トレースマップはカシミール3Dで作成
*この地図の作成に当たっては、国土地理院長の承認を得て、同院発行の数値地図25000(地図画像)及び数値地図50mメッシュ(標高)を使用しています。(承認番号 平25情使、第146号) 
*今回のトレースは赤色のライン

虎子山  (1183m 揖斐川町) 2019.1.14 晴れ 2人

国見岳スキー場・林道入り口付近(9:17)→<ワカン装着>→国見峠(10:26-10:34)→標高1125m付近(12:05-13:19)→国見峠(14:00-14:06)→国見岳スキー場・林道入り口付近(14:47)

★1月14日に揖斐川町の虎子山に登ってきました。
★雪不足で滑走不可の国見岳スキー場から国見峠への林道を歩きました。
★林道にはスノボーとスキーのトレースのみ。次第に深まる雪に足を取られて、ワカン装着。
★ワカンでも沈む雪に苦戦しながら、1時間以上かけて峠に到着。
★峠から虎子山への登山道へ。トレースは動物たちの足跡のみ。深い雪の急斜面を交代でラッセル。
★膝まで沈み込むところもあり、超スローペースで急斜面を登り切って天然林の尾根に出たところで正午となり時間切れ。
★標高1030mの雪尾根で樹間に御嶽山などを見ながら温かいランチを楽しみました。
★山頂まで標高差50mほど手前で、頂きを踏むことはできませんでしたが、深い雪を体験でき、また青空の下で輝く美しい雪山に大感動の山旅となりました。

 今年の冬は晴天続きで雪が少ない。揖斐のスキー場は雪不足でどこも滑走不可。山の雪も少ないと予想して、久しぶりに虎子山に登ることにした。スキー場情報では、虎子山の麓にある国見岳スキー場の積雪は10cm。これならラッセルすることもないし、連休3日目で必ずトレースがあるに違いない。楽勝ムードで揖斐に向かったのだが・・・。

 県道32号線で春日地内を走るが、雪は見当たらない。美束集落に入り国見岳スキー場が近づくと雪が目に付くようになったが、路面の雪は溶けている。スキー場の駐車場入り口を通過して、国見峠への林道に入ると道路は一面雪に覆われていた。四輪駆動にして大きくカーブしながら登ると、車の底に当たるほどの積雪で前進不可能。車はここで断念して、道路脇の空き地に停めた。

 北斜面であり雪の表面はパリパリに凍ってツボ足でも沈まない。ワカンをザックに付けてスタート。林道には轍のようなあとが残っているが、スノボードやスキーの跡であり、歩いたトレースは残っていない。想定外の事態ではあるが、この時、この雪の深さなら問題ないと思った・・・。

 正面にはこれから向かう虎子山が青空の下で朝日に輝いている。カーブして国見岳への登山口を通過。次第に雪が深くなりツボ足では歩きにくくなったのでワカンを付ける。林道は大きくカーブして北に向きを変え、再び南を向くと朝日が当たる道となった。次第に虎子山が近づいてくる。

 雪面にはシカやキツネなど多数の動物の足跡が残されており、夜は動物天国だ。峠が近づくにつれてさらに雪は深くなり、ワカンでもかなり沈むようになった。なるべく沈まないところを予想して歩くが、風や地形の加減で雪の積もり方が異なり、思わぬところで足を取られる。

 スタートから1時間以上かかって、ようやく国見峠に到着。峠のお地蔵様にこの先の安全を祈願して雪に覆われた駐車場から伊吹山を眺めた。お釜を逆さにしたような伊吹山から湯気が立つように雲が立ち上がっている。

 峠で一息ついで、虎子山の登山口から急な雪の斜面に取り付く。ササや小枝をつかみながら登り切って、左側が人工林の痩せ尾根を歩く。当然、スキーのトレースは無い。傾斜が次第に増し、人工林の急な登りとなる。やわらかい雪で深く沈み込み、交代でラッセル。

 幹が直角に折れ曲がった木を見ながら登って行くと、後方には国見岳が立ち上がってきた。さらに倒木を避けながら進むと前方に虎子山へ続く稜線が見え始めた。天然林のなだらかな広い尾根を歩くようになるが、雪は深くなるばかり。

 気持ちのいい二次林の尾根を行くと、次第に傾斜が増し、またまた急斜面になる。交代でラッセルが続く。溝状に雪が窪んでいるのはイノシシが歩いた跡のようだ。後、20分で正午になる。GPSで現在地点を確認し、正午までにとうてい山頂まではたどり着けないことから、正午になったところで昼食にすることに決めた。

 ますます深くなった雪に苦戦しながら急斜面を登り切った。この辺りもシカやキツネなどたくさんの足跡が無数に見られ、またシロモジの丸い芽がやじろべいのように手を広げている。なだらかな美しい尾根となり、左に1163mピークのある尾根が近づいてきたところで、下界から正午を告げるチャイムが聞こえてきた。

 少し先の平らな場所まで歩いて、今日はここまで。標高が1120mほどの地点である。樹間からは御嶽山や乗鞍岳が遠くに見える。雪を踏みならして昼食会場を作ってシートを広げた。風が無く、この時期にしては暖かい。ガソリンストーブで野菜入りおでんを煮込む。その後にパックご飯を投入していつものように雑炊を作った。

 左前方の虎子山山頂を眺めながら、熱いコーヒーとリンゴケーキで昼食を終える。北から西にかけて真っ黒な雲が近づいてきて、雨が降りそうな雲行きになってきたので、パッキングをして下山。雲はすぐに消え、雨が落ちてくることは無かった。

 下山は登って来た道を下る。自分たちのトレースがあるので軽快に下ることができる。伊吹山や国見岳を見ながら一気に国見峠まで下った。峠のお地蔵様に下山報告をして、林道を下る。

 カーブする林道では、目の前に現れる山が次々と変わるのが面白い。ブンゲン、貝月山、鍋倉山、虎子山・・・。午後の冬の陽に照らされた山々が赤く輝いて美しい。林道の縁を歩いて側溝にはまったり、自分でワカンを踏んで転倒したりしながら駐車地点まで戻った。

 想定外の深い雪で虎子山山頂を踏むことはできなかったが、雪山を十分に楽しむことができた。また、雪のある時期にリベンジしたい山である。
★虎子山からの展望


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