トレースマップはカシミール3Dで作成
*この地図の作成に当たっては、国土地理院長の承認を得て、同院発行の数値地図25000(地図画像)及び数値地図50mメッシュ(標高)を使用しています。(承認番号 平25情使、第146号) 

天狗ヶ城 (684m 山県市) 2021.2.14 晴れ 2人

八月堂(9:42)→御岳神社(9:49)→道標・神崎分岐点(11:07)→鉄塔(11:19-11:23)→手取岩(11:43)→天狗ヶ城山頂(11:50-11:13)→松宇土山頂(11:36-12:59)→鉄塔(13:25)→道標・神崎分岐点(13:35)→市井・貴船神社分岐点(13:48)→愛宕神社跡(14:04)→貴船神社(14:20)→国道(14:29)→八月堂(14:38)

★2月14日に山県市の天狗ヶ城に登って来ました。
★7年前に登った記憶をたどりながら、八月堂から登山道に取り付きましたが様相が一変。
★台風と雪によりたくさんの杉の大木が倒れて登山道が見つけにくくルートファインディング。
★大木を乗り越えたり潜ったりして迷路のような人工林を突破。
★トラバース道を抜けて、天然林の中、落ち葉を踏みながら歩きました。
★石の道標や石仏を見ながら展望のいい鉄塔を通過。
★手取岩を見て、急斜面を登り切り天狗ヶ城山頂に立ちました。
★誰も登ってこない山頂で舟伏山を見ながら暖かい昼食を楽しみました。
★帰路は、市井方向に下り、貴船神社を経由して車道を歩き八月堂へ。
★想定外の障害物登山でしたが、記憶に残る山旅となりました。


 今年は雪の日が多かったものの、その後暖かい日が続いたことから美濃の里山の雪はほとんど残っていない。山県市と本巣市の境界近くにあるコカシ洞に登ることにして、3年前と同じ尾並坂峠の登山口に向かった。峠の左側の空き地に車を停め、靴を履き替えてスタート。

 谷に沿って右山でトラバース道に入ったが、湿った細道は滑りやすく崩壊しているところもある。杉林を直登して尾根に取り付こうとしたが急傾斜で危険。登山口で作戦会議をして山を変更することにし、近くの天狗ヶ城に登ることにした。地図はGPSにあるので問題はない。天狗ヶ城は7年前に登っており、記憶に新しい。登山道は明瞭で難なく山頂に到達できると思ったのだが・・・。

 登山口のある八月の集落まで引き返して、「八月堂前」のバス停から山側に上って八月堂の前の駐車場に車を停めた。二人の男性が山に入っていくのを見ながら、八月堂で今日の登山の安全を祈願。お堂の右側の細い道を歩き、長い階段を登って、御嶽神社にも参拝。

 お社の裏に回ると道は不明瞭だが尾根をたどれば登山道に合流するはずである。先ほど登って行かれた男性二人が神社近くで森林作業をしてみえた。この尾根で道が間違っていないかを尋ねると、台風と大雪で倒木がひどく、山頂まで行けるが時間がかかるので、西にあるもう1つの登山口を利用したほうがいいかも知れないと言われた。倒木を避けながら進めば行けると聞いたのでこの尾根を直進することにした。

 少し先で登山道に合流。言われたように倒木が道に横たわっており乗り越えていくとすさまじい光景が目の前に広がった。1本2本の倒木ではなく、杉の大木がひとかたまりになってなぎ倒され、枝がバリケードを作っている。葉が枯れた倒木は台風、緑の葉をつけた倒木は雪によるものだ。登山道は全くわからない。

 歩ける場所をルートファインディングしながら右往左往。とにかく尾根を外さなければいい。幹を乗り越えたり潜ったりする障害物競争のようだ。林床には茶の木が見られ、昔はこの辺りも畑になっていたに違いない。

 スローペースで20分ほど登ると山県市の山案内役「さくら」のアニメが描かれた標示板があり、「天狗ヶ城登山道」と書いてある。道ははっきりしないが、コース上を歩いていることは間違いない。倒木はこれでもかと続き、ようやく緩やかな登りとなった。

 標高420mほどのピークを通過して下りにかかる。本来なら登山道はこのピークの右側をトラバースしているのだが、倒木でトラバース道を見失ってピークを越えた。ピークを下ったところに市井・貴船神社への分岐点がある。

 なだらかな人工林の痩せ尾根を歩き、「クマに注意」の標示を見ながら再び左山のトラバース道となる。数分歩いて天然林の尾根を通過し、今度は尾根の左を歩く。ところどころに倒木が見られる。

 尾根に出たところで前方に鉄塔が見えた。痩せ尾根を行くと石の道標があり、左は「山」、右は「神崎」と掘り込んである。「←天狗ヶ城」と書かれたプレートに従って左の道を進むとすぐに小さな石仏があった。湯呑が転がり落ちていたので元に戻して手を合わせる。

 人工林を抜けて右山で天然林を歩くと鉄塔下に出た。鉄塔の下には緑色のシートが敷いてあり、東側と南側の展望が得られる。鉄塔から東の尾根に巡視路が下っている。鉄塔から北へ少し下って天然林の尾根を歩くと前方に2つの山が見える。左が天狗ヶ城のようだ。

 散乱した枝や落ち葉を踏みながらプラスチック階段を登ると急登になる。急斜面を登りきると人工林の中に「手取岩」と言われる大岩が現れ、その横を登る。「←松宇土」と「天狗ヶ城→」の白いプレートが木に掛けてあり、右に向かって倒木を潜っていくとすぐに天狗ヶ城山頂に到着。

 天狗ヶ城の案内板があり、山頂は人工林の中で山名標示板が木に縛り付けてある。三角点は無く、周囲は人工林で、この時期、樹間を通して周囲の山が見える。舟伏山を見ながら卵雑炊の昼食。誰も登ってこない山頂でゆっくりと昼食を楽しんだ。

 帰路は、登ってきた道を引き返して市井方向に下る。分岐から少し先で愛宕神社跡の石柱を見て稜線を離れ、人工林の中をジグザグと下る。時折、倒木が見られるが通行に問題はない。

 かなり下ったところで、小さなお社が山側にあり、手を合わせる。すぐに貴船神社が現れ、本殿から急な長い階段を下って鳥居を潜り、民家の間を抜けて国道に出た。出口はちょうど市井の標示がある所だった。国道を東に向かい八月堂に戻った。
 
 現在、八月堂から天狗ヶ城への登山道は倒木で寸断され、整備が必要な状況になっている。倒木が大木であり、その数も膨大で整備にはかなり時間がかかりそうだ。当分の間、市井から登るのがいい。
★天狗ヶ城からの展望(鉄塔から東を望む)

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