トレースマップはカシミール3Dで作成
*この地図の作成に当たっては、国土地理院長の承認を得て、同院発行の数値地図25000(地図画像)及び数値地図50mメッシュ(標高)を使用しています。(承認番号 平25情使、第146号) 

清水山 (325m 滋賀県) 2018.10.8 2人 晴れ

貴船地区駐車場(9:17)→貴船神社(9:21)→鉄塔(9:46)→清水山山頂(10:05-10:16)→鉄塔(10:32)→作業道(10:44-10:50)→鉄塔(11:01)→清水山山頂(11:15-12:20)→鉄塔(12:27)→車道(12:56)→駐車場(13:01)

★10月8日に滋賀県の清水山に登ってきました。
★貴船神社に参拝して山道へ。
★いきなりものすごい蜘蛛の巣だらけの道となり、ここを人が歩いたのはいつのことだろうと思いながら稜線に出ました。
★鉄塔と箕作城址の碑を通過して展望地へ。
★そのすぐ先で鉄塔の立つ清水山山頂を踏みました。なぜか標示は箕作山と書いてありましたが・・・。
★南に見える箕作山山頂を目指して鉄塔巡視路を下りましたが、夏草と倒木で前進できず撤退。
★清水山に戻って山頂で昼食を楽しみました。
★下山は蜘蛛の巣を払いながら鉄塔巡視路を下って山本西登山口に出ました。
★箕作山までは行けませんでしたが、倒木や蜘蛛の巣と戦った思い出に残る山歩きとなりました。

 今年の6月に滋賀県の太郎坊山から岩戸山までを縦走したときに、箕作山山頂から北側に美しい三角形をした単独峰が望めた。山頂には鉄塔が立っている。調べてみると、山の名前は「清水山」で、登山道がいくつも整備されており、山頂の鉄塔下からの展望もいい。また、清水山から箕作山へのルートもあることから、清水山経由で箕作山までを歩くことにした。

 国道8号線を南下し、近江鉄道本線五箇荘駅近くの五個荘中央公園のトイレに寄って、五個荘山本町の住宅団地の南にある貴船自治会館の駐車場に車を停めた。靴を履き替えてスタート。

 自治会館から左に歩くとすぐに山側に貴船神社に向かう階段がある。苔むした階段を登って貴船神社で安全祈願。鳥居を出たところから山道が分岐しており、古い木製の標識が立っている。文字が消えかけているが、「山道入口」と読み取れる。
 
 道は丸木で階段が作られているが、かなり朽ちて草も生えている。小さな谷にかかった丸木の橋を渡って草を踏みながら登るとイワカガミの大きな群落を横切る。春にはたくさんの花を咲かせるに違いない。
 
 ジョロウグモの金色の巣が登山道に張り巡らされており、枯れ枝を拾って、巣を払いながら登って行く。この蜘蛛の巣の状況からして、最近、ここを歩いた人は無さそうだ。登山口が団地にある低山は、たいてい毎日登る地元の方がいるものだが・・・。この先、下山するまで蜘蛛の巣に悩まされることになる。
 
 箕作城址まで300mの標示を見て北斜面を登って行くと尾根に出た。標識があり、右が箕作城址とある。左へ尾根伝いに道があるが通行止めとなっていた。右折して相変わらず蜘蛛の巣の道を歩く。

 すぐに前方に鉄塔が見えるようになり、潅木の隙間を抜けて行くと、木々が切り払われた鉄塔下に到着。わずかに南東の展望が得られる程度だった。その先で石垣の上に立つ石碑がある。石碑には箕作城址と彫られており、先ほどから現れる標示の場所に違いないと思った。しかし、箕作山は清水山の南に位置するにもかかわらず何故ここが箕作城址なのか疑問。この疑問はこの先でさらに深まることになる。
 
 蜘蛛の巣に苦戦してスローペースで歩き、石碑から数分のところで道標が現れた。左に薄い下り道があり、「宮立10分」と書いてある。直進は「箕作城跡10分」、後方は「箕作城石碑」。先ほどの石碑は城跡ではなく、この先に箕作城跡があるようだ。

 箕作城址まで100mとある標示板を通過。プラスチック階段を登って行くと明るい広場に出た。多少、木で遮られているがほぼ360度の展望地となっている。ここが箕作城址であろうか。
 
 目の前の一段高いところに鉄塔があり、青空に聳えている。鉄塔下は草付きの広場になっており、ここからの展望も素晴らしい。北には以前歩いた猪子山から繖山への稜線が見える。北東には小さく荒神山、さらに伊吹山や霊仙山が遠望できる。南にはこれから目指す箕作山が見える。
 
 ササに埋もれた三角点の横にある標示板を見て驚いた。「箕作山山頂 標高325.4m」と書いてある。「あれ? ここは清水山ではなく箕作山?」 後に調べてみると、この山域一体を箕作山と呼ぶ場合もあり、清水山の別名は北箕作山とも言われるようだ。
 
 山頂で展望を楽しんで、次の目的地である本当の箕作山に向かう。箕作山へのルートは山頂から真南に下って林道を横断して登り返す。古い標識があり、かろうじて「○○方面→」と読めた。山頂からの道はこれしか見当たらないので、この古い標識に従って西に下る。
 
 草が刈り払われており、道は明瞭。人工林との境を南西に下って行く。箕作山方向より西に向かっているのでGPSで確認すると、真南へのルートではなく、高圧線に沿った鉄塔巡視路を下っていることが分かった。
 
 山頂に戻って再度真南の道を探そうかとも思ったが、先ほど山頂で明瞭な道はこれ以外に見当たらなかったので、おそらく鉄塔巡視路のみ草が刈り払われ、他の道は草木に覆われて廃道になっているのではないかと推測した。鉄塔巡視路を下れば林道に出るので、少し遠回りになるが林道経由で箕作山に向かうことにして、そのまま下る。
 
 人工林を抜けると明るい急斜面の道となり、高圧線に沿って下る。正面には波打つ形の箕作山が大きい。眼下に鉄塔が近づいてきた。鉄塔の向こう遠くには三上山が小さく見える。高圧線の下の樹木が切り払われていることから、展望は素晴らしい。夏草の茂みを歩くところもあり、マダニチェックをしながら下って鉄塔を通過。次の鉄塔が見下ろせる。
 
 潅木帯の急斜面を下り倒木を乗り越えて行くと荒れた林道に出た。この道が箕作山の登山道につながっていると考え、林道を左に入った。これが間違い。目指す林道はさらに下にあり、右に下るべきだった。
 
 この道は林道から分岐した作業道のようなもので、台風によるたくさんの倒木と背丈以上の草と蜘蛛の巣で前進できなくなった。気力も萎え、時間も11時近いので箕作山はあきらめ、清水山に戻ってゆっくりと昼食をとることにした。
 
 下ってきた道を引き返し、清水山山頂の鉄塔まで戻った。鉄塔下で近江の田園を前に、焼きうどんを作る。新幹線が走り抜ける音を聞きながらゆっくりと食事をした。

 山頂でもう一度、真南への道を探してみると、草に覆われた道が確認できた。急斜面に設置された杭やロープも見えるが、先ほどの鉄塔巡視路のようには整備されていない。冬場なら何とか通行はできるかもしれない。下り口には板切れが落ちており、文字は読み取れないが箕作山へのルートを示す壊れた標示板と思われた。
 
 下山は西側の尾根を下って周回することにした。倒木を避けながら西に向かうと「清水鼻方面 新堂町「平成の森」→」の標示があり、そのすぐ先で鉄塔を通過。いつの間にか鉄塔巡視路に入っている。西尾根を歩くルートの分岐を見落としたようだが、おそらく西尾根ルートも荒れているに違いない。

 再び蜘蛛の巣との戦いが始まる。枯れ枝で巣を払いながら、明瞭な道を下る。急なプラスチック階段を下り、鉄塔横を通過。倒木を迂回しながら急斜面を下って林道に出て、工事作業の小屋を見ながら車道に合流。車道を5分ほど歩いて駐車場に戻った。
 
 箕作山登頂の目標は達成できなかったが、清水山の状況は良く分かった。登山道はかなり荒れており、入山する人は少ない。この山にどれだけのジョロウグモが住み着いているのかと思うほど蜘蛛の巣が張り巡らされており、蜘蛛の巣と戦った記憶に残る登山となった。冬場に再度兆戦したいと思いながら近江を後にした。
★清水山からの展望

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