ち葉が積もった山頂は木々に囲まれて展望は無い。山名標示を探したが見つけることができなかった。三角点も無く、人工物は鉄塔標示のみ。鉄塔標示に従って直角に西に向きを変えて、138番鉄塔に向かう。

 落ち葉を踏んで緩やかに下って行くと、紅白の鉄塔に到着。鉄塔周辺は広い丘陵地で、アカマツの幼木が点在しているが裸地状態。そのため展望はいい。

 送電線は南東に続き、136番鉄塔が立つソボ洞が望めた。ソボ洞へはこの送電線に沿って標高差150mを大下りして登り返せばいい。

 鉄塔から南西に歩いて下りにかかる。見下ろせば、樹木の無い急斜面がまっすぐに下っている。あまりにも急で、踏み跡も無いので、左右に移動して踏み跡を探すが見つからない。地図を見て、ルートは送電線の真下であることを確認して少し下ってみて納得。上から見ると落ち葉に覆われて見えなかったプラスチック階段は、下から見るとよくわかる。

 一直線に続くプラスチック階段の落ち葉を払いながら慎重に下った。帰路、これを登り返さないと・・・。左から人工林が迫ってきた。急斜面がこれでもかと続く。痩せ尾根になってきたところで、眼下に未舗装の林道が見えた。

 林道に出たところで右に山道が続いているが、林道を歩くことにした。林道は右山で南に向かい、Uターンするように向きを変えて登っていくと、鉄塔が見え始めた。137番鉄塔である。先ほど通過した138番鉄塔もよく見える。

 林道が再び南を向くところで、山道が137番鉄塔に向かって下っているので、帰路はこの山道を利用した。左山で林道を歩く。今度は正面にソボ洞に立つ136番鉄塔が見える。

 林道が西に向きを変えるところで、まっすぐに尾根に取り付けばソボ洞へショートカットできるはずであるが、何の標示もなく踏み跡も不明瞭だったので、このまま林道を歩いた。土砂が崩れた林道にはカーブミラーが設置してあり、以前は車が通行したと思われるが、今では荒れて車の通行は不可能。

 ソボ洞から遠ざかっていくので心配になったところで、林道に突き当たり、このT字路の左に鉄塔標示があった。136番の矢印に向かって林道を離れ崖のようなところを登るとトラバース道があった。この道に入らず人工林の尾根を登る。

 イワウチワの群落を見ながら人工林を抜けてプラスチック階段を登ると136番鉄塔の下に出た。ソボ洞山頂到着。この鉄塔付近も広い裸地になっており、鉄塔の先にソボ洞の三角点があった。

 先ほど通った137と138番の鉄塔やコカシ洞、また舟伏山も見える。三角点の前で写真を撮って、昼食場所を探した。木陰がないことから、下りながら昼食にいい場所を見つけることにした。

 登ってきた道を少し下ったところで、北東に延びる尾根に取り付く。踏み跡が確認できた。急斜面を下ると痩せ尾根となり左下には先ほど歩いた林道が見える。尾根から能郷白山が見えるところがあり、木陰でもあるので、この尾根で昼食をとることにした。尾根を占領したが、登ってくる人もいないだろう。

 冷奴、スパゲティ、ぜんざい、コーヒーとおかしな取り合わせの昼食を新緑の中で小鳥のさえずりを聞きながら楽しんだ。ここで食事を取った人は、間違いなく、過去、誰もいないだろう。そんなことを思いながら至福のときを過ごした。

 昼食の後、尾根を下る。やせ尾根から右へ急斜面を木に捕まりながら下る。木には赤ペンキが塗られており、踏み跡もあることから、林道のできる前からソボ洞へのルートだったと思われる。シキミの花を見ながら、転がり落ちないように下ると林道のカーブしているところに出た。

 ウリハダカエデやシロモジの花を見ながら、往路の林道を歩き、137番鉄塔上部から左折して山道に入る。プラスチック階段から見る鉄塔やコカシ洞の展望が素晴らしい。モザイクの山肌が美しく、下ってきた急斜面も見える。

 鉄塔下からの展望も素晴らしく、谷の向こうの能郷白山が白く輝いている。鉄塔を後に、黄緑色のトンネルを下って林道をかすめて急斜面に取り付く。気合を入れて一歩一歩登る。下りの時には帰路の登りに思いやられるが、意外にあっけなく登り返せるものだ。

 プラスチック階段の脇に咲くコスミレの花に元気をもらって15分ほどで登り切った。138番鉄塔で再度展望を楽しんでコカシ洞山頂を経由して登ってきた道を下った。尾並坂峠手前のトラバース道を慎重に歩いて峠の駐車地点に戻った。峠から谷に不法投棄された粗大ごみが残念だ。

 今回の鉄塔巡視路をたどる山歩きは思わぬ拾い物をしたような素晴らしい山行となった。鉄塔からの展望は素晴らしく、また天然林のなだらかな尾根も美しい。峠からのトラバースは要注意だが、尾根に出れば道を誤るようなところは無い。次は紅葉の時期に歩いてみたい。

 帰路、久しぶりに根尾の薄墨桜に寄って葉桜見物し、谷汲温泉で疲れを癒した。
★コカシ洞・ソボ洞からの展望



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