トレースマップはカシミール3Dで作成
*この地図の作成に当たっては、国土地理院長の承認を得て、同院発行の数値地図50000(地図画像)及び数値地図50mメッシュ(標高)を使用しています。(承認番号 平23情使、第517号) 

荒神山・山崎山 (284m 140m 滋賀県)2012.7.16 晴れ 2人

唐崎神社駐車場(9:49)→唐崎コース登山口(9:57)→展望台(10:27)→三角点分岐点(10:42)→荒神山神社・荒神山山頂(10:46-11:07)→稲村神社(11:37-11:40)→稲村神社参道入口(11:47)→山崎山登山口(12:26)→山崎山山頂・昼食(12:34-13:37)→荒神山神社遥拝殿(13:54)→車道横断(14:21)→荒神山神社・荒神山山頂(14:31-14:36)→三角点・東屋(14:45-14:54)→車道横断(15:08)→自然の家登山口(15:13)→唐崎神社駐車場(15:29

★7月16日に滋賀県の超低山、「荒神山」と「山崎山」に登って来ました。
★荒神山の最北端である唐崎神社をスタートし、北尾根(唐崎コース)を歩いて荒神山山頂の荒神山神社に参拝。
★山頂で琵琶湖を眺めた後、南西尾根を下って稲村神社に参拝。神社から田園を歩いて展望のいい山崎山山頂へ。
★さわやかな風が吹く木陰で田園を見下ろしながらランチ。
★ランチの後、田園を歩いて荒神山神社遥拝殿から、石畳の参道を登って再び荒神山山頂へ。
★下山は三角点を経由して荒神山公園に下りました。
★気温36℃という猛暑日。猛烈な暑さでバテバテの山歩きとなりました。


 梅雨末期。最も蒸し暑い時期であり、低山歩きには向かない。それでも超低山なら何とか歩けるだろうと考え、滋賀県の彦根にある荒神山を選んだのだが・・・。「荒神」は「こうじん」と読む。昔、かまどがあった頃、火の神様である荒神様を台所に祭ったことを思い出した。荒神山の山頂には荒神山神社があり、ここには火・かまどの神様とお祓いの神様が祀られている。
 
 名神高速を彦根ICで下りて、国道8号線を南下し、ナビに従って琵琶湖方面に向かい、荒神山公園を目指す。前方に低山が近づいてくる。これが荒神山である。宇曽川を渡って荒神山公園に突き当たり、公園の駐車場に車を停めようとしたが、少年野球の大会があるらしく、大きな駐車場はいっぱい。このため、唐崎神社近くの駐車場に停めた。

 ネット情報ではいくつかの登山道や車道が整備されているようだ。今回はできるだけ多くのコースを歩き、また近くにある超々低山の山崎山にも寄ることにした。唐崎神社は荒神山の最北端にあり、ここを起点に荒神山の稜線を縦走し、最南端にある稲村神社に下って、田園を歩き山崎山へ。その後、荒神山本坂コースを登って再び荒神山山頂を踏み、下山は三角点を経由して荒神山公園に下るという「8の字」コースを予定した。

 唐崎神社の鳥居の下でお賽銭を投げて今日の山歩きの安全を祈願。「EF→」のプレートがある。本日、唐崎神社で祭礼があるという張り紙を見ながら階段を登って本殿へ。何人かの参拝者が見られた。垂れ幕が下がった本殿でも拍手を打って、左へ向かう。社務所の前を通って駐車場の脇の車止めの標示がある登山口に入る。広い道を歩いて右に記念碑を見て、ススキの茂る道を抜け、オリエンテーションに使用されると思われるクイズの標示を見ながら緩やかに登っていく。左に人工林があり、グランドから野球をする子どもたちの声が聞こえる。

 Fコースの道を右に見て、すぐに目の前に急斜面が現れた。雨水で削り取られた路面は硬い赤土で滑りやすい。ロープが設置してあり、岩や木の根に足を掛けて登っていく。急斜面はすぐに終わると思ったが、結構長い。この低山にこんな場所があるとは思いもしなかった。登りきってピークを通過。右の樹間からは曽根沼が見えた。

 ロープ付きの斜面を下って、潅木の道を歩く。ところどころに展望地があり、左側には曽根沼や琵琶湖が見える。田園の緑が美しく、しばし展望を楽しむ。展望地を後にし、すぐに車道を横断。荒神山神社まで550mの標示を見て丸木階段を登る。明るい遊歩道にはノギランやヒロハノトンボソウの花が咲いている。前方からやって来たランニングの男女とすれ違った。市民の山だ。

 尾根に出ると木製の展望台があった。ここからも目の前に琵琶湖が広がっており、その向こうには比良山地が霞んでいる。琵琶湖に浮かぶ小さな島は多景島である。展望台を後に尾根の丸木階段を登る。イワカガミの葉やウスノキの赤い実が見られる。とにかく暑い。シャツは汗でずぶ濡れ。
 
 痩せ尾根を歩き、再び丸木階段が現れると、前方の林の中にブルーシートが見えた。ここが荒神山古墳の発掘場所である。古墳を回り込むように歩き、左に墓石を見て緩やかに下っていくと三角点への分岐が左に現れた。帰路は、ここから三角点に向かうこととし、さらに進むと苔むした立派な石垣が現れ、荒神山神社の裏に出た。大きな本殿に参拝して木陰のベンチで小休止。本殿に置いてあった荒神山ウォーキングマップをいただき、この先のコースを確認。ハンググライダー離陸場の先から西尾根に取り付くことができる。

 本殿前から引き返してNHKの電波塔が建つ大きな広場へ。この広場からも琵琶湖を眺望できる。広場にはたくさんのオニヤンマが飛び交っており、タモを持った小学生が走り回っていた。
 
 車道を下っていくとすぐに未舗装の広場があり、ここがハンググライダー離陸場のようだ。離陸場だけあってここからの展望も一級である。曽根沼が右に見え、ずいぶん歩いてきたことが分かる。石寺町へ1300mの標示を見ながら広い尾根道を西へ向かう。右に建物を見て下りにかかる。今までの広い道は消え小枝のうるさい狭い道となった。くもの巣も多く、歩く人は少ないようだ。倒木などで全く道が消え、強引にヤブを分けて道を探すところもあった。

 背の低いササの道を通過し、痩せ尾根を通過。すぐに石田町と稲村神社の分岐点に出た。稲村神社まで250mの標示に従って左へ向かう。道は南に向きを変えて下っていく。分岐点があったので左の薄い踏み後に入ってみたが道が消えていた。引き返してさらに下っていくと、前方に建物が見えた。山道を抜け出ると、稲村神社に飛び出した。日差しを遮るものがない炎天下の境内を歩いて神社に参拝した。

 正午が近づいていたが、昼食をとる場所が無いので、山崎山で昼食にすることとし、境内を戻って、広い東参道を下った。このとき、ウォーキングマップの地図をよく見ればよかったが、東参道を下ると山崎山まではかなり遠回りになる。山道の続きが神社から東に下っており、この道が最短距離であることが後で分かった。

 東参道は車道を横断して荒神山の南端へと続いている。ワイヤーメッシュの鳥獣害防護柵を空けて農道に出た。東に見える2つの水道タンクがある山崎山への最短距離をGPSで確認。山沿いに歩いて集落を抜け、田園を水路沿いに歩く。真昼の炎天下。頭上の太陽の強烈な日差しが降り注ぐ。扇子を出して扇ぎながら歩く。とにかく暑い。今歩いてきた荒神山を見ながら、暑さとシャリバテでだらだらと農道を歩く。
 
 緑の田園には人っ子一人いない。水路の脇にある木立の影で座り込んで休憩。目の前に山崎山が見えるが山頂まではまだ時間がかかりそうだ。木陰で持ってきたパンを食べてエネルギーを補給。この先、木陰は全く無い。腰を上げて、田園歩きを再開。水路には小魚に交じってナマズも見られた。
 
 山崎山の麓にある集落を抜けて山の北側に出て、水道貯水タンクへの入口を通過し、竹薮のところから右折して少し歩くと山崎山城跡の看板と簡易トイレが現れた。ここが登山口である。ネジバナを見ながら遊歩道を折り返して登っていくと芝生広場のような山頂に着いた。樹木はほとんど無く、展望はすばらしい。北には荒神山、東には霊仙や御池など鈴鹿の山々が見える。

 午後1時。僅かな木陰でいつもより遅い昼食をとる。田園を走る車を見ながら、冷やしそばを食べた。時折吹く風が気持ちいい。1時間の昼食を終えて、帰路は水道貯水タンク方向に下る山道に入ってみたが、道はすぐに消えた。ヤブを分けてみたが、タンクへは崖があり下れそうにない。引き返して登ってきた道を下る。

 次に向かうのは荒神山の本坂コースの登山口となる荒神山神社遥拝殿。再び田園を歩く。最短距離よりも木陰のある宇曽川の桜並木の堤防を歩き、天満天神社に突き当たって左折し、荒神山神社遥拝殿に参拝。本殿の裏の未舗装の道を歩いて竹薮に入り、広い道を登る。道は傾斜を増し、石畳となる。歴史が感じられる道だ。これが今日最後の登りであり気力で登るが、さすがに暑い。気力に足がついてこない。石畳に座り込んで水を飲む。熱中症で倒れるかもしれないと思いながら腰を上げる。夏の低山は登るものではないと実感。

 コンクリート壁で折り返して、ウラジロを見ながら高度を稼ぐ。車道に出て再び階段に取り付く。一歩一歩の階段がきつい。ササの枯れ葉が積もった苔むした階段を登っていくと前方に荒神山神社の本堂が見え始めた。最後の登りとなる階段を登りって再び神社の境内に立った。ベンチに座って一息つく。
 
 帰路は三角点コースを下る。神社から午前中に登ってきた道を戻り、「三角点300m」の標示のある分岐を右に下る。よく間引きされたヒノキの林となり、道は下り始めた。下る手前に三角点があるのではないかと、周囲を探してみたが、三角点は見当たらない。下っていくと、前方の小さなピークに東屋が見えた。東屋の近くに三角点を発見。北〜東側の展望が得られ、眼下には宇曽川が見下ろせる。ベンチに座ってしばらく整然と並ぶ水田や伊吹山・鈴鹿の山を眺めた。青い空に白い夏雲が流れ、適度な風が気持ちいい。
 
 三角点を後に、東へ続く道を下る。ここも展望がよく、南側の山崎山が目の前に見える。イースター像の頭のような大岩を右に見て、かなり急な斜面を下る。木の根が張り巡らされたところや赤土が剥き出しになった斜面は滑りやすく、慎重に下った。「Eコース」と書かれた看板のある道に突き当たり、右に行ってみると行き止まりだったので、引き返して左に向かう。
 
 鉄製の階段を下りて車道を横断。丸太を彫刻して作られた魚のオブジェがあるところから、車道を離れ、丸木階段を下る。フィールドアスレチックの遊具を見ながら再び車道に下りた。ここが三角点コースの登山口である。荒神山公園を横断して駐車地点に向かうつもりだったが、公園への入口が無く、やむを得ず公園を巻くように反時計回りに歩いて、宇曽川に沿って駐車場に戻った。

 荒神山は超低山ではあるが、コースの組み方によっては1日山歩きが楽しめる。展望地が多く、コースも変化に富んでいる。真夏は暑さにバテるが、四季を通じて登りたい山である。春にはイワカガミの花も楽しめそうだ。
★荒神山・山崎山からの展望

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