トレースマップはカシミール3Dで作成
*この地図の作成に当たっては、国土地理院長の承認を得て、同院発行の数値地図50000(地図画像)及び数値地図50mメッシュ(標高)を使用しています。(承認番号 平21業使、第478号)

南宮山 [展望台まで] (419m 垂井町) 2010.1.9 雨・曇り・雪 2人

南宮大社(9:35)→登山口(9:41)→展望台40分の標示(10:05)→展望台20分の標示(10:20)→御神木(10:23)→高山神社・子安神社(10:26-10:29)→展望台(10:51-11:16)→急斜面で引き返す(11:32)→展望台(11:48-13:49)→南宮大社(14:41)

 今年の初登りは、初詣を兼ねて南宮山に登ることにした。南宮山は山歩きを始めた頃の12年前に登っている。当時は展望台が山頂だと思っていたが、南宮山山頂は展望台からさらに西へ歩いたところにある。いつか山頂を踏まなければと思いながら、既に12年が過ぎた。今回は山頂に立つはずだった、が・・・。

 正月の大雪で積雪量を気にしながら国道21号を西進。垂井町に入り南宮大社が近づいてきた。田園にほとんど雪がない。正面に見える南宮山も雪の白さが目立たない。雪はさほど深くないと思った。この時、この後にまさか雪に苦戦するとは思いもしなかった。

 登山口となる南宮大社は初詣の人で混雑していると予想したが、意外に駐車場は空いていた。駐車場に着くと、想定外の小雨が降り始めた。冬型ではあるが天気予報は曇り時々晴れ。まさか雨が降るとは・・・。時雨であり、様子を見ることにして、ジャケットを羽織って南宮大社の参拝に向う。神社の本殿は工事中のようで白いシートに囲まれて、建物の全体が見られなかった。誰もいない本殿でお賽銭を投げて参拝。願いが通じたのか、雨は小降りになった。
 
 登山口に続く神社左の道に回ってみると、南宮山に向う登山者に出会った。我々も登ることに決め、車まで戻って靴を履き替え、ザックにワカンを括り付けた。神社正面から左に歩き、車両進入禁止の標識を見ながら橋を渡って未舗装道路を歩く。二つ目の赤い鳥居から左へ道が分岐しており、「南宮山ハイキングコース」の標示がある。雪に覆われた橋を渡るとすぐに池の間を通過。小雨が降っているが、日が差し始めた。南宮山展望台まで1時間の標示を見て樹林帯に入る。
 
 路面に雪はなく、丸木階段を登る。倒れ掛かった潅木を避けながら登っていくと、次第に雪が増え、右山の緩やかな登りになる。すぐに一面の雪の道となった。トレースがあるのでツボ足でも問題ない。ヒノキの人工林で潅木の倒木が多い。正月に降った雪の量の多さが推測できる。ベンチを通過して人工林をジグザグと登っていく。雪が深くなった。左手に濃尾平野を見ながら歩くと、展望台まで40分のプレートを通過。ツブラジイと思われる大木が見られ、雪で折れて落ちてきた枝が道を塞ぐ。広葉常緑樹が多い山だ。

 分岐点を通過。ここから登山口まで別のコースがあり、前回はそれぞれのコースを歩いたが、今日はもう1つのコースにトレースはない。帰路も同じ道を下ることにして、さらに登る。展望のない単調な登りが続く。小鳥がさえずりながら頭上を渡っていく。展望台まで20分のプレートを見てすぐに注連縄の巻かれたスギの大木に出会う。御神木であろうか。大木の幹から常緑樹が生えているのが面白い。

 ここから緩やかに登ってすぐに右手に神社が現れた。案内板には高山神社・子安神社と書いてあり、その解説もある。高山神社は美濃の水源を司る女神であり、椿姫宮とも言われる。確かにこの山には椿が多いが、それに関係あるだろうか。また、子安神社も稲や子を育てる水の神様である。ここでもお賽銭を入れて、拍手を打った。
 
 雪に足を取られながら登山道に戻り、尾根を緩やかに登っていく。真横から強い西風が吹きつけ、粉雪が猛烈な勢いで尾根を越えていく。粉雪は太陽に照らされてキラキラとダイヤモンドダストのように輝いている。周囲の木々の幹の西側に雪が張り付いて、この付近の風が強いことが分かる。左手の樹間から下界が望めた。緩やかに下って登り返す。正面に太陽が眩しい。二名の下山者とすれ違う。右に見える山が南宮山のようだ。

 左山でピークを巻き、右方向に向きを変える。単独男性とすれ違い、アカマツの多い天然林を歩くと、雪をかぶった東屋の前に着いた。展望台である。誰もいない展望台は真っ白な雪に覆われ、2つの東屋がある。1つにはテーブルとベンチ、もう1つにはカバーの掛けられた双眼鏡と思われる器具があった。東屋の横には毛利秀元陣所跡の石碑もある。南側にあるマップの描かれた案内板に近づこうとしたが、ツボ足では膝まで沈む。ウサギの足跡が広場を横断している。

 展望台というだけあって、南から東まですばらしい眺望が得られる。南に養老山、東には濃尾平野の向こうに白い恵那山が望めた。マップに御嶽山が描いてあったが、南に移動しても御嶽山は望めなかった。眼下にドミノのように東海環状自動車道の橋脚が並んでいるのが面白い。展望を楽しんだら、南宮山を目指す。

 南宮山へは広場の西側から南西に尾根を標高差50m程下り、ピークを越えて登り返したところにある。西の樹林帯に入ると、トレースがない。そして、雪が深い。ここでワカンを履く。GPSでルートを確認すると、出発してからここまで全く電波を捕捉していない。故障か。地図を頼りに尾根の方向を定めて下るが、潅木の広葉常緑樹が倒れこんでおり、右手の人工林の中を迂回。尾根に戻ると、急斜面となる。

 黄色いテープが点々と木に結ばれており、これを追う。深い雪に、ワカンでも30〜40cmほど沈む。ストックが深く埋まり、無理に引き抜いたら先端の輪が取れてしまった。持ってきたスコップで雪を掘って取り出した。雪の深さは60cmほどあった。

 前方には南宮山が見える。倒木を回避しながら、深い雪に苦戦して下る。再びここを登り返すことを思うと下る気にならない。先ほどまであった頭上の青空はいつしか黒い雲に変わり、冷たい風が吹く。天気も思わしくない。斜面をいくらか下ったところで撤退を決めて、トレースを登り返した。

 展望台に戻ると、単独男性がみえた。こんな状態でも登ってくる人はある。風の来ない南尾根の斜面にスコップでベンチを作ってランチにする。正午を告げるチャイムが下界から聞こえてきた。今日のメニューはおでんとキムチ鍋、キムチ雑炊。鍋が沸くころ、雪が降り始めた。たまには雪の降る中でのランチも楽しい。鍋から上がる白い湯気が風で舞い上がる。目の前の養老山が雲の中に消えていくが、濃尾平野は陽が当たっている。
 
 雑炊の後、コーヒーを沸かす。ところが、パーコレーターの湯がなかなか沸騰しない。ガソリンストーブの火力が弱く、ニードルの穴が詰まったようだ。それでも、何とか湯が沸き、雪の降る中で温かいコーヒーを楽しんだ。至福の時、冬の山は楽しい。単独男性と入れ替わりに、ご夫妻と思われる二名が到着。少しだけ山談義。男性は昔のアイゼンを履いてみえた。
 
 ワカンを外して、6本アイゼンに交換して下ることにした。昨年購入して、まだ一度も使用していなかったので、付け方の練習も兼ねて使ってみた。GPSを確認すると正常に電波を捕捉していた。故障ではなかったようだ。二名の後を追って下山開始。アイゼンがよく効く。山頂から少し下ったところで、前方から短パン・ランニングシャツの男性が走ってきた。靴はスニーカーでずぶ濡れ状態。これには驚いた。実にハードなトレーニングである。登山口手前で、下ってきたこの男性に追い抜かれた。一気に南宮大社まで下り、駐車場まで戻った。いつしか雪は止んでいた。
 
 今回も南宮山山頂を踏むことはできなかったが、久しぶりに雪の山を歩くことができ、充実した山行となった。またいつか山頂を踏みに来よう。まだ雪雲が流れる南宮山を後にした。
★南宮山展望台からの展望
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