誕生山〜天王山
誕生山〜天王山 (502m・538m 美濃市) 2003.11.15 晴れのち曇り 4人(誕生山からは2人)

JAめぐみの穀類等乾燥調整施設・駐車地点(8:43)→コンクリート橋(8:48)→尾根4差路(8:58)→手すり上部(9:15-9:23)→誕生山山頂(9:37-9:51)→神洞分岐点・ピーク(10:25)→白山神社分岐点(10:32)→鉄塔(10:33)→ABCコース分岐点(11:10)→大矢田神社分岐点(11:12)→山頂(11:15-12:52)→大矢田神社分岐点(12:56-13:14)→大矢田神社(13:45)→神社散策・自転車→→JAめぐみの穀類等乾燥調整施設・駐車地点(14:28)

 5月12日に美濃市のTさんから、新しい誕生山へのルートがあるので登られてはどうかとのメールをいただいた。早速、このルートを利用して誕生山〜天王山の縦走を計画したところ、HP「山歩記」さんやクーさんが同じくTさんのメールを参考に誕生山に登られた。そこで、計画を延期し紅葉の時期に登ることとした。

 大矢田神社のモミジの紅葉を期待しながら長良川沿いに美濃市を目指す。藍川橋あたりから前方に見える美濃の山々が美しい。その中でも誕生山の特徴ある山容は一番始めに目につくランドマーク。まずは下山地点となる大矢田神社に寄り、帰りの足として使う自転車を置くことにした。この時期、神社へ乗り入れるためには駐車料金300円が必要であり、料金徴収場所手前でUターンして路肩の広場に自転車を置いた。

 一般にガイドブックに紹介されている誕生山の登山口は、以前にレポートで紹介したとおり下渡橋の北側の林道であるが、今回、Tさんに教えていただいた登山口はぎふ美濃ゴルフ場の北にあるJAめぐみの穀類等乾燥調整施設である。大矢田神社からJA施設までは、大矢田神社へ続く直線道路の最後の交差点であるうなぎ屋さんの角を東へ進む。左に山を見ながら突き当たりまで進み、左折。ゴルフ場のフェンスの道をTさんの設置された案内板に従って進めば右手にJA施設が見えてくる。

 なお、大矢田神社に寄らないでJA施設へ行く方法は、下記のとおりTさんからのメールを引用させてもらいました。
「美濃ICから県道94号線を西へ。長良川を渡り、本田プリモの信号を右折し、ぎふ美濃GCを目指してほぼ真直ぐに北上。途中、富士変速機の工場を左手に見る。富士変速機を過ぎてからは誕生山の標識が終点のJA中濃穀類等乾燥調整施設まで設置してあるので迷わずに行けます。」

 JA施設は現在シーズンオフで稼動していない。広い駐車場には先着の3台の車があり、林道に登山者の姿が見えた。ヤブさん・ayameさんである。昨日、掲示板「クーの山小屋」に「明日、誕生山〜天王山の縦走をします」と書き込んだことからの対面。待ち合わせ時間も決めないで登山口で一緒になるのはかなり低い確率。

 身支度していると、先発の男性2名のパーティーが戻ってみえた。道が分からないとのことだったので、右のコンクリート橋を渡るのでは、と話したところ、先に登って行かれた。4人で駐車場を出発し、未舗装の林道を歩く。もう1つの登り口同様、ここにもたくさんのフユイチゴが赤い実をつけていた。イノシシが掘り返した跡もたくさんある。

 すぐに林道終点となり、右のコンクリート橋を渡り、谷川沿いに登る。道にテープが張ってあり、マッタケの時期は入山しないように書かれていたが、マッタケは採りませんのでと入山。(まったけの時期がいつか分からないと思っていたところ、縦走路の途中に11月15日までと書かれていた。今日が最終日でした。) すぐに黄色い表示板に登山口は右の表示。スギの人工林を登る。倒木の前後に「頭上注意」の表示があった。この心遣いに頭が下がる。設置された方にお会いしたいと思ったが、後にこの思いが天に通じた・・・。

 歩き始めて10分で尾根に出た。4差路であり、鉄塔管理の黄色いプレートがある。右へは駐車場から見ることができた小ピークの上の鉄塔への道のようだ。左手は伐採されており、見覚えがある。よく見れば、前回登ってきた道への合流地点。

 ヤブさんのぎっくり腰や川上岳オフ登山などの話しをしながら緩急の道を登る。少し先で先ほど道を尋ねられた2名の男性に追いつく。この近くにお住まいで、誕生山は初めてだそうだ。かなり辛そう。誕生山名物の手すりのあるザレた急斜面を登り切ったところで小休止。天気予報の曇りははずれて青空。百々ヶ峰から舟伏山、岩田山、権現山、向山、金比羅山と濃尾平野の最前線に連なる山並みと朝日にきらめきく蛇行した長良川がすばらしい。休憩場所には最高の展望である。

 大岩を見ながら天然林を歩き、最後の急登にかかる。山容からも分かるように、頂上手前は急坂。木につかまって息を切らして登り切ると、フェンスに囲まれた反射板のある山頂に着く。南側が大展望。百々ヶ峰の鞍部から金華山がちょこんと顔を出しているのがおもしろい。御嶽神社の石柱の前で4人で記念撮影。石柱の後ろに瓦の破片が散乱していることから、過去にはここに社があったと思われる。北側のシロモジが黄色く色づいていた。

 ayameさんご夫妻は午後から予定があるため、ここで別れて2名で天王山を目指す。天王山への道は誕生山山頂取り付きから西側にある。ここも急斜面。落ち葉の上をジグザグに滑るように下る。常緑広葉樹が多く、シロモジやコシアブラの黄葉が目に付く。樹間から前方にピークが見え隠れする。下りきって尾根を歩く。緩やかになった尾根にはアカマツが多く、マッタケ山である。ルートの木々には所々赤いテープが巻かれているが、道は明瞭。一部、尾根をはずれて左山のところもあるが、ほぼ尾根道歩き。前方の大きなピークが近づいてくる。

 三叉路が現れ、左へ下る道があるが、ここは直進。地面に置かれた板切れにマジックで天王山への矢印がある。更に下って、ヒノキが植林された鞍部へ。これからの登りに備えて10分ほど休憩。前方から、誕生山で出会った2人パーティーの声が聞こえる。

 いよいよピークへの登り。ツバキやサカキなど常緑広葉樹の中を木につかまってジグザグに登っていく。かなりの急坂ではあるが、10分ほどで登り詰める。更に少し登ってピーク頂上へ。ここに標識があり、天王山は左。直進すると神洞に下るようだ。南の田園地帯から眺めると縦走路は真っ直ぐ西へ延びているように見えるが、実際にはこの地点でクランクして、南へゆっくり下っていく。右手樹間からは天王山と手前の鉄塔が望める。

 5分も行かないうちに、道は再び西を向き、天王山は前方に見えるようになる。気持ちのいい尾根歩きが続く。潅木に遮られてはいるが、左には百々ヶ峰などの山並みが見える。右は人工林。すぐに白山神社へ下る分岐点を通過。分岐点には標識が設置されていて分かりやすい。白山神社からJA施設までの時間が20分と親切な表示がある。

 30秒も歩かないうちに辺りが開け、鉄塔下にでる。文句なしの大展望。電線が下界目指して曲線を描いている。北側の展望もよく正面には矢坪ヶ岳、今渕ヶ岳が重なり堂々たる山容を見せる。矢坪ヶ岳からも天王山が大きく見えた訳である。その右奥には片知山が美しい稜線を描いて駆け上がっている。

 鉄塔下で一息ついて先を目指す。再び樹林に入る手前に、北へ道があり、ここからも神洞に下ることができるようだ。ちょっとヤブっぽい尾根を歩く。相変わらず、右はヒノキの人工林。松の倒木が多い。周りの木々の背丈は低く、明るい。大岩手前で2名の男性を追い抜く。「きついですね」と再びあいさつ。かなりお疲れの様子。右手のヒノキは5〜6mの幼木となり、その脇を下っていく。松の木の横に大きな穴がある。自然にできた穴であろうか。

 再び急な登りとなる。前方に大きなピークが見え、人の声が聞こえる。天王山は間近の予感。ガマズミの赤い実が美しい。岩の多い天然林の急坂をこなし、明るい展望地を通過。振り向けば、今歩いてきた縦走路とその向こうに誕生山が美しい姿を見せる。ルートが途中で南にクランクしているのが手に取るように分かる。

 ここからすぐに天王山のABCコースに合流した。一旦下って登り返し大矢田神社からの道と合流。ここは表銀座。大勢の人で賑わう大矢田神社から登ってくるカップルや家族連れが多い。中にはスカートやハイヒール姿の人がいるのには驚いた。小ピークを経て山頂へ。誕生山からは2時間かかると思っていたが、1時間20分ほどで歩くことができた。

 山頂では大勢のパーティーが昼食中。さすが人気の山だ。誕生山から見た時よりも霞がかかり、展望は今一つではあるが、北〜西には高賀三山や相戸岳、舟伏山などが見渡せる。アサギマダラが頭上をひらひらと舞っている。方位盤の横にはママコナがピンク色の花を咲かせ、キチョウやツマグロヒョウモンが日向ぼっこ。先ほど追い抜いてきた2名が到着。こんな道が無い山は初めてだそうだ。確かに、大矢田神社から天王山への道に比べれば、この表現は間違ってはいないが・・・。

 山頂の一角にシートを敷いて、昼食にした。今回は味噌鍋。隣の男性3人パーティーと話をしながら、おいしいランチを楽しんだ。風もなくシャツ1枚でも寒くない。昼食後、単独の女性の方に写真を撮ってあげたらツクバネの実をいただいた。まさに羽根突きの羽。この山にはたくさんあるそうで、帰りに教えてもらった場所へ行ってみた。先ほど歩いた場所であったが、実が緑色や茶色でよほど注意していないと目につきにくい。この植物は他の木の根に寄生しているそうだ。

 ツクバネの写真を撮ってから、よく整備された道を大矢田神社へ下った。午前中の青空は消え、かなり暗くなった樹林帯の中を下る。午後1時過ぎ。まだまだ登ってくる登山者は後を絶たない。沢を渡る地点の大モミジの紅葉を期待していたが、まだ真っ青でがっかり。谷を右に見ながら、所々に散っているホウの葉を踏みながら、急坂にあるロープ場を下った。大モミジまで登る観光客も多い。ハイヒールにハンドバッグでここを登るのはちょっと無謀だ。

 紅葉していないモミジの谷を下り神社に到着。恐ろしい観光客の数にびっくり。紅葉していないのにこんな人出があるとは。ザックにストック姿という似合わない格好で屋台のざわめきを抜け、自転車で駐車地点まで戻った。靴を履き替えていると、1人の男性に声を掛けられた。誕生山に詳しい方で、標識などを設置しているとのこと。「ひょっとして、メールをいただいたTさんですか」とお尋ねしたところ、Tさんご本人でした。まさか、会えるとは・・・偶然にびっくり。標識を付け始めた動機や誕生山の良さなどをお聞きしました。駐車場脇の案内板を指さして、「あれは洗濯機のフタで作ったんですよ」とTさん。また、以前のウチのレポートで我々が道に迷ったことを知って、迷い込まないようにしていただいたそうだ。天王山のように大勢の人が安全に登れるような誕生山にしたいという熱い思いがひしひしと伝わった。頭が下がる思いである。

 Tさんと別れ、改めて誕生山を見上げた。そこには美しい秋の里山があった。厚い雲から小雨が落ちてきた。林道脇のフユイチゴを一握りいただいて、駐車場を後にした。紅葉は早すぎたが、多くの人と出会えた充実の山歩きであった。
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