簗谷山の写真1

簗谷山の写真2
簗谷山 (1213m 金山町) 2001.11.4 晴れ 2名

登山口(9:13)→ブナの木ルート→尾根(9:47)→簗谷山山頂(10:30-12:05)→岳美岩(12:10-12:20)→南尾根ルート→子鹿ノ涙(12:54)→登山口(13:25)

 昨日の雨もあがり、風は強いものの、天気は朝から晴れ。昨年から、計画していた簗谷山を予定通り目指すこととした。紅葉の最盛期であり、かなりの人出が予想されることから、9時には登山口に到達できるよう、自宅を7時過ぎに出発。156号線から、関金山線を北上し、41号に出て、ドライブイン飛山を過ぎてすぐ左折し岩屋ダム方面に向かう。ダム湖に沿ってカーブの多い道を北上する。秋色の山々が美しく、ドライブだけでも楽しい。

 金山の森キャンプ場のトイレに立ち寄り、狭くなった舗装道路を進み、「簗谷山登山道」の標識に従って、左折し橋を渡り簗谷林道に入る。この林道は舗装されており、一部狭いところもあるが、問題なく登山口に到達できる。この林道でかなり標高を稼ぐ。終点は10台ほど止められる駐車場であるが、9時にはすでに駐車場は満杯。さすが、紅葉の時期、人気の山である。
 
 100mほど下の路肩に車を止めて、歩き始める。登山口は駐車場突き当たりの案内図の看板の横にある。登り口すぐ上に野鳥観察のできる東屋があり、登山者用のノートが置かれている。明るい広葉樹のなかを、谷沿いに登る。渓流と風が枯葉を落とす音がさわやかに感じられる。樹林の密度が低く、加えて、黄や赤の落ち葉が地面を敷き詰めていることから、林の中は明るい。所々の樹木には名前のプレートが取り付けられており、参考になる。また、取り付けがステンレスのスプリングであり、木の生長に影響しないような方法がとられていることがうれしい。

 しばらく登ると「水場」の案内坂がある。谷に降りて飲料水を汲む。ここから、道は左の尾根に向けて谷を離れることになる。風で、ホウの葉がパラパラと落ちてくる。あまりにもきれいなホウ葉なので、10枚ほどいただいた。

 30分ほどで尾根に出て、左にコースをとり、真っ赤に紅葉したカエデがきれいな尾根を登る。下草はササであり、ササの中に広葉樹が自生している光景はすばらしくきれいである。中判カメラを取り出し、シャッターを切りながら歩く。右手の樹幹の間から御前山が望める。足下の紅葉した落ち葉を踏みながら、秋の山の良さはこの感覚だと充実感にひたって進むうちに、尾根はかなり急勾配になっている。息が切れるが、周りの美しさに、休息なしで歩く。

 やがて落ち葉の道は平坦な広い道となり、南には遠くの山並みが見える。北は雲に覆われて、御嶽山方面は見えない。時折、強い北風が落ち葉を巻き上げる。まもなくして南尾根ルートへの分岐点。直進すればすぐに山頂である。2時間近くかかると思っていたが、1時間15分ほどで着いた。

 山頂は10畳ほどの広さで、中央には大きな双眼鏡と方位板が設置してある。先客がいっぱいで方位板にも近づけない。まずは、景色。東の御嶽山は裾野しか見えない。乗鞍も穂高も雲の中。南東に見える尖った山は恵那山らしい。南には高賀山らしき峰が、西には、樹間から白山と三方崩山の白い山塊がかろうじて望める。

 風が強く寒い。ここで食事にするか、少し下って風のないところで食事にするか迷ったが、御嶽の雲がとれることを期待して、ここで食事と決める。登山者は、次から次へと到着し、ピーク時には50人近くが山頂に集まった。白いものがちらちらと落ちてくる。雪だ。今年4月に妙法ヶ岳でのなごり雪以来の雪に感動。

 昼食は、スパゲティー、ぞうすい、そして今回初のメニューとして容器ごと暖める茶碗蒸を作ってみたが、これがおいしい。コーヒータイムの頃、同じ町内同じ班のHさんが登ってきた。世の中、狭いものである。数ある山の中で出会えるとは・・・。Hさんは毎週山歩きをしていて羨ましい限りである。しばし山談議に花が咲く。気が付けば、御嶽山の雲がほとんどなくなり、白い山容が望める。ここでねばってよかった。

 1時間半の長い昼食の後、Hさんと別れ南尾根ルートに入る。すぐに、岳美岩への分岐。山頂から5分ほどの下りで、この岩の上に立つことができる。垂直に切り立った岩の上からの展望は言葉にならない。眼下に広がる紅葉の山々と、その向こうに真っ白に輝く巨大な御嶽。岳美岩とはうまく名づけたものだ。ちょうど人が少なくなった時であり、思いっきり先端に立って、写真を撮った。

 再び南尾根ルートに戻り、なだらかな尾根を下る。途中、御嶽がよく見える展望台を通るが、このルートのいたるところからは御嶽山が右・左・前方と位置を変えて眺められるのがすばらしい。帰路にこのコースを選んで正解。南から大きく折り返した辺りで、先ほどの岳美岩を見上げることができる。

 谷に挟まれた紅葉の美しい尾根を下り、谷川が始まるところにまさに源流の水場がある。この水がうまい。登山道は広く、2,3人が横に並んで歩けるくらいのところもある。たくさんの落ち葉で、道のごろごろした石が隠されていて、用心していないと足を取られる。かなりの急斜面に張り付いた道もあり、谷に転落の危険もあるので注意が必要。

 子鹿ノ涙という小さな滝と子鹿の霊を祭った石碑があるので手を合わせる。ここから、ちょっとしたピークをひと登りして、明るい広葉樹林を下り、右手に堰堤と駐車場の車が見えれば、ブナの木ルートの合流点は間近である。案の定、登山者の車は林道のはるか下の路肩までつながっている。後で聞いた話では、簗谷山はヤマケイ10月号で紹介されたとか。愛知県の車が多いことに驚いた。この山は登山道が広く、養老山に似て山登りというよりはハイキングコース。

 帰りに、41号線に出る手前の飛騨金山の道の駅に立ち寄った。時間があれば、温泉に入りたいところだが、温泉は次回に見送り、産地直売所で農家の方が作られた田舎味噌を買って帰った。もちろん、簗谷山で仕入れたホウ葉でホウ葉味噌を味わうため。
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