トレースマップはカシミール3Dで作成
*この地図の作成に当たっては、国土地理院長の承認を得て、同院発行の数値地図25000(地図画像)及び数値地図50mメッシュ(標高)を使用しています。(承認番号 平25情使、第146号) 
*赤いラインが今回のトレースです

誕生山 (502m 美濃市) 2019.1.6 晴れ 2人

神洞グランド(9:33)→稜線(10:19)→誕生山山頂(10:39-12:04)→鉄塔(12:43-12:50)→神洞グランド(13:31)

★1月6日に美濃市の誕生山を、神洞を起点に北ルートを周回してきました。
★神洞のグランドから神洞峠へのルートへ。
★人工林の中、荒れた谷川に沿って歩き、急登して稜線へ。
★東に向きを変えて、ロープ付き急斜面を登って誕生山山頂を踏みました。
★大パノラマを前にゆっくりと昼食を楽しみ、下山は北尾根ルートへ。
★急斜面、尾根歩き、トラバース、そして大展望の鉄塔下へ。
★鉄塔からは目の前に天王山や矢坪ヶ岳、片知山などを望むことができました。
★鉄塔の先で西に向きを変えて、荒れた谷でルートファインディングしながらグランドに戻りました。
★変化に富んだルートを楽しむことができ、思わぬ人とも出会え、素晴らしい山歩きとなりました。

 昨年、コースが整備された誕生山に3回登ったが、いずれも南側からコースであり、北側からのコースはまだ歩いていない。今回は誕生山の北側にある神洞グランドを基点に、神洞峠に向かって登り、天王山への縦走路に合流して誕生山山頂を踏み、北尾根ルートを下ってグランドに戻る計画を立てた。

 大矢田トンネルを抜けて板取川にぶつかる手前で東に向かって走り、「ほたるの里」の看板がある交差点を右折して神洞集落に向かう。道なりに集落の一番奥まで進むと大きなグランドと広い駐車スペースがある。車は1台もなく、ここから登る人はいないようだ。

 山の北側で陽が当たらないことから、枯れ草が霜で真っ白になっていた。登山口を確認してみると、右の林道は天王山へ、中央は神洞峠へ、左は誕生山北尾根ルートの3つがある。どれも歩いていないルートであるが、今回はまず中央の神洞峠への道に入る。
 
 ササに覆われているのは入り口だけで、その先は人工林の中へしっかりした道が続いている。イノシシの箱罠を見ながら、赤い実を付けたフユイチゴが繁茂する林道を一直線に歩く。
 
 倒木したスギの幹を跨ぎ、橋を渡る。荒れた谷川に沿ってなだらかな道が続く。雨水に洗われて石ころだらけのところやササが覆うようなところもあるが、道を見失うようなところはない。
 
 谷川のコンクリート管が崩壊して丸木橋が架けてあるが、朽ちて危険なので水のない谷に下りて対岸へ。更に荒れた道を、赤テープを追って進む。この道を通る人は少ないようで、夏はかなり歩きにくいと思われた。
 
 傾斜が増し、シダの茂る人口林をジグザグと登るようになる。稜線が近づき、灌木の天然林の中、落ち葉を踏んで急登。左山でトラバース道を抜け、折り返して丸木階段を登ると、誕生山と天王山の縦走路である稜線に出た。すぐ先にJAライスセンターに向かう西洞ルートがあり、標識が立っている。
 
 ここから東に向かう。何度も通った道であるが、逆方向に歩くのは初めて。この先で急斜面の登りが待ち受けているので気を締める。よく踏まれたなだらかな道を歩く。前方には樹間に誕生山山頂が見えるようになった。

 右山でトラバースしてピークを迂回し、尾根ルートへの近道分岐を通過した辺りから急登が始まる。ロープが設置された急斜面をゆっくりと登って行く。山頂までかなり時間がかかるのではないかと思いながら登ると、意外にあっけなく目の前に反射板が現れ、山頂到着。
 
 山頂には数人の登山者があり、展望デッキが整備されて以降、人気の山となっている。デッキからの展望は素晴らしく、濃尾平野に散らばる低山を後方から箱庭のように眺めることができる。市街地を流れる世界農業遺産の長良川が低い冬の太陽に煌いている。

 展望を楽しんだ後、三角点前で写真を撮って、反射板の東側のベンチで少し早いが昼食にする。隣のベンチで昼食をとってみえた地元の男性と山談義。誕生山には毎週登ってみえるそうで、我々は北尾根コースで下山することを話すと、「北尾根は変化に富んでいるものの山の情感が無い」と言われた。
 
 昼食をとり終わった頃、御嶽山の写真を撮りにみえた女性を見て、互いにびっくり。小学校の同級生GOMAさんで、ずいぶん前に本城山などに一緒に登ったことがある。「お久しぶり」と挨拶。お菓子を交換しながらしばらく雑談。GOMAさんはJAライスセンターから登って来たとのことで、山頂で別れ、我々は北尾根コースへ。
 
 グランドまで2.6kmの北尾根コースは山頂から東側に少し下って北の人工林に入る。直進すれば東尾根コースであるが、「踏み後が薄く、地形が複雑で、地図とコンパスが必要」との注意書きがあった。東尾根コースは次回のお楽しみとして、北尾根コースの急斜面を下った。
 
 ヒノキの幹に赤ペンキで○印が付けられているが、踏み跡を見失うようなことは無い。大岩の横を降下し、なだらかになると尾根の右のトラバース道を歩くようになる。幅が狭いところもあり慎重に下る。右手前方には下界の集落が望めた。
 
 コシダの群落を抜けて尾根に戻り、倒木の多い道を小さくアップダウンしながら歩いて、今度は尾根の左側のトラバース道となる。これは488mピークを巻くための道であり、急降下するところはゆっくりと下った。
 
 人工林の道が続き、天然林となったところで前方に鉄塔が現れた。177番鉄塔であり、素晴らしい展望台となっている。高圧線が下っている東には古城山や遠くに恵那山、その左には美濃の集落や長良川を挟んで湯ノ洞山とその向こうに御嶽山。
 
 北側手前には矢坪ヶ岳、奥に今ヶ淵岳、片知山、瓢ヶ岳など、西には天王山と誕生山から続く稜線が見える。いつも見るなだらかな山容の天王山は、ここから見ると鋭角の美しい姿をしているのが面白い。
 
 パノラマ写真を撮って、鉄塔を後に、北へ下る。178番鉄塔への分岐を通過し、176番鉄塔方向に尾根を歩く。人工林の中を下っていくと、ホオバの落ち葉がたくさん散って白く見える鞍部に出た。ここから道は直角に左に曲がり、176番鉄塔への巡視路を下る。
 
 ウラジロの群落を見ながら左山で歩く。人工林の林床にはたくさんのサカキの幼木が茂っていた。しばらく下ると道は谷に、向かって急降下する。ほとんど水の無い谷を渡って、狭いトラバース道を谷に落ちないように慎重に歩いた。
 
 平らな所に出ると谷が荒れて道が不明瞭なところもあるが、ルートファインディングして谷川の右を歩き廃屋の脇を通過。176番鉄塔の分岐を右に見て175番鉄塔方向に下る。鉄製の橋を渡って川左側を歩くとグランドに出た。
 
 我々の車があるだけで、ここから登る人は少ない。山頂で会った男性が「北尾根コースは情感が無い」と言われたが、人工林が多く、登山道のようなしっかりした道ではないことや、展望地が鉄塔以外にないことが理由のように思われた。
 
 北斜面の周回コースであり、陽の低いこの時期には谷沿いは暗く、道はかなり荒れている。しかし、尾根歩き谷歩きと変化があり、退屈しないコースだった。
 
 夏場にはヤブになりそうなところもあるので、木々が葉を落とした時期がベスト。次は、東尾根に挑みたい。
★誕生山からの展望


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