トレースマップはカシミール3Dで作成
*この地図の作成に当たっては、国土地理院長の承認を得て、同院発行の数値地図25000(地図画像)及び数値地図50mメッシュ(標高)を使用しています。(承認番号 平25情使、第146号) 

捨薙山 (983m 東白川村) 2020.1.4 晴れ 2人

佐久良太神社奥の院駐車場(9:13)→宮山(9:15-9:23)→林道(9:30)→神土分岐(10:20)→全校登山ルート合流(10:48)→捨薙山山頂(10:51-12:14)→佐久良太神社奥の院駐車場(13:19)

★1月4日に東白川町の捨薙山に登ってきました。
★捨薙山は東白川小学校が全校登山をする6山の1つです。
★登山ルートは全校登山のルートではなく、8年前に登った宮山(お山様)から稜線を歩くルートを選択。
★宮山からササの道を下り、いくつかのピークを超えて尾根を歩きました。
★ヤブではないかと思いましたが踏み跡はしっかりしており、地籍調査のテープと杭が無数。
★膝ほどのササの道が続き、ほとんどが人工林で展望のない単調な道を、冷たい北風を受けながらアップダウン。
★全校登山ルートと合流してすぐに捨薙山山頂に到着。
★人工林に囲まれた木漏れ日の山頂で温かい昼食を楽しみました。
★展望も無く単調な道でしたが、ササと人工林の組み合わせは美しく、記憶に残る山歩きとなりました。

 あわただしい正月三が日が終わり落ち着いたところで、今年の初歩きに出かけることにした。冬型の気圧配置となったため、影響の少ない中濃方面の山の中から捨薙山を選んだ。捨薙山は東白川小学校が全校登山で登る6山の1つ。今までに6山のうち3山を登っていることから、捨薙山は4山目となる。

 全校登山のルートは捨薙山の東側を周回するが、今回は南西尾根を歩くことにした。と言うのは、8年前に宮山(お山様)に登ったときに、宮山から捨薙山まで稜線でつながっており、さほど大きな起伏も無いことから、稜線上を歩けると思った。

 稜線上を歩いた記録はほとんど見られないが、昨年の11月3日に東白川村つちのこトレイルマラニックが開催されており、そのコースがこの稜線上を通っていることが分かった。歩けると確信して宮山に向かう。

 白川町から県道62号線で東白川村に入り、黒川東白川トンネルを抜け、最初の交差点を左折。集落内を1kmほど走って折り返すように黒川中学校への道に入る。すぐに右側に立派な大杉がある佐久良太神社を見てカーブしていくと黒川中学校の入り口がある。

 学校に入らずに左にカーブしていくと道は山の中の一本道となり、1kmほど走ったところで右に分岐がある。角に小さく佐久良太神社と書いた標示板があり、ここを右折して道なりに走る。左に「笹畑のコメツガ」を見ながらさらに登り、分岐から2kmほど走ったところで山に突き当たるようにT字路となる。左角に石碑がある。

 ここを左折して少し登っていくと佐久良太神社奥の院の駐車場がある。10台ほど駐車可能。駐車場は展望地となっており、西側の山々が望め山名が書かれた案内板もある。また、駐車場入り口にも展望台があり、箱岩山や黒川集落など南側が望める。

 駐車場に車は無く、参拝者もいない。靴を履き替えてスタート。奥の院があるところが宮山山頂であり、以前は正面から登ったが、現在、駐車場の奥に林道ができている。凍り付いた広い林道を登っていくと奥の院の裏に着いた。8年前の記憶では奥の院の裏のササの中に山名標示板があったが、今では宮山の山頂を示すものは何も無かった。

 山頂から東へ人工林のササの中に踏み跡があるので、ここを下る。道が分からないほどササが足下を多い、灌木がうるさい。最後までこんな状態だといやだなと思いながら下っていくと、右下から林道が近づき、急な法面を滑るように降りて林道に出た。

 奥の院の前から続く林道で、山道を歩く必要はなかった。林道はすぐに終わり山道に入る。ササに覆われた人工林であるが、先ほどよりもよく踏まれた明瞭な道で快適に歩ける。ピンク・オレンジ・ブルーなど様々なテープが付けられており、道を誤るようなことはない。この先、地籍調査のテープも多数見られた。

 宮山山頂から標高差100mほどを下って緩やかに登り返す。下草のササは膝ほどの高さで、葉の両端が白く美しい。右前方から差し込む太陽の光を受けながら人工林の中の小さなピークを1つ2つと越えていく。やがて右側が天然林となり、常緑樹やアカマツが見られるようになった。

 林道終点から30分ほど歩いたところでピークを通過。前方には樹間に捨薙山と思われる峰が見える。このピークから激下りとなり、木に捕まりながら標高差40mほどを一気に下る。下りきって左山でなだらかに歩き、左にコメツガと思われる大木の下を通過。

 北に向きを変えて、今度は標高差100mほどの適度な斜面を登り返す。10分ほど登ってピークへ。一時間ほど歩いたので小休止してパンを食べる。森林区分の小さなプレートが木に貼ってある。ここで尾根が分岐しており、左の尾根にある踏み跡も明瞭である。東白川村神土に向かう道だろうか。

 ピークを後に、東に向きを変えて少し下り緩やかな登りになる。左側がわずかに開けているところがあり、北側の山々が望めたが山名は分からない。なだらかな尾根となり、気持ちのいいササの道を歩く。ここでも右手の人工林の中に大きなコメツガの木が見られた。

 小ピークを越えて下りにかかると、今度は右手下方に倒壊した小屋が見える。水のたまったヌタ場を通過してすぐに白い看板のあるT字路に突き当たる。突き当たった道は全校登山ルートの道でありしっかりしている。左折してすぐに捨薙山山頂に到着。

 人工林の中で展望は無いが、北側には樹間から雪山が望めた。御嶽山であろうか。山頂には三角点と立派な山名標示板、そして「第31回全校登山登頂記念」の木柱があり、全校登山で小学生が持ってきた石が置いてある。

 名前や夢などが書いてある石は、平成28年と22年のもので、22年に登った6年生の児童は二十歳を過ぎて成人になっている。故郷の山に登った思い出は何歳になっても記憶に残っているに違いない。このような行事が30年以上継続していることは素晴らしいことだ。

 山頂の陽だまりで昼食を作った。スン豆腐に正月らしくお餅を入れて、温かい昼食をとった。ここで昼食を作った人は何人いるであろうか。そんなことを思いながら、誰も登ってこない山頂でコーヒーを沸かして昼食を終えた。時折冷たい強い風が吹く中、往路を下り、1時間ほどで佐久良太神社奥の院駐車場に戻った。

 今回の宮山から捨薙山までの尾根歩きはほとんどが人工林で展望がなく、同じような風景で単調ではあるが、下草のササが美しく、気持ちのいい尾根歩きができる。全校登山の山は残る2山。季節を替えて登りたい。
 山のリストへ