トレースマップはカシミール3Dで作成
*この地図の作成に当たっては、国土地理院長の承認を得て、同院発行の数値地図50000(地図画像)及び数値地図50mメッシュ(標高)を使用しています。(承認番号 平23情使、第517号) 

無反山 (889m 白川町) 2012.4.21 晴れ 2人

無反峠(9:18)→無反山山頂(10:21-10:31)→無反峠(11:26)

★4月21日に白川町の無反山に登ってきました。
★無反峠をスタート。
★人工林に入り、いきなりの急登。
★よく踏まれた尾根道を歩き、ピークはトラバースの巻き道を通過。
★天然林と人工林を繰り返しながら稜線を歩いて、林の中の山頂へ。
★展望のない山頂にはひっそりと小さなお社がありました。
★また、東白川小学校全校登山記念の標示板もあり、地元の方々に親しまれた山であることを実感。
★宮山の美しい山容を正面に見ながら、登ってきた道を下りました。
★単調な道でしたが、雲間から差す春の陽を浴びながら、2時間の山旅を楽しんできました。

 東白川小学校が全校登山をする山が東白川村に6山ある。無反山、捨薙山、手掛岩山、寒陽気山、尾城山、新巣山である。東白川村のHPには「気軽に楽しめるルートで、村の小学校では「全校登山」として、毎年子どもたち(1年〜6年)が山登りを楽しんでいます。」とあり、6山の登山マップがPDFで掲載されている。

 今まで、取りこぼしていた6山であるが、今回はその1つである無反山に登ることにした。無反山1つでは往復2時間程度のため、東にある宮山にも登ることとし、白川町に向かって国道41号線を北上。白川口で国道を右折して県道70号線で黒川を目指す。狭い道を対向車に注意して黒川に入り、黒川中学校に向かって県道を左に外れて坂を上がる。

 山側に大きな神社が現れた。神社の前には大きな杉があり、駐車場にはたくさんの車が停まっている。また、駐車場の前にはシダレザクラの並木が満開。このサクラに誘われて神社に寄ってみた。神社は佐久良太神社。大杉は里宮佐久良太神社の杉で、県指定天然記念物である。周囲6m、樹高36m、樹齢約500年で、盗賊が縛り付けられた伝説があるとの解説板があった。神社には人が出入りして、何か祭事があるようだ。男性から慰霊祭があると聞いた。この思い付きの参拝が、後ほど思わぬ複線となる。

 神社を後に、車を進める。狭い道だが舗装道路で問題は無い。黒川中学校への道を右に見て、山の中へ入っていく。どんどん登っていくと、途中で右に佐久良太神社への案内板があり、道が分岐している。さらに登ると道に突き当たった。ここは右に折れる。ひと走りで無反峠に着いた。

 峠は広い三叉路となっており、通行の邪魔にならないように、路肩に車を停めた。道路から北側を見下ろすと広い造成地となっており、残土置き場となっているようだ。近くで行われているトンネル工事の残土であろうか。登山口はすぐに分かる。西側の山に丸木階段があり、「無反山登山口」と書いてある。

 靴を履き替えて、丸木階段に取り付く。人工林の中、よく踏まれたササの道を歩く。交通標識のような青い色の「→」がコースを指している。壊れた小屋の前を通過し、黄色いプラスチック杭の打ち込まれた道を行くと、木の根が浮き出た急斜面の道となった。ペースを掴む前の急登であり、ゆっくりと登っていく。蔓を伸ばし始めたツルリンドウがいくつか見られた。

 急斜面を登りきって、アカマツの枯れ葉が積もるゆるやかな道となったところで、地面にいくつかの白い球状のものがあった。頭を出し始めたギンリョウソウである。この時期にもうギンリョウソウが出始めているのに驚いた。このところの気温の上昇により発生したようだ。
 
 アカマツの多い人工林の尾根を通過し、窪んだ道を歩く。先日の強風で落ちてきた松の枝が散乱している。さらに緩やかな道を歩くと、762mピークを避けて右手に回り込むように道がついている。矢印に従って、北斜面に回り込む。斜面の下には荒削りの林道が見下ろせた。
 
 2分ほどトラバースして再び尾根に出る。天然林となり、日の差す明るいなだらかな道を歩く。今度は南斜面に回り込んで右山となる。黄色いプラスチック杭は動物がかじったらしく、ぼろぼろになっていた。一旦尾根に出るが、再び尾根の南をトラバースしていく。右の尾根の上に登ってみたが、たいした展望は得られない。
 
 すぐに今度は北斜面に回り込む。ここは834mピークの巻き道である。樹間からは北側の山々や東白川村の集落が見える。トラバース道はかなり狭く、斜面は急で、滑落の危険もある。石や倒木に躓かないように足元を良く見ながらゆっくりと歩いた。このトラバース道を抜けるのに5分ほどかかった。ピークは小さく、尾根を歩いてピーク越えをしたほうが安全のような気がした。帰路はピークを越えてみよう。

 明るい二次林の尾根から人工林へ、さらに天然林と人工林の境を歩く。森林作業に使われたと思われる錆びたワイヤーを見ながら単調な尾根を歩く。傾斜が急となり、一気に登りきると、人工林の中に建つ小さなお社が現れた。無反山山頂である。ほぼ1時間で到着。

 山頂は針葉樹の林であり、展望は無い。お社の中には1体の石仏が安置されており、屋根の瓦は苔むしていた。供えられたサカキは新しく、参拝に訪れる人があるようだ。お社に「無反山 海抜888.5m」と書かれた板がぶら下がっており、これを持って記念写真を撮った。
 
 三角点の横には「東白川小学校全校登山記念」とかかれた板が立っており、その周りには子どもたちがマジックインキで日付や名前を書いた丸石がマツの落ち葉に埋もれている。2009年5月2日の文字が読み取れた。この記念板の後ろにも古い木柱があり、さらに以前の記念柱だと思われた。
 
 山頂を一回りして、特に見るものもないので下山開始。登ってきた道を下った。834mピークを巻くトラバース道を避けて、ピークを越える。赤テープがいくつか付けられており、登る人があるようだが、踏み跡は不明瞭。それでも、木々の間をすり抜けて歩くことができる。岩も多い。ピークを越えるのに7分ほどかかった。再び登ってきた道を下り、峠に戻った。下りの所要時間は55分。峠と山頂の標高差は200mほどであり、なだらかな稜線歩きであることから、登りと下りの時間差は僅かである。
 
 無反山はほとんど展望の無い単調な稜線歩きであり、2時間ほどで往復できる。この山だけでは物足りないので、東側の宮山や東白川小学校全校登山の他の山と組み合わせるのがベスト。
 
 峠でパンを食べて、本日の第二段である宮山に向かう。(続きは宮山のページをご覧ください)
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