トレースマップはカシミール3Dで作成
*この地図の作成に当たっては、国土地理院長の承認を得て、同院発行の数値地図25000(地図画像)及び数値地図50mメッシュ(標高)を使用しています。(承認番号 平25情使、第146号) 

乗鞍岳 (3026m 高山市) 2018.8.5 2人 晴れ

畳平バスターミナル(8:48)→肩の小屋(9:19-9:30)→頂上小屋・剣ヶ峰山頂(10:17-12:00)→肩の小屋(12:43-12:48)→富士見岳山頂(13:11-13:21)→大黒岳山頂(13:47-13:59)→畳平バスターミナル(14:19)→魔王岳山頂(14:35-14:52)→畳平バスターミナル(15:02)

★8月5日に乗鞍岳に13年ぶりに行ってきました。
★早朝に自宅を発って朴の木平のバス停でシャトルバスに乗り畳平へ。
★まずは剣ヶ峰へ。お花畑コースが通行止めのため鶴ヶ池の縁を通り、富士見岳の裾を回り込み、肩の小屋に着くと、たくさんの登山者で大混雑。登山者の列が山頂まで続いていました。
★登山者の列に交じって、またまた大混雑の剣ヶ峰山頂を踏みました。
★頂上小屋の裏で昼食をとって引き返し、富士見岳山頂へ。
★さらにその北にある大黒山へ。登山者は少なく、強風の中で穂高や笠の展望を楽しみました。
★バスターミナルに戻ってまだ時間があったことから、魔王岳山頂へ。
★素晴らしい展望とコマクサやイワギキョウなど多くの花を見ながら、下界の暑さを忘れるような涼しい日帰り夏山を楽しんできました。


 今年の夏は異常に暑い。8月中旬に町内で開催する盆踊り大会の準備に追われて、毎年、夏山適期であるこの時期に山に行けないのが常となっているが、さすがにこの暑さを逃れるためには3000mクラスの山頂に立つしかない。

 数少ない日帰り3000mクラスの山の中から乗鞍岳を選んだ。13年ぶりになる。昔なら梅雨明けの7月中旬から8月上旬は天気が最も安定していたが、近年は不安定で雷雨も多い。この休みも不安定ではあるが天気はよさそうだ。

 5時過ぎに自宅を出て高山市街から丹生川に入り朴の木平バス乗り場に向かう。朴の木平の広い駐車場は多くの車で埋まり、バス乗り場には大勢の人が並んでいる。チケットを購入して列に並ぶ。登山者や観光客に交じってスキーや自転車を持ち込む人もいる。

 バスの発車時刻は天候によって変わるが、晴天の場合は30分おきにバスが出る。1台に乗り切れない場合は2台目が用意される。補助席まで埋まる満員のバスに乗って出発。畳平までは45分ほどかかる。

 スカイラインを走るバスが高度を上げるにつれて、槍や穂高、笠などが見えてくる。自転車で畳平を目指す人もいる。録音テープの案内ガイドを聞きながら畳平に到着。トイレに寄ってまずは剣ヶ峰に向かう。

 お花畑を横断する不消ヶ道に入ろうとしたところ、山頂方面通行止めの標示があった。やむを得ず、鶴ヶ池を回り込んで折り返し、林道を歩く。鶴ヶ池の南側の道沿いにはコマクサやイワギキョウ、ウメバチソウ、イワツメクサ、トウヤクリンドウなどたくさんの高山植物が見られた。

 折り返して右にバスターミナルと鶴ヶ池を見ながら広い道を歩くと、正面には摩利支天岳が青空に映える。宇宙線研究観測所の建物も見え始めた。富士見岳の登山口からは長野県方面の展望が得られるが、雲と霞で遠くの山はよく見えない。

 摩利支天岳の東端に差しかかると前方が開け、目的の剣ヶ峰が勇壮な姿を現す。左へなだらかに切れ落ちる稜線が美しい。大きな残雪でスキーを楽しむ人々やスカイラインを走るバスが小さく見える。そして赤い屋根の肩の小屋が見えてきた。

 ミヤマコウゾリナやウサギギクの黄色い花の写真を撮って肩の小屋に到着。肩の小屋の裏に出ると、大勢の登山者が休息中。山頂に続く道には人の列。パンを食べて、公衆トイレに寄り、登山者の列に交じる。

 正面に見える丸い山が朝日岳、その左に剣ヶ峰が聳える。道は朝日岳を迂回するように左方向に直進して稜線に出る。稜線までの標高差は約200m。石の散らばる広い道を登って行く。

 道の周囲はハイマツで展望は素晴らしい。後方には赤い屋根の肩の小屋や歩いてきた林道、スカイラインが見下ろせる。下界の暑さはなく、半袖では寒い。2箇所ほど折り返して稜線に出た。

 岐阜県側が見渡せるようになり、残雪のある屏風岳と権現池が美しい。ノンストップで剣ヶ峰を目指し、まずは手前の蚕玉岳の小さなピークへ。白い土を踏んでなだらかなピークトップに立つと剣ヶ峰は目の前。少し下って鞍部から剣ヶ峰の登りにかかる。

 イワギキョウの花を見ながら登って行くと左右に分岐があり、頂上小屋のある左に進む。頂上小屋の玄関付近は狭く、大勢の登山者でごった返している。小屋の前からは穂高方面の展望地ではあるが、雲と霞で穂高は見えない。

 頂上小屋から左山で登って行くとすぐに石が積み重なった山頂に到着。小さなお社に参拝して、乗鞍本宮の建物を回り込むと鳥居前は大勢の人だかり。山名標示板の前で記念写真を撮る順番待ちの人でいっぱいだった。本宮に参拝して、人ごみを避け、大日岳をバックにセルフタイマーを切った。

 11時前ではあるが昼食にする。剣ヶ峰山頂は狭く、昼食は無理なので、頂上小屋裏手のベンチへ移動して昼食にする。ベンチ付近では大勢の人がお弁当を食べてみえたが。角材を横たえただけのベンチの端が空いていたのでここでザックを降ろした。

 メニューは缶詰と焼きうどん。鍋で調理するのは我々だけで、「美味しそう」と声を掛けられた。いつものようにコーヒーをパーコレーターで淹れてゆっくりとランチを楽しむ。これからの目的地は富士見岳と大黒岳。登ってきた道を引き返す。

 朝日岳を下る道では、登ってくる登山者が多く渋滞がおきるほど。肩の小屋で公衆トイレに寄って林道を歩いて富士見岳の登山口へ。登山口から山頂までの標高差はわずか50mほど。

 なだらかな道を登って行くと山頂まで10分かからなかった。山頂には石で大きな山が築かれ、ここも登山者で賑わっている。山頂からは360度の展望が得られ、今登ってきた剣ヶ峰や畳平のバスターミナルが見える。北にはこれから向かう大黒岳が馬の背のような山容を見せる。

 富士見岳山頂から北に下って、鶴ヶ池の東からゲートを通過して大黒岳の登山口へ。登山口には大きな案内板があり、山頂まで20分の表示。クマの目撃情報が記入してあり、毎日1頭ほどが目撃されているようだ。以前、畳平でクマによる事故が発生しており、この山にはクマを追い払うための鐘がいくつか設置してある。

 ここまで来ると登山者は少なく、鐘を鳴らしながら登る。大黒山は馬の背のような形をしていることから、登山口から10分ほど登るとなだらかな稜線に出る。ここから丘陵地を歩くと前方に小屋が見え始め、その向こうには烏帽子岳や四ツ岳が立ち上がってきた。

 小屋はコンクリート造りのシェルターのような頑丈な建物で、その先に山名標示柱と方位版がある。正面に穂高が見えるところだが、雲で遮られて焼岳と前穂、そして霞んだ槍が見える程度。風が強く涼しい。

 山頂から道はさらに北に続いており、スカイラインに合流していると思われた。山頂で写真を撮って引き返す。望遠レンズを構えたカメラマンがイワヒバリを追ってみえた。コマクサの群落でさえずるイワヒバリに見送られて大黒山を後に畳平に戻った。

 まだ時間に余裕があることから魔王岳にも登ることにした。公衆トイレの近くに魔王岳の登山口がある。山頂まで15分の標示。ここでもコマクサの群落を見ながら階段を登って行く。バスターミナルに登山口があり階段で登れることから観光客が多い。階段を登り切って、観光客に交じって山頂へ。

 山頂からさらに北へ道が続いていたので端まで行ってみる。ここからの展望も素晴らしく、東には今登って来た大黒山山頂の建物や長野県側から上がってくるシャトルバスが望めた。

 観光客の方と少し話をして、登って来た道を引き返してバスターミナルに戻った。バス発車の15分ほど前に列に並び、4時過ぎに朴の木平に到着。車にザックを置いて、ジョイフル朴の木の温泉で汗を流した。

 日帰りで3000mを楽しむことができたプチ夏山登山となりました。
★乗鞍岳からの展望


★乗鞍岳の花

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