トレースマップはカシミール3Dで作成
*この地図の作成に当たっては、国土地理院長の承認を得て、同院発行の数値地図25000(地図画像)及び数値地図50mメッシュ(標高)を使用しています。(承認番号 平25情使、第146号) 

賤ケ岳・大平良山 (422m・458m 滋賀県) 2022.4.17 晴れ 2人

余呉湖観光館(8:42)→江土登山口(8:47)→岩崎山(8:58)→大岩山(9:22)→首洗いの池(9:28)→猿が馬場(9:32)→賤ケ岳山頂(10:08-10:25)→飯ノ浦切通(10:40)→飯ノ浦分岐(10:58)→大平良山山頂(11:26-12:37)→権現峠(12:59)→<道誤り>→林道・石仏(13:19)→神明山山頂(13:55)→鉄塔(14:07)→堂木山砦跡(14:12)→<ルートファインディング>→農道(14:45)→余呉湖観光館(15:17)

★4月9日に滋賀県の賤ヶ岳や大平良山など余呉湖を取り巻く山を周回してきました。
★余呉湖観光館をスタートし、江土登山口から入山。
★尾根を歩いて岩崎山、大岩山、猿が馬場を通過し、大勢の観光客でにぎわう賤ヶ岳山頂に到着。
★桜の蕾が膨らむ山頂から余呉湖や琵琶湖の大パノラマを楽しみました。
★賤ケ岳山頂を後に、北西に大きく下って峠を通過。
★峠から登り返してタムシバの花を見ながら大平良山山頂へ。
★山頂で余呉湖や横山岳を見ながらゆっくりと昼食を楽しみました。
★大平良山山頂から北に下って灯篭のある権現峠へ。
★峠から北尾根に入り、道間違いに気づいて峠まで引き返し、少し下って林道から神明山と堂木山の砦跡を通過。
★堂木山の先で道が消え、持参した地図とGPSとテープを頼りに下山しました。
★ルート誤りなどありましたが、計画通りのロングコースを歩くことができ達成感のある山行となりました。

 山本山から賤ケ岳まで過去に2日間かけて歩き、残すは余呉湖一周。余呉湖は周囲を山に囲まれており、南には賤ケ岳、西には大平良山の標高400m超えのピークがある。登山口はいくつかあるが、今回は北東にある江土登山口をスタートして時計回りに歩く。時間があれば最北端の堂木山まで歩きたい。

 木之本の町を北に抜け、JRに沿って国道365号線を北上。余呉湖口の信号交差点を西に向かい余呉湖観光館近くの湖畔にある駐車場に車を停めた。余呉導水路が余呉湖に合流するところに駐車場があり、導水路沿いの桜と菜の花が満開で大勢のカメラマンや花見客でにぎわっている。
 
 靴を履き替えてスタート。観光館のトイレに寄って古民家喫茶店などを見ながら集落の中を北に歩き、「賤ケ岳登山口→」に従って舗装された道を登るとすぐに赤い鳥居を潜る。釣鐘を見ながら山道に入る。
 
 しっかり踏まれた道を行くと岩崎山砦跡の分岐があるので左に折れて岩崎山に寄ってみる。山頂はササの中に三角点があり、展望はない。「岩崎山209.66M」の標示がある。
 
 すぐに引き返して登山道に戻り南下。人工林に入り右に余呉湖湖畔の大岩山登山口への道を見て未舗装の林道に出る。林道を2分ほど歩いたところで左の山道に入る。丸太で作られた柵に沿って歩くと中川清秀の墓への分岐がある。
 
 大岩山に墓があり左へ歩くと大岩山砦跡の案内板や立派な墓があった。中川清秀は大岩砦を守っていたが柴田勝家の部下である佐久間盛政の奇襲によりここで壮絶な最期を遂げた。賤ケ岳の戦いの最初の戦地でもある。
 
 墓の前で手を合わせ登山道に戻る。この先で首洗いの池の標示が現れたので、左へ人工林の中を下っていくと1mほどの池があり動物の毛で埋もれている。猪のヌタ場のようだ。
 
 登山道に戻って歩き、猿が馬場を見て木之本への分岐を通過。シカによる皮?ぎ防止のテープが巻かれた人工林の尾根道を右方向に向きを変えながら歩く。下りもある。天然林になり展望のいいところからは余呉湖と、その左にこれから歩く大平良山から堂木山への長い稜線が望める。
 
 傾斜が増した道を登り切ると賤ケ岳山頂に到着。2年半ぶりの賤ケ岳登頂。山頂からはぼぼ360度の展望が得られ、南には琵琶湖、北には余呉湖の展望が素晴らしい。山頂の桜はまだ開花していない。
 
 大勢の登山者で賑わう山頂で一息ついで西に向かい、東屋から右の山道に入る。余呉湖を見ながら急斜面を下り、人工林と天然林の境を歩く。登ってくる登山者とすれ違いながらぐんぐん下っていくと、飯浦切通と言われる峠道に出た。
 
 ここを右に下れば余呉湖畔に出るが、周回コースは直進。峠の上にあるお地蔵様に手を合わせて登り返す。明るい天然林であり樹間から余呉湖が望めた。この辺りは自生するタムシバが多く見られちょうど満開で美しい純白の花を咲かせている。
 
 登り切ってなだらかな尾根道となり飯ノ浦方面への分岐を左に見て気持ちのいい稜線を歩く。美しい落葉樹林を登ると三角点が現れ大平良山の山頂に到着。山頂は広く木々に囲まれているが東側はわずかに展望があり、余呉湖や雪の残る横山岳などが望める。
 
 昼食は展望のある東側でシートを敷いて雑炊を作った。ここまで登ってくる登山者は少ないが、それでも家族連れのパーティも見られた。1時間程ゆっくりと昼食を楽しんでさらに北を目指す。
 
 シロダモと思われる常緑樹が多い人工林の中を下る。大平良山山頂から20分ほど歩いて権現峠に到着。この峠を余呉湖側に下って明神山に向かうのが正しいルートだが、峠を横切って直進してしまった。
 
 踏み跡もあり、また少し先で2名の男女が休息中だったことから何の疑問もなく尾根道を進んだ。次第に踏み跡が薄くなり、GPSで確認して道が間違っていることに気づいた。権現峠まで引き返して東へ広い道を下る。
 
 数分下ったところで、左の高台にお地蔵様が現れた。ここをお地蔵様方向へ登ると舗装林道に出る。林道を歩き、すぐに右の山道に入る。入口に標示は無い。緩やかなアップダウンを繰り返しながら歩き茂山を通過。
 
 30分ほど歩いたところで神明山砦の案内板が現れる。溝のような砦遺構を横断しながら進み、神明山の標示を通過。山頂から10分ほどで鉄塔が現れ、鉄塔付近からは東西の展望が得られる。
 
 鉄塔下を下ったところで獣害防止フェンスを抜ける。東へ下る道があり、この道を下山すると登山口に出られることが後に分かる。
 
 堂木山砦跡の標示に従って直進。すぐに堂木山砦の地図が現れ、砦跡が先へと続いている。砦跡を見ながら北東へ向かい案内板を通過。砦跡の端まで来た辺りで踏み跡が怪しくなり消えてしまった。
 
 ネット情報の持参した地図のトレースは238mピークの北から南に下っているが、いくら探しても踏み跡は見つからない。砦跡に戻って南側を探しても道は無い。正しい登山道は鉄塔下のフェンスまで戻るのだが・・・。
 
 道が見つからないので作戦会議。道に迷ったら戻るのが鉄則だが・・・。GPSと地図のトレースと周囲を見回す。人工林の中で下草はなくどのようにでも歩ける。東側には2つの尾根が分岐しており、右側の尾根のほうが傾斜は緩い。
 
 よく見ると古い赤テープが右側の尾根にある。下界まで標高差は100mも無いので地図のトレースどおり右側の尾根を下ることにした。1つ心配なことは獣害防止フェンス。脱出できなかった揖斐の権現山の記憶がよみがえった。
 
 スギの枯れ葉を踏みながら尾根を下り、尾根先端も手前辺りまで下ると薄い踏み跡が現れた。右へ折り返すように曲がり谷に出ると正面に建物。その前に予想通りフェンスがある。
 
 コンクリートの小さな橋を渡りフェンスの針金を外して道路に出て、フェンスを元通りに戻した。橋があることから、おそらくフェンスができる前はここからも登れたようだがフェンスができてからは登られていないようだ。
 
 建物は斎場であり、ここから農道を少し西に歩いたところに登山口発見。鉄塔下のフェンスから下るとここに到達するようだ。今日歩いた山の稜線を見ながら農道を南に一直線に歩きJRの踏切を渡って駐車場に戻った。
 
 念願の余呉湖一周を達成。ロングコースではあるが展望地や史跡があり、変化に富んだ山歩きが楽しめる。権現峠や堂木山で道を誤ったことから、事前にコースを把握しておくことが大切。賤ケ岳から大平良山、堂木山へのルートは登山者が少なく静かな山歩きが楽しめる。エスケープルートはいくつかあるが時間に余裕をもって歩きたいコースである。
★賤ヶ岳からの展望

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