カシミール3Dで作成
実際のトレースではなく推定トレースです
面平山 (528m 美濃市) 2005.10.10 曇り 2人

神明神社(11:43)→天理教横登山口(11:47)→観音堂(12:24-12:27)→鳥居(12:37)→面平山山頂(12:39-13:40)→観音堂(13:50)→天理教横登山口(14:20)→神明神社(14:23)

 晴れの特異日と言われるこの3連休は市民運動会などがあり、また天気も今一つであることから、ロングコースの山はあきらめ、空模様を見ながら近くの低山に登ることにした。2・3の候補地を選んだが、昨年、ヤブをこいで柳島山に登ったとき、板取川を挟んで北に見えた美しい山容の面平山(おもてびらやま)に登ることにした。

 午前中の用事を済ませて、いつもよりかなり遅めの出発。よっせーさんのレポートを参考に美濃市の面平の集落を目指す。寺尾の千本桜の駐車場のトイレに寄って、北上。板取川に沿って東進して、青い上牧橋を渡る。渡ったら、左折して右岸堤防を下る。ここから正面に左へ長い稜線を見せる山が面平山である。

 右手、山の中腹に岩の崖が見える山が大きく迫った辺りが面平の集落。面平のバス停から左折すると左手前方に神社の鳥居が見える。この神明神社には数台駐車可能なスペースがあり、ここをお借りした。登山口はここから北東300mほど先の山沿いにあるお寺風の大きな瓦葺きの天理教の建物の東側にある。

 この建物の前を通り過ぎると、民家の間にある細い道があった。車が駐車してあり、隣の家への通路のようにもみえる。先を見ると山に道が続いているようだったのでここを登る。天理教に2匹の犬が繋がれており、我々に驚いて激しく吠え立てられた。コンクリートの階段を登り満開のコスモスを分けると草に覆われた道が人工林の中に続いている。山からパイプで引かれた水が音を立ててコンクリートの升に流れ込んでいる。左の草の中に赤いよど掛けをした石仏がひっそりと佇んでいた。

 すぐに右側の谷に農機具用のアルミの渡し板が2本かけられており、これを渡る。橋を渡ったところの石仏の横には「右観音堂」と書かれた石柱がある。紅白のミズヒキが美しい。フユイチゴやシダの繁る暗い人工林の中、ヤブランの実を見ながら歩くとすぐに2対の石仏と小さな祠の中に祭られた仏像がある。何本かの杖が置かれていた。この山に登る地元の人が多いと思われた。

 スギやヒノキの人工林をジグザグと登っていく。足元にはホウの葉やクリのイガ、小さなカキの実などが落ちている、見上げれば、所々に落葉樹が育ち、ヒノキに負けないように背を伸ばし、高い位置で枝を広げている。カキは動物に食べられているものが多く見られた。イノシシが掘り返したような跡も多い。

 次々に石仏が現れるので、数えながら歩いた。歩き始めて15分ほどで、5つ目の石仏を数える頃、コナラやカシの天然林の尾根歩きとなる。掘り割れたような道もあり古くから多く人が登ったことが伺える。麓の集落から正午を告げる音楽が聞こえてきた。岩壁を左に登ると明るい場所に出て7つ目の仏様を見る。後方に柳島山が大きく望めた。その左には天王山が望める。

 ヒノキの幼木がちらほら現れ、10個目の石仏が現れる頃には、再びヒノキ林の中に入る。この辺りのヒノキはあまり大きくない。人工林と天然林の境をジグザグと歩く。まだ紅葉には早いが虫の音が秋を知らせる。展望は殆どないが、時折、樹間から板取川と先ほど渡ってきた青い上牧橋が見下ろせた。

 先ほどまで青空だったが、いつの間にか頭上は雲に覆われていた。明るい尾根を曲がって14個目の石仏を数える。後方には柳島山の左に権現山、右に汾陽寺山が見えてきた。もちろん天王山や誕生山もよく見える。かなり高度をかせいだ。登山道にはスミレの葉がたくさん見られたが、この辺りで一輪だけ花を見ることができた。

 大きなヒノキが現れ、足元に石段を見て折り返すと15個目の石仏。ツルアリドウシの赤い実がきれいだ。この仏像から真っ直ぐに石の階段が伸びている。その先には観音堂の屋根が小さく見えた。4つほどの石が並べられた階段を数えながらゆっくり登る。131段を数え、最後の石仏が出迎えてくれた。観音堂到着。

 大きな観音堂の扉は閉じられていた。右には庫裏があり渡り廊下で繋がっていた。そこには鐘つき場があり、鐘が吊り下げられている。それにしてもこんなに大きな建物があるのには驚いた。登山道の石仏からも分かるように古くから登られた信仰の山であったに違いない。この山の近くにある権現山や松鞍山などにはこのような立派な建物がある。山の神など信仰にまつわる農村の伝統・文化の1つであろう。庫裏の南側に青いペンキが塗られた小屋があったので覗いてみるとただ床に穴が空いただけのトイレであった。

 山頂まで後わずか。観音堂から左にある道を登る。すぐに小さな社と石垣で組まれた小さな池があった。水の溜まった池にはまだ新しいヒノキの葉が敷き詰められていた。ここから下方に行く道と直進の道の2手に分かれていた。直進する。道は狭くヤブっぽくなってきた。人が入るのも観音堂までのようだ。

 潅木の中、足元の道を確認しながらヤブをこぐ。ヤブをすぐに抜けて明瞭な道をひと登りして小さな鳥居を潜る。高さが2mほどの鳥居の先には小さなお社があった。ササクサに覆われてズボンやクツに種がついた。潅木の繁った平坦な道を100mほど歩いて山頂に着いた。

 山頂は樹木に覆われて展望は無い。潅木に巻かれたピンク色のリボンと、よく見かける茶色い手彫りの小さなプレートが付けられていた。裏側には04.3.20の日付が記されてあった。道は北と西に伸びている。曇っていた空から日が差し始めた。山頂すぐ南の日溜りにシートを敷いてランチにする。

 展望も無くただの山の中であるが、自然の緑の中で食べる食事はうまい。卵入りフカヒレ雑炊とおでん+コーヒーのメニュー。ヤブカではないがカのような虫が寄ってきたので、蚊取り線香をつけた。効果は抜群。コーヒーを楽しんでいると、靴にヒルが! と思ってよく見るとシャクトリムシだった。誰も登ってこない山頂で1時間ほどのんびりとランチを楽しんだ。

 昼食後、西へ続く踏み跡を追って少し下ってみた。この尾根に沿って下れば神社辺りに下りれるようだが、テープもなく下草のない人工林で迷いやすく、また先ほどのヤブの状況からして、この時期にはかなりヤブをこがなければならないと思い、帰路は今来た道を引き返すことにした。北へもかすかな踏み跡があったがリボンは見当たらなかった。

 山頂を後に観音堂へ。観音堂前の地蔵さんのよど掛けが落ちていたので結びつけた。岩の壁を下る頃、雨が降り始めたがすぐに止んだ。再び犬に吠えられて天理教の前へ。車まで戻って靴を履き替え神明神社でお賽銭を投げた。境内横には大きなイチョウの木があり、たくさんの銀杏が落ちていた。今にこのイチョウの大木は金色に染まるであろう。

 展望も無いただの山ではあるが、古くから麓の集落と深く結びついた歴史を感じる里山である。里山とはこういう山を言うのであろう。石仏を数えながらのミニ山旅、たまにはこんな山歩きも楽しい。
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