トレースマップはカシミール3Dで作成
*この地図の作成に当たっては、国土地理院長の承認を得て、同院発行の数値地図25000(地図画像)及び数値地図50mメッシュ(標高)を使用しています。(承認番号 平25情使、第146号) 

三ノ沢岳 (2846m 長野県駒ヶ根市) 2019.8.10 晴れ 2人

菅の台駐車場バス発(6:20)→しらび平ロープウェイ発(7:12)→千畳敷駅(7:21-7:35)→極楽平(8:11)→三ノ沢岳分岐点(8:25)→遭難碑(10:31)→三ノ沢岳山頂(11:04-11:56)→遭難碑(12:13)→三ノ沢岳分岐点(14:08)→極楽平(14:21)→千畳敷駅(14:56-15:03)→しらび平バス発(15:15)→菅の台駐車場(15:58)

★8月10日に長野県中央アルプスの三ノ沢岳に登ってきました。
★菅の台バスセンターからバス、しらび平駅からロープウェイに乗って千畳敷へ。
★千畳敷から左の登山道に入り、稜線の極楽平で南アルプスの展望を楽しみました。
★極楽平を後に宝剣岳方向に歩いて、分岐から緑のピラミッド「三ノ沢岳」に向かって下りました。
★ハイマツを分け、いくつかのピークを越えて、最低鞍部からバテ気味に登り返して三ノ沢岳山頂へ。
★山頂で360度の大パノラマを楽しみながら昼食。
★帰路は歩いてきた道を戻り、気力で登り返して千畳敷に戻りました。
★高山植物の花期は終盤にさしかかっていましたが、それでもたくさんの花を見ることができました。
★展望と花に大満足の夏山を楽しんできました。


 三ノ沢岳は今から37年前と13年前に登った思い出の山である。中央アルプスの主稜線から外れた緑のピラミダルな単独峰にもう一度登ってみたいと思った。お盆前の連休、不安定な気圧配置ではあるが、何とか天気は良さそうだ。

 早朝、駒ヶ根ICを出て北上し、すぐに菅の台バスセンターのある駐車場に到着。駐車料金は1日800円。既に駐車場は8割ほど埋っている。6時前であるが、バスを待つ人の列ができている。登山者以外の観光客が多く見られた。

 靴を履き替えて、1人はバスの列に並び、もう1人は駐車場入口でバスとロープウェイがセットになった往復チケットを購入。1人4310円。バスを待つ列は駐車場の真ん中近くまであったが、バスはフル回転で動いており、30分弱で乗車できた。

 約30分バスに乗ってロープウェイ乗り場のしらび平に到着。ロープウェイも9分間隔でフル回転しており、待つこともなくロープウェイに乗り込む。録音テープの解説を聞きながら、標高2600mの千畳敷駅に到着。用意してきた登山届けを出そうとしたところ、登山届箱がいっぱいで入らない。折り曲げて強引に押し込んだ。登山者の多いことが分かる。

 外に出ると、緑のカールの上に聳える宝剣岳が我々を迎えてくれた。久しぶりの対面。南側の展望地に立つと、燦然と輝く太陽の下に南アルプスの山々が一直線に並んでいる。富士山が中央付近に頭を出しており感動。

 展望を楽しんだら、駒ケ岳神社に安全祈願して左方向の登山道に入り、極楽平を目指す。アキノキリンソウやクロトウヒレン、アキカラマツなどの花を見ながら涸れた谷を渡って時計回りで稜線を目指す。右眼下に見える千畳敷駅がどんどん小さくなっていく。後方の南アルプスが青空を背景に美しい。

 トモエシオガマやエゾシオガマ、ウサギギクなどの花を楽しみながら青空に向かって丸木の遊歩道を登り切って稜線へ。極楽平に到着。目的の三沢岳が美しい山容を見せる。緑色のロープに沿って宝剣岳方向に向かう。チシマギキョウやタカネツメクサ、そしていつもここで見ることのできるヒメウスユキソウが足下を飾る。

 極楽平からなだらかに10分ほど歩いて三沢岳と宝剣岳への分岐へ。前方には宝剣岳の岩山が聳える。遠くに見える三ノ沢岳に向かって、分岐点からなだらかに下っていく。左には檜尾岳、熊沢岳へと続く稜線が大小のピークを繰り返しながら、空木岳、南駒ケ岳に続いている。

 前方にある岩のピークを目指しハイマツの道を下り、岩のピークの左を迂回。迂回するところに大岩がありその上を横断して岩場を通過。正面に美しい三ノ沢岳を見ながらハイマツ帯を下る。三ノ沢岳山頂の左側には雲海から頭を出す恵那山が望めた。右には下方に町が見下ろせ、その向こうには雲を従えた御嶽山が見える。岩のピークを巻くと急斜面の下り。この長い下りを帰路登り返すと思うと気が重い。

 長い坂を下り終えて次の小ピークを登り返す。咲き遅れたキバナシャクナゲやゴゼンタチバナの花を見ながら、次々と小ピークを越えていく。先にはまだピークが見える。三ノ沢岳から下山してくる人に挨拶をしながら鞍部から登り返す。ハイマツが道をふさいでいるところもあり歩きにくい。ピークに立って360度の展望を楽しむ。飛行機雲の下に、駒ヶ岳から続く稜線が素晴らしい。

 最低鞍部からいよいよ山頂に向かって登りにかかる。ハイマツの中、段差の大きい岩を登って、四角い岩のある左を抜ける。岩陰にゴゼンタチバナが満開で群落を作っていた。ロープにつかまって岩場をよじ登り展望地へ。振り向けば、宝剣岳が小さく見え、かなり歩いてきた。

 岩場の登りでかなりバテ気味。パンを食べて休憩。前方には三ノ沢岳山頂が桃のような形に見える。最後の登りと一歩一歩足を踏み出す。青い空に白い飛行機雲が流れる。休憩していると後方から3人のパーティに追いつかれた。高齢の男性と若い女性2人で、聞けばお父さんと娘さんと娘さんの友達とのこと。

 休憩の後、大岩がいくつも転がる斜面を登り始めたところで、RAKU-Nが足を岩にぶつけて痛みが取れるまで遭難碑のところで再び休憩。山頂まであと少し。ゆっくり登る。真っ直ぐに斜面を登り切って山頂手前から左にトラバース。この辺りはお花畑になるがこの時期花は少なく、イブキトラノオやウサギギクが主体。かろうじてハクサンイチゲやハクサンフウロの花が見られた。

 トラバースが終わると三角点と山名表示板が現れた。三沢岳山頂に到着。ハプニングもありコースタイムをかなりオーバーした。登山者は数人で先ほど追い抜かれた3人の方は岩の上で昼食中。山頂で写真を撮って展望を楽しんだら、ランチにする。

 木曽駒ヶ岳が見える平らなところでスパゲティを作る。思ったより雲の湧き上がりがなく、素晴らしい景色に埋もれて食事を終えた。我々の後に登ってくる人は誰もなかった。今回も下りのロープウェイの待ち時間が長いと思われたので、コーヒータイムは千畳敷で楽しむこととし、山頂を後にした。3人パーティの後を追ってトラバース道を抜けて斜面を下る。歩いてきた稜線が蛇行して宝剣岳方向に続いている。

 ガスがかかることもなく、素晴らしい展望を見ながら下った。鞍部からの登りにかかると、さすがに帰路の登りはきつい。途中で男女2名のパーティを追い抜いたが、前方を行く3人パーティにどんどん離されていく。1つ1つピークを越えていく。宝剣岳への分岐点に向かう最後の斜面は気力で登り切った。

 極楽平に向かう稜線にガスが流れ始め、千畳敷の建物が見え隠れする。極楽平から千畳敷を見下ろしながら下った。このシーズンのロープウェイは超満員で1時間以上の待ち時間があると思われたが、近づくにつれてロープウェイ乗り場の前の人が少ないことに気づいた。千畳敷に無事下山。

 神社に無事下山したことを報告してロープウェイの整理券を求めたところ、整理券はなく、9分待てば乗車できると言われた。これには驚いた。不安定な天気で雷雨が予想されたことから、意外にも観光客は少なかったようだ。ロープウェイ、バスと順調に乗り継いで駐車場に戻った。

 三ノ沢岳は何度登ってもいい山だ。主稜線から標高差200mほどを下って登り返し、帰路も登り返しがあることから意外に時間がかかる。ロープウェイの混雑や最終運転時間を考慮して、時間に余裕をもって計画されたい。
★三ノ沢岳からの展望


★三ノ沢岳の花


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