トレースマップはカシミール3Dで作成
*この地図の作成に当たっては、国土地理院長の承認を得て、同院発行の数値地図25000(地図画像)及び数値地図50mメッシュ(標高)を使用しています。(承認番号 平25情使、第146号) 

笹又1068mP (1068m 揖斐川町) 2021.11.14 晴れ 2人

さざれ石公園駐車場(8:46)→東屋(9:04)→駐車場(9:40)→農地上部・ルートファインディング(9:55-10:04)→フェンス扉@(10:04)→稜線・ドライブウェイ直下(11:10-11:33)→1068mピーク頂上(11:40-11:46)→稜線(11:50-13:00)→フェンス扉A(13:47)→ルートファインディング→東屋(14:29)→さざれ石公園(14:41)→さざれ石公園駐車場(14:47)

★11月14日に揖斐川町笹又から静馬ヶ原を目指しましたが、ドライブウェイ直下のトラバース道が通行禁止になっていたことから稜線東にある1068mピークに登ってきました。
★さざれ石公園に駐車してスタート。
★舗装道路を縫うように畑地の間を登りましたが途中から鳥獣害防止フェンスに遮られて難航。
★畑地最上部から山道に入る登山口を見つけるのに再び苦戦。
★右往左往しながら登山口を見つけて荒れた石灰岩の斜面を登りました。
★紅葉の美しい樹林帯をジグザグとトラバースしながら高度を稼ぎ、すっかり葉を落とした谷の源流を登り切って稜線へ。
★静馬ヶ原へのルートがロープで閉鎖されていたことから、東側の1068mピークに登頂。
★御嶽山や白山の展望を楽しんで稜線で昼食。
★帰路も畑地の中をルートファインディングしながらさざれ石公園に戻りました。
★ハプニングの連続でしたが、美しい紅葉と素晴らしい展望を楽しむ山旅となりました。

 揖斐の山は紅葉最盛期。紅葉の山を歩きたいと思い、ずいぶん昔に歩いたさざれ石公園から伊吹北尾根の入り口である静馬ヶ原までをピストンすることにした。さざれ石公園は揖斐川町春日の笹又にある。

 旧春日村中心部から県道257号線を垂井町に向かって南下。紅葉を楽しみながら川沿いの道をさざれ石公園まで快適に走る。伊吹北尾根を目指す登山者はさざれ石公園から農道を上がって農地の中にある上部の駐車場に車を停めるが、今回はさざれ石公園から歩くことにした。30分ほどで難なく上部の駐車場まで歩けると考えていたのだが・・・。

 さざれ石公園のトイレがある駐車場に車を停めて靴を履き替えた。通常は、遊歩道をさざれ石まで歩いて登山口に入るが、トイレの右にある山道からでも登山道に合流することからこの道に入る。

 人工林の中の踏み跡をたどる。道が拾いにくいところもあったがジグザグ登ってさざれ石からの道に合流。この先で獣害防止フェンスを開けて農地の脇の草付きの道を歩く。竹藪を左に見て立派な東屋を通過し舗装道路に出た。左には伊吹山のすそ野が広がり中腹以上はすでに紅葉が終わっている。白い崩壊地が痛々しく、崩壊地を縫うように伊吹山ドライブウェイのガードレールが見える。
 
 すぐに山道に入り農道をショートカットし、再び舗装道路へ、そして山道に入ったが獣害防止フェンスに遮られた。農道に出られるだろうとフェンスに沿ってススキのヤブを分けていくが、ヤブはひどくなるばかり。ヤブの中で咲くシデシャジンを見つけたのがせめてもの救い。
 
 引き返そうかと思ったところで前方に農道が見えたので強引に進んでやっとのことでガードレールの隙間から道路に出た。道路を歩いて上部駐車場の手前から登山道の標示を見つけ草むらに踏み込んでみるが再びフェンスで進めない。フェンスの外には丸木階段が見えるのだが・・・。獣害防止フェンスを設置したことで登山道がいたるところで寸断されたようだ。
 
 山道を歩くのをあきらめ、上部の駐車場まで戻った。ここまで30分と考えていたが1時間ほどかかったのは想定外。農道にあるフェンスを開けて舗装道路を歩く。紅葉を見ながら農地の中を蛇行しながら歩き最上部に近い小さな谷のあるところ着いた。以前、ここから山道に入った記憶がある。
 
 草に覆われているが踏み跡は確認できる。草むらを登っていくと、1mほど前の草の中から大きな鳥が飛び立ったのにはびっくり。ヤマドリだった。谷は大雨で荒れて道が怪しくなり崩壊しかけたフェンスに突き当たる。どうやってもフェンスの外には出られない。
 
 農道まで戻って付近の人工林の中で道を探すと、なんとフェンスの向こうにしっかりした踏み跡を発見。もっと下のほうでフェンスの外に出なければならないことが分かった。登ってくる途中にフェンスの扉があった。掲載地図の「扉@」まで戻ってフェンスの外に出た。下山時に分かるが、この扉ではなく農地最上部にある「扉A」を抜けるのが正解。
 
 扉@を抜けてフェンスに沿って歩く。扉から数分歩くと裸地の斜面に出た。雨で掘り取られた溝には石灰岩がごろごろと転がっている。踏み跡が分からないところもあるが、疎林でテープもあり迷うようなことはない。
 
 やがて涸れた谷に沿って登るようになる。真っ白な石灰岩が散在し荒れた谷には踏み跡がほとんど見られないので歩きやすい場所を拾いながら登る。楓の真っ赤な紅葉が美しい。道は谷を外れて右方向にトラバースしていく。雪で曲がった広葉樹林は今が紅葉最盛期。この辺りの紅葉が一番美しい。
 
 道は何度も折り返しながら斜面を登っていく。高度を稼ぐにつれて木々の葉はなくなり、頭上に青空が広がった。やがて岩の多い場所を通過し再び狭くなった谷を登る。前方からご夫妻と思われる男女2人が下りてみえた。伊吹山に向かったがドライブウェイを歩いていて注意されたとのこと。
 
 ほぼ源流に近くなった涸谷を後に草付きの明るい道をジグザグと登る。展望が素晴らしく眼下には笹又の農地が見下ろせる。この展望に感動しながら稜線に立った。北西の強い風が吹いている。
 
 静馬ヶ原へ向かおうとすると入り口にロープが張ってあり立ち入り禁止になっている。静馬ヶ原まではドライブウェイの下をトラバースする細い道で、おそらくこの道が崩壊しているのではないかと思われた。
 
 静馬ヶ原へ行くのはあきらめ、ドライブウェイ直下まで登ってみることにした。石灰岩がころがる急斜面の道は登りにくく、ロープが設置してあるところもある。咲き遅れたヒメフウロが小さなピンク色の花をつけていた。見上げればドライブウェイには望遠レンズのカメラをかまえる人が見える。
 
 周囲に木々はなく素晴らしい展望が広がる。ガードレール手前まで登って写真を撮り、引き返す。今、登り着いた稜線の東にはなだらかなピークがあり、地図には標高が書かれていないが単独峰のピークである。静馬ヶ原の目標を前方のピークに変更して稜線を東に向かう。
 
 ピークに向かう稜線にはそれなりに踏み跡があるが獣道なのかもしれない。ピークはなだらかで広く疎林であり、どのようにも歩ける。ササも見られるが、シカに食べられて道を遮るほどではない。
 
 灌木を避けながら歩いて短時間でピーク頂上に立った。GPSでは標高が1068mとなっていたので、1068mピークと名付けた。頂上は木々に囲まれているが、木の葉がないこの時期には樹間から周囲の山々が見える。頂上にあるブナの幹にはクマの爪痕と思われる傷がいくつか見られた。
 
 ブナの木の前で写真を撮って、登ってきた道を引き返す。北風が強いので稜線から南に下りた辺りで昼食場所を探す。稜線はシカの牧場状態で草も少なくシカの糞が散乱していている。地面を這う吸血して巨大になったマダニも見られ、シカの多いことがわかる。
 
 糞のない平らな場所を探してシートを広げた。紅葉の山々や笹又の農地を見下ろしながら展望地でナポリタンを作った。1時間ほどで昼食を終え、登ってきた道を引き返す。樹林帯のジグザグを抜け、荒れた谷を通過し農地が近づいてきた辺りから踏み跡を拾っていく。
 
 往路ではフェンスに沿って登ってきたが、踏み跡はフェンス方向ではなく一直線に下っている。フェンスに付き合ったところに扉Aがあった。正規の登山道はこのコースのようだ。農地の一番奥まで上がればよいことが分かった。
 
 農地の中を下り、再度、登山道を検証するため登りでフェンスの外に出た扉から下り方向の踏み跡をたどったが、林道に出るなどして登山道は見つけられなかった。引き返して舗装道路を歩き途中から登ってきたショートカットの登山道を歩いた。
 
 さざれ石公園からの登山道は獣害防止フェンスによって分断され、舗装道路を歩かないと農地最上部までたどり着けないことが分かった。伊吹山に沈む西日で紅葉が真っ赤に染まる美しい光景を見ながら駐車場まで戻った。
 
 目的の静馬ヶ原までたどり着けずハプニングの連続だったが、美しい紅葉を楽しみながら伊吹山麓を歩くことができ、素晴らしい山旅となった。
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