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トレースマップはカシミール3Dで作成
*この地図の作成に当たっては、国土地理院長の承認を得て、同院発行の数値地図25000(地図画像)及び数値地図50mメッシュ(標高)を使用しています。(承認番号 平25情使、第146号) 

国見岳・大禿山 (1126m 1083m 揖斐川町) 2016.5.14 晴れ 3人

国見峠(9:01)→鉈ヶ岩屋分岐点(9:24)→アンテナ施設跡地(10:01)→国見岳山頂(10:20-10:29)→大禿山(11:16-12:46)→国見岳山頂(13:16)→アンテナ施設跡地(13:20-13:25)→鉈ヶ岩屋分岐点(13:52)→鉈ヶ岩屋(14:05-14:10)→鉈ヶ岩屋分岐点(14:22)→国見峠(14:40)

★5月14日に揖斐川町の国見岳・大禿山に登ってきました。
★今回は3年ぶりにMIZUさんと3人で、花を求めての山旅。
★国見峠をスタートして、尾根に取り付き、人工林を抜けて天然林へ。
★登山道の脇に次々に現れる花を観察しながら登りました。
★国見岳への急登にかかると、花崗岩地帯から石灰岩地帯に変わり、それに合わせて植生も変化。
★花の写真を撮りながらゆっくり登って国見岳山頂で小休止。
★国見岳から一旦下って、展望のいい稜線を歩き大禿山へ。
★目の前の伊吹山を見ながら団体さんで賑わう山頂で昼食を楽しみました。
★久しぶりにキーノさんに出会い、素晴らしい展望とたくさんの花にも出会い、新緑のすばらしい山旅となりました。


 今回は、3年前に滋賀県の日撫山に一緒に登ったMIZUさんと登ることに。MIZUさんの自宅は、天然林のような庭で、様々な植物が茂っている。5月にお邪魔したとき、八重咲きのドクダミを見せていただいた。毎日のように裏山に登っておられ、高齢を感じさせない。

 一緒に登るのなら、花の多い山がいい。真っ先に思いついたのが伊吹北尾根。昨年の秋に、国見岳スキー場から国見岳を経由して大禿山まで歩いたが、今回は国見峠から植物観察をしながらゆっくりと大禿山まで歩くことにした。

 久しぶりに国見峠に向かう。峠に着いて驚いた。15台ほど止められる峠の駐車場はほぼ満車で、2台ほどの駐車スペースがあるだけ。さすが花の時期、北尾根の人気はすごい。駐車場で靴を履き替えていると、単独男性から登山口を聞かれた。初めての北尾根登山のようだ。

 峠のお地蔵さんとお社に手を合わせて山道に入る。尾根を登って行くとチゴユリがたくさん咲いている。この時期に咲いているとは思わなかった。また、この辺りにはリョウブの大きな木が見られ、岐阜市内の山では見られない幹の太さにMIZUさんも驚かれた。

 写真を撮りながらゆっくり登って行くと、峠から20分ほどで鉈ヶ岩屋分岐点に到着。この先のピークを迂回するように左に岩屋への道が派生していた。帰路、岩屋に寄ることにして直進。ひと登りしたところで、すぐに再び左に道が分岐しており、国見岳スキー場から登ってくる道である。

 人工林に入り、マムシグサやツクバネソウを見ながら登ると、天然林となりハクサンハタザオやネコノメソウが現れる。先ほどまでの花崗岩地帯は、いつの間にか石灰岩地帯に変わっている。急斜面になり、コンロンソウが現れたが、まだ蕾。振り向くと、貝月山の緑が美しい。

 急登が続くが、次々と現れる花に話が弾み、疲れを感じさせない。ロープ場に差し掛かるとハクサンハタザオの群落が足元を飾る。ピンク色の花もあり、写真を撮りながら登る。コンロンソウの花も見られるようになった。左に向きを変えて、なだらかな道を行くと明るい尾根に出た。以前、アンテナ施設があった場所で、昨年の秋にはススキに覆われていたが、この時期、涸れたススキはあるものの草原の状態になっている。遠望はないが、貝月山や鍋倉山がモザイクの山肌を見せてくれた。

 アマナやカントウマムシグサなどを観察して、展望地から平らな樹林帯に入る。ルイヨウボタンやニリンソウ、イチリンソウなど今まで現れなかった花が咲き乱れている。写真を撮りながら歩くとすぐに国見岳山頂に到着。通過点のようで山頂らしくないが、東側の展望が素晴らしく、車で上がってきた春日の谷が、小島山と池田山の間に見える。狭い山頂にはラショウモンカズラやヤマブキの花が見られた。

 山名標示板の前で記念写真を撮って、大禿山を目指す。登山道は尾根を西側に外したり尾根に出たりする。秋にはピンク色の実をつけたマユミの木が目立ったが、この時期、新緑に紛れて、マユミの木は探さないとわからない。フタバアオイの群落があり、目立たないエビ茶色の花が咲いている。

 花を観察しながら歩いていると、後方から登ってみえた2名の登山者とあいさつして、びっくり。久しぶりに出会ったキーノさん夫妻だった。急に思い立って、花を見に伊吹北尾根に来たとのこと。御座峰まで行くというので、少し立ち話をして見送った。

 尾根に出ると、前方に大禿山が近づいてきた。伊吹山の丸い山容が美しい。石灰岩に張り付いたヒメレンゲを見ながら、東側が切れ落ちた稜線を歩いて、大禿山手前のピークを通過。ノミノツヅリのかわいい花を足元に、鞍部まで下って大禿山への登りにかかる。

 一気に登って大禿山山頂に到着。石灰岩が露出した細長い山頂には誰もいなかった。今、通過してきた国見岳が北に大きく見える。南には、次のピークである御座峰が、そしてその先は伊吹山へと続く。

 展望を楽しんでいると、南からキーノさん夫妻が戻ってみえた。御座峰までの登り返しがきついので、途中で引き返したとのこと。5人で写真を撮った。山頂のわずかな木陰で昼食にする。メニューは地獄うどん。昼食の最中に、南から団体の皆さんが到着し、中間地点のここ大禿山で昼食タイム。我々の隣でお弁当を食べてみえた女性に聞くと、伊吹北尾根のツアーで、伊吹山から国見峠までを歩くとのこと。お菓子を交換しながら山談義。

 先に下るキーノさんを見送って、MIZUさんは趣味のスケッチ。大禿山山頂で1時間半、ゆっくりと昼食を楽しんだ。団体さんが出発する前に、下山開始。登ってきた道を引き返した。往路で見つけることができなかった花を見ながら、帰路もゆっくりと下った。

 岩屋の分岐点まで下って、鉈ヶ岩屋に寄ってみることに。ピークを巻くトラバース道を歩いて、国見岳スキー場から登ってくる道に合流。ピークを越えて、その先で道は一直線に下っていくものと思っていたが、いつも登ってくる道ではなく、北側に新しい道が設けられていた。旧道が雨でえぐられたことから、新たな道ができたと思われる。

 分岐点から10分ほど下ると大岩が現れ、旧道に合流するとすぐに岩屋への分岐。灌木を分けると、岩屋が現れた。看板の掲げられた大きな岩屋の中には小さなお社があった。振り向けば、青空の下に新緑のすばらしい景色が広がっている。

 岩屋を後に、下ってきた来た道を引き返して分岐点に戻り、団体の後を追って国見峠へ。クマザサのタケノコであるヒメタケを観察しながら、国見峠へ。団体の皆さんが体操をしてみえる。目的の花にも出会うことができ、伊吹北尾根の花の山旅を終えた。

 後日、MIZUさんからヒメタケが描かれた絵手紙が届いた。「昨日はありがとうございました。天気にも恵まれて爽快な気分を味わい、とても楽しい1日でした。」
★国見岳・大禿山からの展望


★国見岳・大禿山の植物

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