トレースマップはカシミール3Dで作成
*この地図の作成に当たっては、国土地理院長の承認を得て、同院発行の数値地図25000(地図画像)及び数値地図50mメッシュ(標高)を使用しています。(承認番号 平25情使、第146号)
*点線は推定トレース 


守屋山 (1650m 長野県) 2013.8.14 晴れ 2人

杖突峠駐車場(9:08)→立石コース登山口(9:32)→立石(9:42)→岩巡り分岐点(9:47)→鬼ヶ城(9:56)→浅間の滝(10:10)→前嶽一休平(10:31)→杖突峠分岐点(10:44)→守屋山東峰山頂(10:50-11:03)→守屋山西峰山頂(11:22-11:34)→守屋山東峰山頂(11:50-12:50)→守屋山キャンプ場(13:17-13:26)→林道横断(13:41)→杖突峠駐車場(13:55)

★ 8月14日に長野県の守屋山に登って来ました。
★杖突峠の駐車場に車を停めて、立石コースの登山口まで国道を歩きました。
★亀石や陰石を見ながら立石上部へ。
★岩巡りコースに入り、十文字岩、平成のビーナス、夫婦岩、屏風岩、鬼ヶ城を見学。
★尾根コースに戻り、浅間の滝を経由して、ジグザグ道を登りました。
★前岳休処から、ササの五十曲がり「胸突き八丁」を登り切って、杖突峠コースに合流。
★尾根を歩いて東峰山頂へ。さらに一旦下って登り返して西峰山頂へ。
★八ヶ岳や諏訪湖の展望を楽しんで、東峰山頂まで戻り昼食。
★下山は杖突峠コースを下りました。
★美しい天然林や奇岩、そして山頂からの展望など、見どころの多い、変化に富んだ山歩きを楽しんできました。

 守屋山は、長野県の100名山であり、隠れた絶景スポットとして人気が高い。この山は諏訪大社上社本宮の御神体とされており、日本有数のパワースポットとしても知られている。手軽な登山コースが3コースあり、以前から登りたかった山の1つである。

 諏訪湖を後に、国道152号線で杖突峠に向かう。今回の計画は、立石コースを登って杖突峠コースを下る。立石コースは多くの奇岩があり、ネット情報では、このコースがお勧めとのこと。立石コースの登山口は杖突峠を少し南へ下ったところにある。

 杖突峠の広い駐車場を右に見ながら、下っていくと右に「守屋山登山口(立石コース)」の大きな標示板があった。しかし国道沿いに駐車場が見当たらない。標示板のあるところから狭い舗装道路が山の中へ続いていたので、車を進めると急な未舗装道路となり、途中で車を停めて歩いていくと小広場のところに立石コースの登山口があった。ここに駐車してもいいが、周回するので、杖突峠に駐車することとし、峠まで引き返した。
 
 杖突峠の駐車場には数台の車が停まっており、登山者の車と思われた。車の脇にボタンヅルの白い花が咲き乱れている。駐車場の周囲を見回してみたが、登山口の標示は無い。山に続く林道があり、これが登山口だろう。国道に出て、高遠方向に向かって、車で引き返してきた道を下った。道の脇にはフシグロセンノウやオオバギボウシなどの花があり、歩いていても退屈しない。杖突峠と立石コース入口までは1kmほどの距離であり、15分ほどで歩いて到着。

 国道を離れて、林の中の建物を見ながら登っていくと、先ほど確認した小広場に到着。「守屋新道登山口」と書かれた新しい標示板が掛けてある。新道とあるが、道はよく踏まれており、気持ちのいい雑木林をジグザグと登っていく。再び、新しい板が掛けてあり、この登山道は地域のボランティアで整備されていると書かれていた。地元の人達に感謝して、木漏れ日の中を登る。
 
 亀石とかかれた小さなプレートが現れ、大小の岩が並んでいる。小さな岩が亀の頭で大きな岩が亀の甲羅である。さらに右山で歩き、陰石を見て立石を巻く道の分岐点を通過すると、左に大きな岩が現れた。山肌に垂直に立つ円柱形の岩で、まさに立岩。岩の上には小さな松の木が生えているのが不思議である。ここからの展望はよく、南の山間に田園が望めた。

 立石を後に右山でトラバースしていくと、すぐに分岐が現れた。右は尾根コース。直進は岩巡りコース。ここはもちろん岩巡りコースへ。直進すると大きな岩壁が右に現れ、これが「十文字岩」。この岩の左には「平成のビーナス」の標示。???。見上げると大岩に寄りかかるような大木の幹に2つのコブがある。まさにビーナス。なるほどと納得。この名前をよく考え付いたものだと感心。この先で、今度は「夫婦岩」。大小の大岩が並んで、これは分かりやすい。

 右回りにトラバースして、岩をよじ登り、大岩群の左をジグザグと登っていく。大岩の下に空洞がある岩屋は「鬼ヶ城」。花の終わりかけたツリガネニンジンを見ながら登って尾根に出た。ここで尾根道と合流した。すぐ下には、今、巻いてきた大岩の上部があり、上がってみると広い岩からは南側の展望が得られた。

 尾根コースに戻って、ミヤママコナの花を見ながら歩くと、すぐに「浅間の滝」の標示があり、左に道が下っていた。再び尾根コースを外して、滝に向かう。谷に下りると正面に大きな岩壁が立ちはだかり、ここが「浅間の滝」。残念ながら水は落ちていない。小さな石造りのお社があり、周囲にはイケマの白い花が咲いていた。滝を後に、再び尾根道に戻って、急斜面をジグザグと登っていく。

 1時間ほど歩いたので、風のある木陰で小休止。実に緑が美しい空間で、時折吹く風が気持ちいい。地図を見てこの先のルートを確認。この先に休息できそうな前嶽一休平があることが分かった。一息ついで、スタート。5分ほど歩くと、前嶽一休平に到着。小広場に数本の枯れ木がベンチ代わりに置いてある。

 ここから胸突き八丁が始まる。胸突き八丁という坂はいくつかの山にあったような気がするが、どこも超急斜面の坂である。しかし、ここはちょっと様子が違う。ササ尾根の比較的緩やかな道を小刻みなジグザグを50回ほど繰り返す。カラマツの林の中、単調な登りが続く。10分ちょっと歩いて、傾斜が急になった頃、杖突峠からの道に合流した。

 左に向きを変えて、よく踏まれた尾根歩きとなる。下ってきた単独男性と出会った。今日、初めて出会う登山者。杖突峠を往復する人が多いようだ。明るい尾根道の周囲のササが一斉に枯れあがっている。すぐに、前方が明るくなり、ササのピークが現れた。ピークの手前で道が二手に分かれているが、どちらへ行ってもピークに出る。

 登り切ると、岩の上に守屋山山頂の標示板があり、手前に方位盤があった。ここが東峰山頂である。山頂の西側には、鉄の檻に入れられた小さな石造りの守屋神社奥宮がある。山頂からは、360度、遮るものが無く、ぐるりと大パノラマが広がっている。残念ながら、モヤがかかって遠望はないが、それでも八ヶ岳連邦や蓼科山、眼下に諏訪湖や諏訪市、茅野市の街並が広がっている。澄んでいれば、北アルプス、中央アルプス、南アルプスといった山々を見渡せる。西にはこれから向かう西峰の山頂が見える。

 まだ11時なので、昼食は後回しにして西峰に向かう。少し下って草付きの尾根を歩き、「元気になる木」と書かれたケヤキの大木の根元の地蔵様に手を合わせる。緩やかなアップダウンを繰り返しながら歩き、中嶽、カモシカ岩を通過。西峰山頂手前でコンクリートの避難小屋が現れ、中を覗くと、2人の男性が昼食中。狭い内部は小奇麗に整理され、男性から一緒に食事をしないかと誘われた。

 小屋のすぐ先に西峰山頂が見えたので、山頂に向かう。山頂の周りの木々は大きく伐採されており、ここもすばらしい展望地である。「日本展望の山100山」の標示があった。広い山頂にはファミリー登山者などで賑わっていた。山頂をあちらこちら歩いて、写真を撮った。一部、樹木で景色が遮られており、東峰のほうが展望はいいが、諏訪湖はここのほうがよく見える。ここで昼食をとろうと思っていたが、日差しを遮る木陰が無いので、東峰まで戻ることにして、歩いてきた道を引き返した。
 
 15分ほどで東峰に戻り、山頂の西にあるアカマツの木陰の岩の上で昼食にする。メニューはツナチャーハン。足元のママコナのピンク色の花を見ながら、昼食をとっていると、単独女性が登ってみえた。地元の方で、杖突峠からよくこの山に登ってみえるとのこと。立石コースを登ってきたことを伝えると驚かれた。地元の人は杖突峠コースが一般的のようだ。守屋山登山マップを持っておられたので見せてもらうと、杖突峠コースと諏訪大社コースが掲載されているが、立石コースは無い。立石コースは伊那市にあるからだろうか。さらに我々が岐阜から来たことにびっくりされた。そんな遠いところから登りに来る山ではないと思ってみえたようだ。飯田で購入した夏乙女という早生のミニリンゴが大変美味しかった。

 昼食の後、少しモヤが取れた景色を東峰から写真を撮り、登ってきた道を下る。立石コースの分岐点をやり過ごし、杖突峠コースを下った。立石コースと比較すると、こちらの道はよく踏まれて広い。すぐに急傾斜となり、タイヤチェーンの付けられた岩場を通過。チェーンがなくても下れる。ササの中の急斜面の道を慎重に下る。ロープが設置してある場所もある。分岐から5分ほど下ると「がんばれ ここは胸付坂」の標示。小石の多いザレたところもあり、滑りやすい。

 10分ほどで緩やかなカラマツ林の道となり、急緩繰り返しながらの道となる。コエゾゼミがジージーと鳴いている林の中には、オシダの群落も見られた。分岐から20分ほどで、前方に建物が見えてきた。人の姿や焚き火の煙も見える。緑の美しい林間の守屋山キャンプ場である。仮設トイレに寄って登山道を探す。キャンプ場の前まで林道が来ており、車でここまで上がれる。キャンプ場にある案内看板を見ても、かなり大雑把な絵地図で下る道がよく分からないが、おそらく谷に続く木道が登山道と判断して、木道を下る。この辺りはザゼンソウの自生地のようだ。
 
 木道を通過すると登りになり、林道に出た。林道を少し右へ歩いて石垣のあるところから、道は山に入っている。アカマツやカラマツの林を左山で緩やかに登って、水平に歩くと林道を横断。林道に沿った道を歩き、ここでも急緩の下りを繰り返す。単調なカラマツ林をぐんぐん下っていくと国道が見え、林道に出て杖突峠の駐車場に戻った。立石コースよりもかなり長く感じた。また、杖突峠コースの登りのほうが急斜面の直登が多く結構きついのではないかと思われた。

 変化に富んだいい山である。特に、立石コースは見所が多く、お勧めのコース。今度は諏訪大社コースを登ってみたい。帰路、諏訪大社前宮に寄って、無事下山の参拝をした。
★守屋山からの展望

★守屋山の生物

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